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「変わらないために、変わり続ける」オールユアーズと小杉湯の米寿を祝うTシャツを作りました【オールユアーズ共同代表・原康人×小杉湯CSO菅原理之】

こんにちは!小杉湯番頭のジェット石田です。

今年で小杉湯が創業88周年を迎えるにあたって、今の時代、必要とされる服を作るアパレルブランド・オールユアーズとコラボをし、小杉湯の米寿を祝うロングTシャツを制作しました!オールユアーズの「着たくないのに、毎日着てしまう」ロングTシャツの上に、小杉湯米寿を記念するロゴを添えたものを販売します。

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10月10日(銭湯の日)に予約販売を開始し、オールユアーズのサイトから購入することが出来ます。詳細は以下のオールユアーズのページからご覧ください。

なぜ、小杉湯の米寿という節目にオールユアーズと小杉湯がコラボをしたか。オールユアーズ共同代表・原康人(はらやすと)さんと小杉湯CSOの菅原理之(すがはらただゆき)さんがコラボの理由やお互いのお店の共通点について対談を行いました。

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変わらないために変わり続けるオールユアーズと小杉湯

オールユアーズは新商品をたくさん作ろうとせず、機能性が良く、着心地の良いトップスやボトムスをアイテム絞って販売するブランドです。そのことから、原さんと菅原さんは話し始めました。

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原さん:僕が機能性や楽な服がいいなと思ったのは、「ファッションが我慢」「お洒落は我慢」っていう風潮にずっと「ないってそんなん」と思っていたんですよ。食べ物でいうと美味しくないものを食べているほうがかっこいいという話になる。当然うまいものを食ったほうがいいし、だからファッションっていろいろねじ曲がっていたんだなっていうのは最初から思っていた。我慢するのをやめようよ。楽なほうがいいし、取り扱い簡単なほうがいい。

菅原さん:楽とか、面倒くさいというのが原動力ですね。

原さん:僕めちゃくちゃ面倒くさがり。

菅原さん:面白いですね。

原さん:考えるのが面倒くさいんですよね。服を選ぶのも面倒くさい。

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原さん:古着って昔に作られたものなので、その当時は便利やったけど30年経った後だったらもう古いんですよ。破れないように硬い分厚いものが昔のジーパンの良さであり機能美だった。ジーパンは穴掘っている人用に作っていたので。けど、今穴掘っている人ほとんどおらんと思います。でもファッションって、この価値がいいからってこのままスライドしてやり続けているんですよ。住んでいる場所も変われば気候も変わってくるし、一人一人やっている仕事も違うのに、なぜ洋服の趣味だけ懐古主義なんだって。僕らが発信しているミテミテシャツも全部そこ。要するに価値が全くアップデートされていない。50年前も20年前もずっと同じ価値。だから、基本的にそこに対するカウンターを打つ、SWITCH STANDARDってそういうことですよね。

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菅原さん:小杉湯の在り方も一個そういうところがあって。「銭湯の本質的な価値ってなんだっけ?」というのはブラさないけど、今の時代において銭湯が必要とされているという銭湯の機能は、人が集まっているコミュニティの要素や地域の繋がりなので。

原さん:昔の銭湯って「風呂がないから」という理由で入るじゃないですか。

菅原さん:公衆衛生のために作られた、みんなのお風呂。

原さん:ライフスタイルが変わってもほとんどの家に風呂があるから、風呂屋の在り方も50年前とは変わっている。温浴自体の価値というか。

菅原さん:僕も機能性というところで、求められている機能と今必要な機能があったりしているので、その点を踏まえていろんなお風呂をやったりしている。

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原さん:「変わらないために変わらないといけない」とめちゃくちゃ思っていて。洋服の最大の機能は裸じゃなくなることなんですよね。僕らもごちゃごちゃ機能性とか言っていますけど。あらゆる服の共通する機能性は「隠す」ということだったんですよね。その当時の隠すために出来たことと、今隠すためにできることは違う。環境も違うから隠し方をどんどん変えていったんですよね。毎日身に着けることを前提にどうやってそれがストレスなく着れるか、気にならなくなるか、っていうのが変わり続けることかなと思います。

石田(自分、以下石田):洋服に今求められているものってなんでしょうか?

原さん:これはブランドによって考え方がバラバラだと思うんですけど、僕らの価値としてはそれを身に着けることを気にならなくなること。気にならなくなることは勝手に毎日身に着けるはず。毎朝「っしゃー何にしようかな?」と考えることを減らしたい。好きな人はその選択をすればいいと思うんですけど、「とりあえずこれを着ていればいける!」というのを提供するのが僕らの考え。

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原さん:捨てる時、洋服って基本売ったら売りっぱなしでその先どうなったか基本的に把握していないんですよ。それを最後人間が死んで焼き場に持っていくぐらいの感覚で、最後僕たちが責任持って回収しますってところまでやらないと、本当の意味で責任を持ったということにならないんじゃないかと考え出したんです。回収を始めたんですけど、作って僕らが提供したものを、最後に僕らが綺麗にするので返してねという風にしている。ありがとうというお礼のギフトカードを渡したりしています。

石田:え~本当に渡したりしているんですか?

原さん:しています。オールユアーズのストアで使えるギフトカードをお渡ししています。二万円の商品だったら四千円分を渡しています。

菅原さん:最初に買った時の金額の20パーセントですよね。

原さん:一万円だったら二千円。どれだけボロボロな状態になってうちに来たとしても、引き取っているんで。小杉湯のコラボTも引き取ります。

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菅原さん:今回作るTシャツロゴは、小杉湯の今年88周年米寿といういい方をしているんですけど、変えないために変わっていく試みをしているオールユアーズとコラボするいい機会かなと思っている。

原さん:88年経営していれば変わっていることはあるんですよね。そういうのを洗っていくと面白い。

菅原さん:石田ちゃん、働き出して何年?

石田:休んでいた時期もありますけど、一年半ぐらいでしょうか?

菅原さん:変わったところとかあった?

石田:私の時はそこまで頻度が高くなかった「もったいない風呂」は毎日やるようになって、色付きのお風呂が増えたからうれしかったですね(笑)。

菅原さん:もしかするとオールユアーズの動きと比べると毎日ベースの小さなことかもしれないけど、その積み重ねによって、お客様がいつも通り何か偏りもなくそこに居られるという状態がつくれるといいなと思っていて。

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原さん:毎日何も考えずに来る人がいるから88年やっていけるんだろうなと思いました。僕らは6年しかやっていないですけど、僕らは6年の間でも洋服業界っていわれるところに対してSWITCH STANDARDしているので。

原さん:僕らは10月7日からシャツのクラウドファンディングを始めようと思っているんですけど、一個、前代未聞のことをやろうと思っていて、初日に作り方を公開するっていう。

石田:パクられちゃうじゃないですか(笑)。

原さん:あのね、どうせパクられる(笑)。今回の白シャツも作り方が非常識すぎるんで、いろんな問題を解決出来ているから、必ずパクられると思っている。だから「どうぞパクってください」とクラファンの中で出します。仕様書やパターンのデータはダウンロード出来る。しかも、それを維持するための生地とかパターンもリターンに入れるんで、完全につくれます。どうぞっ!!って。新しい機能性が広がってほしいなと思って。僕らの今回のシャツって真っ白なシャツなのに何着ても透けないんですよ。透けたら困る人沢山いるんですよ。広まった方がいいんですよ。たくさんの人に使ってほしいから。もっと広めようぜという書き方をしています。

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オールユアーズも小杉湯も、服屋を、銭湯を、間違いなくSWITCH STANDARDに挑戦し続ける企業です。

銭湯でオールユアーズの服を販売するSWITCH STANDARD

原さん:どう考えても銭湯と服屋はミスマッチ。でも服脱いで、風呂入って、服着て帰るみたいな。そういうのを考えたら、洋服と風呂は密接に繋がっていて。お店はミスマッチを楽しめるような空間であるべきだと思う。

菅原さん:「服は服屋さんで売る」というスタンダードを、「服は銭湯で売る」とカウンターを打っている。ただミスマッチではなく、お風呂に着たら服を脱ぐよね、体がさっぱりした時に新しい服を着たいというのがある。この取り組みもある種のSWITCH STANDARDだと思うので。

原さん:風呂上がりに試着するのは至上初だな。

石田:風呂上がりのほうが(服屋的にも)助かりますよね、綺麗な体で試着してくれるので。

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私自身、このコラボは本当に新しい取り組みだと思っていますが、小杉湯に来てくれたお客様にかけてあげたい言葉はありますか?

原さん:ここにいる人たち同士が、この服をハブにして勝手にコミュニケーションが生まれないかなと思っています。団体や友達で行っても悪乗り試着とかあるじゃないですか。明らかに似合わないのに着せるとかあるじゃないですか。あれもコミュニケーション。そういうのがお客様同士で生まれたらいい。

菅原さん:別のお客様が着ていたら「俺も着てみようかな」みたいなのが、お風呂屋のサイレントコミュニケーション。

お風呂あがりに、新しい服を着る体験を。

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10月10日から「着たくないのに、毎日着てしまう」ロングスリーブTシャツ【小杉湯】の予約販売をします。

余り布を活用したオリジナルショッパーバックと小杉湯の1回分無料入浴権利とセット「こすぎ湯あーずセット」となり、11000円で販売予定です。オールユアーズの納品書を番台に持ってきていただければ、入浴することが可能です。

また小杉湯では、11月12日から「こすぎ湯あーず」イベントを実施し、10月10日からサイズ3のみ、米寿ロングスリーブTシャツの試着が可能です。そして11月12日からいくつか厳選したオールユアーズ製品の試着が可能です。気に入った製品に関しては、オールユアーズのホームページで購入することが可能です。

※「着たくないのに、毎日着てしまう」ロングスリーブTシャツ【小杉湯】は小杉湯店内での試着及び販売は行っていません。オールユアーズのホームページから直接ご購入ください。

また、11月12日にオールユアーズとのコラボイベント「こすぎ湯あーず」が始まります。これから情報解禁していきますのでご期待ください。

お風呂あがりに、新しい服に袖を通して服を選ぶ体験を味わってはみませんか?

(聞き手:ジェット石田、写真:松田大成)

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