見出し画像

フランス北部の街Lilleを観光

Bonjour! 2週間ほど前に、フランス北部にあるLille(リール)という街で用事があったので、そのついでに少し観光してきました。

フランスの観光地いえば、パリ、モン・サン・ミシェル、リオン、、、などが思い浮かびますが、そう考えるとLilleは割とマイナーかもしれません。そんなわけで、Lilleを紹介していきます!

Lilleってどんな街?

Lilleはベルギーとの国境付近に位置する都市で、パリからだとバスで3時間くらいで着きます(私は旅行の時はいつもFlixbusという格安バス会社を利用しています)。ロンドンやアムステルダムにも近くなるので、フランスにいる間に色んな国に旅行したいのであれば最適な街です!

北フランスとベルギー、オランダにまたがる地域はFlandreと呼ばれ、同じ文化圏なので、リールの街並みはパリよりもベルギーに似ています。

リールは中世から、フランドル伯、ブルゴーニュ公国、ハプスブルク家へと次々に覇権が移り変わり、最終的に1667年に、ルイ14世の統治下に置かれ、現在に至るまでフランス領です。Deûleと呼ばれる運河に隣接しているため、中世から交易が盛んで、特に織物業が栄えていたそうです。

Lilleで訪れた場所

Palais des Beaux Arts de Lille

Palais des Beaux Arts de Lilleという美術館は、パリ外では最大と言われています。1792年に設立され、その当時に寄贈された、ルーベンスやヴァンダイクなどフランドル出身の画家の絵画をはじめ、コレクションが充実しています。

1階(rez de chaussée)には、彫刻のコレクションとArts décoratifsのコレクションが展示されています。

Arts décoratifsのコレクションでは特に陶器が多かった印象。17世紀にフランスに統合された後、Lilleと他の都市との交易が途絶え、そこからLilleでの陶器産業が盛んになったそうです。

ちょっと気に入ったザヴォイキャベツのオブジェ
台湾の白菜的なノリ?

2階には西洋絵画がたくさん展示されていました。ルーブル美術館にある『モナリザ』のように、誰もが知ってる!みたいな絵画はなかったけれど、なんとなくどこかで見たことあるような絵画はいくつかありました。

“Le Dénombrement de Bethléem” - Pieter Brueghel

その一つがこの絵。舞台はフランドル地方の冬の農村で、当時この地域を支配していたハプスブルク家によって人口調査が行われている様子が描かれています。真ん中より少し右寄りにいる、青いマントで覆われた女性はイエス・キリストを産む前の聖母マリアで、人口調査を受けるためにロバに乗ってやってきたという設定になっているそう。神聖な領域にいるとされる人々が、フランドルの一般庶民と同じ舞台で描かれているところにユーモアが溢れていて面白いです。

ちなみにこの絵画の本物はベルギーの美術館にあるようです。じゃあこれはニセモノなのか…?という感じですが、実はブリューゲルの息子が描いた絵だそう。

“Marché arabe dans la plaine de Tocria”
- Gustave Guillaumet

ヨーロッパを舞台にした絵画だけではなく、19世紀の植民地の様子を描いた絵画も何点かありました。この絵画ではアルジェリアの様子が描かれています。

この美術館はとにかく広かった!数年後また絶対来るので、その時にはもう少しゆっくり鑑賞したいです。

Musée de l’Hospice Comtesse

Musée de l’Hospice Comtesseの外観

元々は孤児や貧困の子供達を収容する施療院でした。フランドル地方の伯爵夫人であったJeanne de Constantinopleという女性が1237年に建てたそうです。

美術館として運営されるようなったのは、1962年からで、先ほど紹介したMusée des Beaux Arts de Lilleの別館という位置付けになっているようです。Lilleの歴史に関する展示が多くて、かなり学びになりました。(この記事の内容はほぼここの資料を参考にしています笑)

美術館というより博物館って訳した方が正しいかもしれない(フランス語では全部musée)。

Vieille Bourse

中庭の様子

日本語だと旧株式取引所。
1651年に、リールの市長?が商人たちのための取引所を建設する許可を、スペイン・ハプスブルク家の王フェリペ4世から貰い、1653年に建設されたそう。

建物内に入ることはできませんが、中庭では古本市が開かれています。古本意外にも、19世紀後半から20世紀前半に発行された新聞の表紙や、古いポストカードなども売られていて、かなりテンションが上がりました。

La maison Méert

Méertの外観

約250年前からある老舗のPattisserieです。パリにもありますが、このLilleの店舗が本店。

紅茶やケーキなどたくさんありますが、中でも観光客に人気なのがGaufreというお菓子。1849年から売られているらしい。

ウワサのGaufre

フランスではGaufreと言うと、ワッフルを指しますが、あみあみ部分が少し似ているだけで全くの別物です。中にクリームが入っています。私が注文したのはピスタチオ。そこそこ美味しかったです。


こんな感じで色々周ってきました。
少し後悔しているのは、あまりLilleならではの食べ物を食べられなかったこと。北フランスには、Estaminetと呼ばれる、地元民で賑わうレストランが何軒かあるのですが、そこに行こうと思ったら、土曜の夜で案の定混んでいて入れませんでした。次回はリベンジしたい…!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?