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パリで気づいた原宿カルチャーのさらなる魅力

フランス人は日本の文化が大好き。JAPAN EXPOなんていうのも毎年行われています。その中でもやっぱり漫画の人気はすごい。書店に行くとフランス語訳されている漫画がずらりと並んでいるし、コスプレイヤーの友達も何人かいる。

日本の伝統文化に興味を持ってくれている人も多い。最近はパリにある美術館・Musée du quai Branlyで着物の特別展が開催されていたり、和食屋さんも大人気だったり。

パリに留学をして半年以上が過ぎ、やっぱり大都市であるだけに日本食には困らないし、日本のカルチャーだって集結している。だけど、私にとっては何か物足りなかった。

んー、それってなんだろう。ずっとそう考えていて、Tuilerie公園近くを散歩していた時に見つけたのが、Angelic Prettyというロリータ専門店。

「パリで私が飢えていたものはコレだ!!!」
とその瞬間、思った。
店に入った瞬間、気持ちが楽になりました。

私は仙台育ちですが、度々用事で東京に行く機会があったので、その予定が終わった後に1人で原宿に寄って、ラフォーレ原宿の地下1階にあるゴスロリコーナーを見て、クレープをたらふく食べるのが好きでした。大学で上京してからは、友達と一緒に原宿に行く機会も増えました。

私の中で、原宿カルチャーがここまで不可欠になっていたとは驚きですが、確かにパリジャンが形成する文化と比較してみると、かなり違って、欲する理由がなんとなく分かる気もする。

前置きが長くなりましたが、ここからはパリで感じる原宿カルチャーの魅力、そしてそれを体感できるスポットについて書いていきます。

原宿カルチャーの魅力とは

私の中で原宿カルチャーの魅力というのは、一部の人達だけで世界が確立されているところ、そしてどこか闇を含んでいるところにあります。

例えば、ゴスロリは、誰もが憧れるカルチャー、と言うわけでは全くありません。なんなら、そのような格好をしていると変な目で見られることの方が多いと思います。

だけど、その人目を気にせずに自分の世界を貫く彼女たちがとにかくカッコいい。小中学校の時からゴスロリに惹かれつつも、なかなか外に出てそれを着る勇気が出ない私にはキラキラして見えます。選ばれし者しか入り込めない世界なような気がする。

日本のカルチャーの中でも、サブカルと名付けられてきた下北沢や高円寺の古着カルチャーが段々とメインに上がって、色んな人に親しまれてきているのに対し、原宿のカルチャーってずっとアンダーグラウンドに潜んでる。大多数にもてはやされずに、確立されている世界って最高にクールだと思う。

そしてそれに加えて、どこか闇も感じる。いい歳した大人が、あえて幼稚でカワイイ服を着ていることは、社会に統合できない現実逃避として、ゴスロリの少女性に篭ってしまっているように捉えることができる。

こういうのって、パリの文化にはないものなんだと思う。

ザ・パリの文化というと、歴史観溢れるアパルトマンがズラリと並び、ベレー帽をかぶって片手にバゲットを持って、セーヌ川付近を散歩する、そんなところでしょうか。

フランス人の中ではこういう光景を、cliché(紋切り型?)といって軽蔑することが多い。だけど実際、このclichéによってパリの観光業は支えられているし、ファッションブランドが多くのブルジョワ達を呼び込むことで、経済が潤っている。

このパリの文化は、世界中から憧れの的となっていて、なんとなく「これが正解」というのが決まっていて、同じ方向を向いている気がする。だから、この価値観に馴染めない私は、疲れることがあるのです。

こんな状況だからこそ、原宿カルチャーの少女性を欲してしまっているのだなと、内省。

パリで原宿に浸れる場所2選!

2選!というか、まだ2つしか見つけてないです。パリに観光に来たら、clichéしたい方が多いと思いますが、パリ滞在が長くなってそれに疲れ果てた方の居場所として、原宿カルチャーを存分に味わえるお店を紹介しますね笑

Angelic Pretty

まず一つ目は、先ほど話を出した、Angelic Prettyさん。日本にも何店舗かあります。ここは、ヨーロッパ唯一のロリータショップ。ネット販売しているロリータの作家さんは多くいますが、店舗としてあるのはここだけだそう。

お店の外観

ヨーロッパ全土からお客さんが来るらしく、みんなで集まってsalon du théに行ったり、イベントを開いたりするらしい。

パリジャン、パリジェンヌがロリータに惹かれる理由は如何なものか、ずっと気になっていたので、店員さんにインタビューさせてもらいました。


Q. ロリータを知ったきっかけは何ですか?

A. 15年前、フランスて行われたJAPANフォーラムに行った時に、「Gothic&Lolita Bible」や「KERA」などの雑誌を見つけてそこで初めて知りました。

Q. 今はフランスで大人気の日本のカルチャーですが、その当時はどれくらいの人気だったのでしょう?

A. 漫画一強という感じでした。当時はファッションはまだまだで、ロリータの情報もかろうじてインターネットで見つけていました。だけど現在は、色んな分野に開けていると思います。

Q. ロリータを着る時どのような感情になりますか?

A. 私は昔から可愛い物が好きで、でも幼稚になりすぎるのは嫌でした。ロリータは大人の自分でも可愛いを体現できるもの。自分が着たいものだから、着ていて本当に心地がいい。もちろん道を歩いていて他の人から視線を浴びることはあるけれど、でも私は自分のためにロリータを着ているから、そんなの気にしてない!

Q. ロリータ以前はどんな服を着ていたのでしょう?

A. 10代の頃はまだ学生でお金もなくて、ロリータの服を買うことができませんでした。その時は、パンクとゴシックがmixしたみたいな系統の服を着てたかな。だから、服装が他人と違うのには慣れていたのかも。でもその時からなんとなく、可愛いものを探してた。

Q. ロリータには昔のフランス貴族たちが着ていた服の要素も入っていると思います。そのことに関しては、どう感じますか?

A. たまにこの店に入って来たお客さんに、これはフランスの物なの?って聞かれることもあります笑
日本では着物がよく着られているでしょ?だけど、フランスではそういう伝統的な衣装というのはもう着られていなくて、古い文化とは切り離されている部分があると思う。ロリータはモダンな物だけど、形やデザインによっては、マリーアントワネット時代の衣装を思い起こさせることもあるかな。

Q. 日本のロリータとフランスのロリータで何か違いはありますか?

A. 人によって違うから一概には言えないけれど、日本のロリータは長髪にパッツン前髪がほとんどなのに対して、フランスのロリータはあんまり髪型を気にしてない感じがする。あと、日本ではレースの装飾がついた服が人気なのに対して、フランスではプリントされたワンピースがよく売れています。

Q. 最後に、、、何歳までロリータを着ますか?笑

A. 今のところはずっと着る予定。もし着るのをやめたとしても、今持ってるロリータのお洋服は全部自分のコレクションとして一生残していくつもり!


仕事の合間を縫って、フレンドリーにインタビューに応じてくれた店員さんには大感謝です泣

この店員さんはどちらかというと自分が着たいから着る!個人主義的な要素が強かったです。

フランス人にもこうやって原宿カルチャーの魅力が伝わっているのが嬉しいし、深くお話を伺うことができて本当に楽しかった。

princess crepe

ここはクレープ専門店。メトロ1番線のSt-Paul駅のすぐ近くにあります。

原宿の竹下通りでは、色々なスイーツが流行っては廃れるというのを繰り返していますが、原宿=クレープは、これこそ完全に廃れないclichéなのかも。笑

お店の外観
店内の様子

外観はご覧の通り、割とシンプルですが、中に入ってみると、ラブライブ!とボーカロイドのポスターやプラモデルが並んでいて、一気にアニオタ系になりました。ちょうど入った時に流れていたミュージックが、BABYMETALのギミチョコ‼︎でニヤニヤが止まらず。そのあとはしばらくずっとBABYMETALメドレーでした。

お店には、日本人の男性店員と、メイド系の衣装を着たフランス人の女性店員がいました。

せっかくなので、2月限定商品のSaint-Valentinクレープを注文(8€)。普段フランスで食べるデザートクレープは至ってシンプルなものが多いので、久しぶりにこんなに具がたっぷりのクレープを食べました。このフランス国旗のに貼ってあるうさぎは、店員さんが描いてくれたやつ、カワイイ笑

甘いクレープだけでなく、おかず系のクレープもあって、唐揚げや納豆が入ったものも売られてました。

当分通いそうなので、ちゃんと、ポイントカードも貰ってきました笑


こんな感じで、主要な原宿カルチャーはパリにいてもしっかり味わえるはず!

私の中で大都市の魅力というのは、色んな国やジャンルのカルチャーが集結しているというところにあります。(東京も同じ)

だけど、同じ大都市でも、それぞれの文化の受容のされ方やアレンジのされ方が全く違くて、そこが面白い。パリに滞在している間に、フランス文化だけでなく、パリにある他国のカルチャーにも沢山触れていきたいです。

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