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眠れないの

息子を寝かしつけているとほぼ100%僕の方が先に寝落ちするので、僕が寝かしつけられているのだと思います。

こんにちは、コッシーです。


さて、うちの施設には精神疾患の方も入居されており、認知症の方とはまた違った悩みや苦しみを抱えて生活をされています。

一概には言えませんが、認知症はご本人が苦しいと感じていない場合もあるのに対し、精神疾患を発症されている方は心身にストレスがかかっている状態な方が多く、大なり小なり悩み苦しんでおられるのではないかと思われます。

うちの施設には数名ほど精神疾患の入居者がおりますが、心療内科などに定期的に受診をして先生とお話をしたり、安定剤や睡眠薬などのお薬を服用して心を落ち着かせて生活をしておられます。しかし何かの拍子に心にストレスがかかると今まで安定していたのがウソのように不穏になられる事があります。


入居者のYさん(女性)は、うつ病の診断を受けており、心療内科への定期的な通院と安定剤を服用しており、以前までは本当に穏やかに生活をしていました。ごくたまに「眠れない」と言われる事がありますが、「大丈夫。ちゃんと薬を飲みましたよ」と伝えると安心して眠りについておりました。

入居してもう数年になりますが、本当に安定した生活を過ごされていました。しかしここ1ヵ月ほど、いくつかの事が重なり精神的にストレスがかかりとても不穏な状態になってしまいました。

便秘のために処方された下剤が体に合わず酷い下痢状態になってしまい、またコロナの影響から外出が制限されてしまったのと、さらに娘さんの旦那さんが事故に遭われ入院してしまい、その関係で娘さんがこちらになかなかこれなくなってしまった事など、短期間でもろもろが重なり、知らず知らずのうちにYさんに過度なストレスがかかっていたようでした。


ある日の夜にYさんから「眠れないの…」というナースコールがありました。

薬はちゃんと飲んでるから大丈夫、と説明をするとその場では納得してくれますが、また数分すると再びコールが鳴り、「眠れないの」と言われます。

また説明して納得してもらい、そのまた数分後にコールが鳴る、そんなことを繰り返してコールが無くなったのが午前1時を回ったあたりでした。

その日を境に夜間帯でのYさんからのコールが続きました。日によってコールが鳴り止む時間はまちまちで、すぐに終わる日もあれば、明け方まで続く時もありました。

さすがにこのままにしておくわけにはいかず、かかりつけの心療内科を受診し、先生に状況を報告いたしました。まず眠れるようにと、新たに軽めの眠剤が1錠処方されました。しかしそれがYさんにとって逆効果で、薬が1錠増えたことでさらに混乱が生じました。

今までは自分で薬の服用ができておりましたが、増えた眠剤により既存の薬に関しても何をどのタイミングで飲めば良いかが分からなくなってしまいました。

それにより「眠れない」の他に「どの薬を飲めばいいか」という相談がプラスされ、Yさんからの夜間帯のコールはさらに数を増しました。

ご自身での薬の管理が難しくなったため、こちらで管理をすることになり、食後のタイミングでお薬をYさんに渡しましたが、もう疑心暗鬼になってしまっているYさんは僕らが渡す薬が正しいかどうかを疑ってしまい、もっと不穏になってしまいました。

僕らに対して疑いの目を向けたYさんは、こちらにコールするのではなく、他の入居者の居室に訪問するようになってしまいました。当然他の入居者から苦情が寄せらせ、早急に対応が必要になり、結局僕とかかりつけ医とご家族で話し合いをして心のケアと薬の調整を行うとのことでしばらく入院をすることになりました。


こちらも家族も他の入居者も「これで安心だ」と思っておりますが、本人はやっぱりショックだったみたいで、「入院だなんて…もう私は終わりだ…」と泣かれていました。

専門医や普段関わっている施設職員そしてご家族でYさんの現在の状況を確認して、これがベストだと判断をした結果になりますので、おそらく入院がベストの選択だとは思います。

しかしYさんの涙をみると、別の対応をしておけば良かったのか、もう少しこちらでも何かできたんじゃないかと思ってしまいます。

今日の記事は答えのない取り留めのない話になってしまいましたが、自分自身の備忘録として記録しておきたいと思い書きました。

もしよければ皆さんのご意見などを聞かせていただけると幸いです。


現場からは以上です。それではまた。

コッシー


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