子育て1コマ漫画エッセイ『年中無休』 no.05『イヤイヤ期がやってきた』
2歳頃にあらわれるという『イヤイヤ期』。この言葉を初めて聞いたのは、『だめだめママだめ!』という絵本の制作をしている時。絵本の文を書かれた天野慶さんが「海外でもTerrible Two(魔の2歳児)という言葉があるんですよ~」と、日本だけでなく海外でも、そんな時期が子どもにはあると教えてくれた。我が子の場合、言葉がではじめた頃にやって来た。自我が芽生えたしるしということで、成長していることは嬉しかったけれど、いやはやこんなに大変とは…。
ある日、子どもの歯磨き粉が切れたので、新しいのを買うことに。うちの子は、丸顔のAというキャラクターが大好き。Aがパッケージにドドーンとプリントされたものがあったので、ずっと使っていたものから卒業し、それに決定。大はしゃぎする子どもとレジに向かった。
ところが、夕食後、いざそれで歯を磨きはじめたら突然暴れだした。いつも使っていた歯磨き粉も同じイチゴ味だったが、イチゴ味はイチゴ味でもちょっと違ったようだ。味がお気に召さず「イヤイヤ!」と、喉が枯れそうなほど泣き叫んだ。なだめすかし、落ち着いたところで再トライを試みたがダメ。いつものイチゴ味じゃないと受け付けない模様…。「かいにく!(買いに行く!)」と暴れる子どもに負けて、子どもを抱えドラッグストアに。
いつものありました、ありました。あぁ、これで安心。買って帰り、それで歯磨きしはじめたら、今度は「Aのがいい!」と、叫んだ。「えっ?これ、さっき嫌って言ってたや〜ん」。それで、Aの歯磨き粉をつけた歯ブラシを口に入れると「イヤーーーーッ!」と、大絶叫。
ずーっと泣き続ける子ども。なだめながら、どうして泣くの?と、考えた。あっ、そうか!パッケージにはAの絵があり、かつ、中身はいつものイチゴ味の歯磨き粉が欲しの!?「そんなのないよっ!」きつめのツッコミが口から思わず飛び出した…。すると、子ども、私の腕をグイッと掴んだかと思うと、声のボリューム最大限で「かいにく!(買いに行く!) かいにく!(買いに行く!)」…。
そしてまたもやドラッグストア。子は、泣きながら自分が求める歯磨き粉を探しはじめた。「ほら、ないでしょ。帰ろうよ」と声をかけるが、右から左。子どもは、店内をグルグル…。
と、急に子どもが足を止めた。「これっ!」イナズマ型のシッポをした黄色い体のPがプリントされた歯ブラシを握っている。この世の終わりばりの形相から一転、笑ってる。オイオイ、歯磨き粉は?!とズッコケた。ここで歯ブラシを買ってしまうのは甘いのかなぁ、と思ったが、精魂尽き果て、レジでピッ。帰宅後、いつもの歯磨き粉をつけ、無事歯磨き終了。御の字となった。フーッ。
<NEWS>
「1コマ漫画2人展」2018.5.20(日)~25(金)
はまのゆか&早川乃梨子がお贈りするクスッと笑える子どもをテーマにした1コマ漫画の原画展。原宿のSEE MORE GLASSにて。>>詳細
発行・一コマ漫画・テキスト・編集・ はまのゆか 2018年5月14日
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