言葉の獲得
音や言葉の獲得には臨界期がある。だから、幼少期に取り入れましょう!
ということを耳にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに、臨界期というものは存在します。が、それを過ぎたからといって言語が取得できないということはありません。
取得までに時間がかかるかかからないかの差はあるにしても、人間、何歳になっても学ぼうと思えば学べる生き物です。60の手習いという言葉もあるように。
一番良くないのは、親がなんとなく大切だからと、中途半端に幼少期の子どもに英語の勉強をさせようとすることです。
脳というものはかなりの高い確率で、第一言語を作ろうとします。そしてその言語力の高さが語学力に比例していきます。そして日本語話者にとってやっかいなのは、英語と文法構造がまるで違うこと。
巷で、欧米ではマルチリンガルが当たり前!マルチリンガルが多いのにバイリンガルになれないわけがない。世界で負けないためにバイリンガルになろう!という声を聞きます。が、それは文法構造からして比較してはいけない話なのです。
例えばイギリス英語とフランス語では、日本語と違いかなりの類似性があります。単語にしてもイギリス英語とフランス語のナスはaubergineと同じだったりするものです(アメリカ英語ではeggplantなので、日本で英語を習うとイギリス英語に戸惑うこともあるかもしれませんね)。
私は英国に住んでいたときにフランス語学校へ通っていたのですが(フランス語を英語で学ぶ方が、取得が早いと判断したため)、そのときの先生に、0から始めても早い方で2ヶ月くらいである程度のフランス語を話すわよ!長くても半年あれば充分ねと仰っていました。
日本語話者でもよほど言語能力が高い方であれば可能かもしれませんが、一般的にはこの短期間でのマスターはなかなか難しいのではないでしょうか?
日本語話者というのは世界でも稀有な文法で話している民族なので、言語の取得という意味では、圧倒的に不利であるというのが現状です。そこを理解していない親がやみくもに英語教育に力を注ぐと将来つまづきやすくなるのです。
良い子育てをしたければ、親が賢くなり、信念をもって長い目で辛抱強く行動することも大切です。
なお、ここでいう賢くという意味はお勉強ができることではありません。
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