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#003 禁じられた遊び

『マチネの終わりに』の登場人物、蒔野聡史はクラシック・ギタリストである。物語冒頭のコンサートで演奏されたというアランフェス協奏曲セイス・ポル・デレーチョなどを実際に聞いて以来、最近はクラシックギターの曲を流しながら仕事をしたりして、ややハマり中です。

最初にクラシックギターと聞いて思い浮かんだというか、それ以外は知らなかった「禁じられた遊び」という曲があります。ギター初心者が練習する曲とか、昔の映画のサウンドトラックとか、その程度の認識でどうせ映画の内容もタイトルからしてただのエロ映画ぐらいに思っていました。というわけでこの機会に映画「禁じられた遊び」を鑑賞してみることに。  

あえて前知識ゼロで鑑賞し始める。冒頭に主人公っぽい幼女が登場。この幼女がギタリストのエロおやじと禁断の恋に落ちて、ギターを演奏するかのように幼女を奏でたりするんでしょ、と安いAVのような予想するも全くそんな展開にはならず、そういう意味で”禁じられた遊び”なんですね。と予想外の社会的風刺の効いた深い内容の映画に感服させられました。”禁じられた遊び”というタイトルとそれには関係のない”初心者の練習曲”というイメージが融合され私の脳内では、初心者=なにもしらない無垢な存在(子供、童貞、処女)が、禁じられた遊び=アンチ社会的なエロい行為(ロリコン、近親相姦)をする物語という勝手な解釈が精製されていたようです。

今回はたまたま真実を知ることになりましたが、人間のイメージなどは非常に曖昧なもので、この世の殆どは真実よりもはるかに多いであろう、勘違いやすれ違いなどのエラーによって語られる各々のフィクション(物語)で、溢れているんだろうなとつくづく実感しました。

恋愛についての習作#003 禁じられた遊び

全体に絵具を塗った後、片方の絵具だけをいくらか削り取り、バランスをとるために中心をずらして宙づりにした2つのオブジェ。微かな空気の流れなどの環境に影響されてそれらは回転し、時に重なりあう。

動画は以下から再生お願いします。

https://youtu.be/W-UT4jqXULA

#マチネの終わりに




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