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私の物語

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2020年3月の記事一覧

「私の物語」より、今日の一句㉖

「私の物語」より、今日の一句㉖

こんばんは。
この投稿も、今日が最後になりました。

まず、今日の一句です。

転居先不明の返信秋しぐれ

句に合わせた左時枝さんの絵は、紫のアネモネです。左時枝さんとの句画帖「私の物語」には、あと二句残っておりまして、「炎昼の喪服に秘める妬心かな」「侘助や褪せし葉書の男文字」です。
それで「私の物語」は完結となるわけですね。

神保町のギャラリー&カフェバー「クラインブルー」での俳句の展示も、今

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「私の物語」より、今日の一句㉕

「私の物語」より、今日の一句㉕

こんにちは。今日は冬に戻ったような寒さですね。

さて、今日の一句から。

春昼に自分のための絵本買ふ

これも展示したいと思った句です。句に合わせた左時枝さんの絵はオレンジ色のカラーです。

この前、友人が集まったとき、バケットリストの話になりました。死ぬまでにしたいことですが、私は俳句に関しては、あと二冊句集を出したい。それぞれテーマも決まっていて、第二句集は「夫婦」、最後の句集は波郷さんの「

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「私の物語」より、今日の一句㉔

「私の物語」より、今日の一句㉔

こんにちは。この連載も、今日を含めて残り3日となりました。
なんだか名残惜しいです。

句集「妬心」を出版した頃で、さらに思い出したことがありました。
その書評を、辻井喬さんに、角川の「俳句」に書いていただきました。「飛ぶ前の吐息」というタイトルだったと思います。

辻井喬/堤清二さんとは、週刊朝日の人間データバンクという4ページの人物インタビューで出会いました。当時、セゾングループのトップを引退

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「私の物語」より、今日の一句㉓

「私の物語」より、今日の一句㉓

こんにちは。
この投稿も、残り4日となりました。いまだに、バッジを獲得とか、マガジンの設定とか、よくわからないまま続けています。

さて、今日の一句

秋時雨返さぬままの男傘

句に合わせた左時枝さんの絵はバンクシアです。

一昨日の投稿で、処女句集「妬心」が出たあたりのことを書きました。書いていたら、いろいろ思い出したことがありました。
この句集は角川書店から出ています。当時の「俳句」の編集長は

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「私の物語」より、今日の一句㉒

「私の物語」より、今日の一句㉒

こんばんは。

今日、3月4日は、私の父の誕生日。去年まではお祝いすることができました。血圧が高かったので、直木賞作家・高橋治さんおすすめの千葉のいわしのごま漬けを送るのが習慣でした。お礼の留守電メッセージが、いまもスマホに残っています。

今年はもう送れません。
昨年4月13日、84歳で死去。おいしいものを食べるのが好きだったので、お正月に開高丼で知られる「こばせ」推薦のところから越前がにを送っ

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「私の物語」より、今日の一句㉑

「私の物語」より、今日の一句㉑

こんにちは、今日はひな祭り。「私の物語」も残り少なくなりました。

では、今日の一句から。

抱かれて畳に広がる夜寒かな

この句は私の処女句集「妬心」(角川書店刊)に入っています。「妬心」が出版された当初はそれほど反響はなかったのですが、その年の終わりの「俳句年鑑」の巻頭言に、草間時彦さんが今年印象に残った二人の句集として「妬心」を取り上げてくださいました。注目した句として、抱かれて・・の句をあ

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「私の物語」より、今日の一句⑳

「私の物語」より、今日の一句⑳

こんにちは。
昨日で、20日間連続投稿だそうで、ここまで続けられる人はめったにいませんよ! と、noteさんにほめていただきました。そうですか? バッジを獲得とか、ほめてくれるのはnoteさんだけのような気がしますが、私のひがみでせうか・・

さて、今日の一句です。

七五三遠目にパンを買ひにけり

クラインブルーに展示中の俳句です。この句は、大体の方が意味はわかるといわれます。わからないといわれ

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「私の物語」より、今日の一句⑲

「私の物語」より、今日の一句⑲

こんばんは。三月になりました。
三月の異名に夢見月というのがあったと思います。なんとなく三月に似つかわしいですね。
先週、クラインブルーの近くの、神保町のさくら通りを歩いていたら、早くも桜が咲いているのに気づきました。それも、この通りの入り口と出口に二本ずつ。計四本だけです。ソメイヨシノより濃い桃色で、花が下を向いて咲いていました。おかめ桜というのだそうです。なぜそのような名前なのかはわかりません

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