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東南アジア起業、本社は日本?シンガポール?(後編)

こんにちは、越です。

前回の記事(東南アジア起業、本社は日本?シンガポール?(前編))では、海外起業の際に、本社を日本に置くことをおすすめする5つの理由について書きました。

ただ、僕が起業の相談を受ける際にも「東南アジアの起業といえば、シンガポール!」といったイメージはやはり強いのだなと感じますし、実際にシンガポールに法人を持ちつつ、タイや日本でもビジネスを展開している僕自身も利点を感じているので、今回は「東南アジアで起業する際にシンガポール法人を持つメリット5つ」について書いてみます。

東南アジア起業、シンガポール法人を持つ5つのメリット

1.免税や軽減税率といった優遇税制

赤字決算の場合、法人税は免除されるほか、すべての法人に適応される部分免税があったり、条件を満たした新設法人(スタートアップ等)には軽減税率が適応されるといった利点があります。また、繰越欠損金が永久に繰越が可能なので、利益が出た年も、過去の赤字分を繰り越すことで、設立からしばらくは法人税を0にできる可能性があります。(詳細なルールはご確認ください)

弊社もシンガポール法人を設立して8年、黒字の年もありながら、未だに法人税を払ったことがありません。一年目で赤字でも企業から税金(法人税ではなく、地方税の均等割ですが)を徴収する日本と違う、有り難い点です。

2.法人税率が低い

シンガポールの法人税率は17%で、実質約30〜40%と言われる日本より格段に安いです。赤字の場合もありがたいし、バリバリ黒字出す場合もメリットありまくりです。

3.売上を分散させることができる

これは「日本と海外」で分散できる、という意味ですが、為替やリスク分散の点で、資産を分けておければ昨今の不安定な中で円安になっても少し安心できたり、カントリーリスクなどがある場合も分散していることで助かることがあるということです。

また、利益操作などで法に触れないことが前提ですが、リモートの仕事などをしていると日本で計上するか海外のどこかの拠点で計上するか自由度がある場合があります。

その際、日本の融資・助成金などを受けたい場合に、売上がこれ以上、逆にこれ以下でないといけない、などと言った条件がある場面で、一定程度日本での売上額を調整できたりもするのでその面でも助かります。

4.海外送金がしやすい

海外と取引する際にめちゃめちゃありがたいのがこれです。シンガポールはとにかく海外送金がしやすい。ネットバンキングはもちろん、海外送金も国内と同じくらい楽で、ワンクリック並みに簡単だったりします。

日本だと、窓口に行かなきゃいけないような前近代的なケースもあれば、ネットバンキングでも送れるが一度目は窓口に行かないといけなかったり、めちゃくちゃ面倒くさいことがあります。

海外展開でグループ法人を持ったり、海外と取引・海外に業務委託を発注するなどある場合はシンガポール法人があると助かります。

5.ドル建て資産で持てる

これは日本でも口座を作ればもちろん持てますが、シンガポールだとデフォルトのシンガポールドルだけでなく、日本円・ドル建ての口座や資本金すら複数通貨で持てます。

なので、シンガポール法人があるだけで複数国との取引に効率的に対応できます。


以上がシンガポール法人の5つのメリットで、お気付きの方いらっしゃるかもしれませんが、実は全部「子会社」でもいい話です。なので、「日本を本社/親会社」で「シンガポールを子会社」とすれば、前回の記事で書いたメリットも、今回書いたメリットも、全部享受できます笑

よって、東南アジアで起業する方には「まず日本法人を作りましょう!」とお勧めしています。これに当てはまらない事例にはほぼ出会ったことがないのですが、もしあったらぜひコメントなどで教えて頂ければ嬉しいです。

前回の記事は、こちらからどうぞ


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