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曲小話2『ワンダー』

はじめまして、もしくはいつもありがとう。koshiです。
今日は2曲目『ワンダー』の小話。
初回未読の方はこちらからどうぞ。

ワンダーとは何か

実はこれもまた、高校生のときの短編プロットが元になっています。
といってもあくまでプロットで、落書きみたいなものでした。
あるのはコンセプトだけ。ほとんど存在を忘れていた。

で、
ebaさんからこの曲のデモが送られてきたとき、
朽ちた家の中にいて、窓から「ワンダー」が見えた気がしました。

ワンダーは、子供のときにだけ見えたあれ。小学校の教室の、カーテンの奥にいた気がするあれ。うすぼんやりとしてきた夕方に、風とともに横切っていった気がする、あれです。ときにそれには意識があって、語りかけてきたりします。たとえば夢の中で。

でも今は見えなくなって、かわりに余計に見えてしまうものが増えた。
リスクなんて言葉を覚えて、冒険はできなくなって、
居場所も人間関係も安心第一になって、
それでいて疲弊している自分に、ずっと後ろめたい気持ちがある。

そんな感じです。

ちなみに作詞時のメモにはこんなことが書いてありました。

気付けば長いこと人間性を捧げていて、
今は これしかないんだと言い聞かせて 何とか生きている。
狂った奴だけがまともに生きられる世界で、戻りたいけど戻れないまま
受け入れるしかないのだ

作詞当時のメモより

今読むとちょっとこの人疲れすぎだな、と思うけれど、
「あの日見た超常」「切り出せない別れ話」という2つのテーマをうまいこと曲にできてるな、とも思う。
cadodeのひとつの基準になった曲で、とても気に入っています。

次は3曲目『明後日に恋をする』です。よろしく。

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