高専生活を振り返る[ざき] A-2
前回のあらすじと今回のあらすじ
卒業展示を盛り上げることになった5年の学園祭。
演出チームに入った自分は展示用オブジェ(LOVEオブジェ)を作ることになったものの何やら怪しい先行き…。
これは、ふわっとした要件からはじまった先の見えないプロジェクトを
タスクの分割・順位付け・人力のパワー
でなんとか乗り切ることができた体験談。
なにかやりたいけどはじめの一歩が踏み出せない
と考えているあなたに
「手順(と少しのパワー)を正しく踏めば、大抵のことはできる」
と勇気を持つきっかけとなれば幸いである。
やるべきことを整理する
現状確認
プロジェクトを進める上で、タスクは以下の3ステップに分解することで解決しやすくなると言われている。
現状整理 ・ アクションを分割 ・ 順位付け
それに倣うと、当時の状況はこんな感じ。
完成イメージが不透明(素材、色、会場での飾り方)
材料や予算が(出どころ含め)不明
作業者は今のところ自分だけ
高専祭まで残り1ヶ月も無い
びっくりするくらいなんにも決まっていないのである。決まっているのは
っぽいものを作りたい!という要件だけ。
とは言いつつも、NIT 2.0の活動はいつも「やりたい」から始まり、無事完了してきた。やろうと思えば実行できるはず。
さあ考えよう。
優先順位をつける
洗い出したやらなければいけないタスクやアクション、およびそれらの順位はざっとこんな感じ。
チームのコアメンバー集め
完成イメージ決定
スケジュール感の確認
設計・材料調達
作業者集め・加工
お金の回収
(今思い返しても、1 ~ 2を速攻で終わらせたから上手くいったと思う)
この順番の(自分なりの)意味合い
専門家含めた少人数で完成形を議論し上長に打診 ~ 確定
やはり ”叩き台・草案をいかに早く提出するか” がキモ。
今回の仕事は電気・制御系の自分には専門外だったこともあり、機械系の人間を中心とした2, 3人でチームを構成。素材やサイズ感、会場設営イメージを大まかに設計しながら、演出長からのレビューを重ねて完成形を(暫定的とはいえ)確定させていった。
完成イメージができたら工数を逆算してスケジューリング
目指すゴールが決まると実際のイメージや感覚もはっきりしてくる。
この辺りで詳細設計〜加工、組み立てまでに割ける期間が徐々に判明。コアメンバーたちと工数感をすり合わせながら、3週間足らずのスケジュールを授業・部活・研究を除いたなけなしの空き時間で埋めていきます。
↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑ ↑
ここまで来ればあとは流れに乗るだけ
ここからは手と脚を動かした時間がものをいう
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
人を集めつつ設計・材料調達・加工・組み立て
とにかく手と脚を動かすこと。
CADを使ったことはないけれど、機械系の後輩メンバーに泣きつきながらどうにか図面を完成(これがそこそこキツかった)。
ホームセンターで板材を確保しつつ高専の工場で加工。工場の技術屋さんをはじめ専門家の皆さまにもにもご助力いただきながら、なんとか使用部品を全て完成させることができた。
ここまできたら最後は皆で組み立てるのみ。手を動かします。
準備日前日〜当日朝
マンパワーで押し切れ
どれだけ緻密に事前の予定を立てたとしても、締め切りやイベント開催が目前に迫る状態になれば、あーだこーだ言ってる場合ではなくなりただただ手を動かさざるおえない状況になるのが世の常というもの。
人海戦術とは名ばかりの、時間x人によるシンプルな物量作戦
友人を集めて徹夜で作業開始。足りない段ボールや接着剤、釘にガムテープをあの手この手で調達し、気合いで組み立てる。もはや思考は止まり、手だけが動いていく。
終わりよければ全て良し
過酷な締切前作業を経て、なんとか無事にオブジェは完成。
どうにかこうにか高専祭当日で展示し、来場者からもご好評をいただくことができ満足のいく結果を迎えることができた。
本当にぼんやりとした状況でただ「やりたいという気持ち」だけではじまった企画ではあったものの、意識的にタスクを分解して順序立てて作業を進めていく形式と少し(?)のマンパワーを持ってなんとかプロジェクトを完遂させることができた。
先の見えない対象に対する作業の進め方やチームでの動き方など、今なお自身の役に立っている経験・知識は多い。
この学びはプロジェクトを始める前に尻込みして挑戦しなかったら得られなかったものであったと強く感じる。
最後に当時の達成感を伝えるため、美しい朝日と友人の背中を添えて本編の締めとさせていただく。
まとめ
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この体験談では
「何かやりたい」と思ってから「やろうと思えばできる」に気づいて、
「じゃあやろう」としてから「どうやったのか」
を書いてみたつもりです。
高専には「何かやりたいを実現できる」(けれど最初の一歩をふみだせていない人)は多いのではないかと感じています。
自分がやるべきこと…やりたいこと…
何かしたくね?と思ったら、しっかりと考えることも大事ですが、まずはそのまま飛び込んでみてください。
実際に自分が問題の中に飛び込こむことで問題や自分自身、あるいは周囲について正しく認識できるようになります。
案外、何かをやり遂げるための技術や人、環境はあなた自身やあなたの近くに眠っているはずです。
ぜひ気軽な一歩を踏み出しましょう!
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