川柳で若い世代にエールを送りたい 22/12/25
1.川柳の一言コメント
川柳は、作者が詠んだ後に世に出たら、川柳自身が自分で歩き出すものだそうです。世に出た川柳を人々がどのように捉えるかは人々の自由で、世の人々の捉え方が作者の意図と違っていても、作者がとやかく言うべきではないそうです。(時実新子先生の著書より) しかし、一言だけコメントさせて頂きます。
川柳 : 経歴で飯食えるかと婆が言い
経歴は非常に大切で、自分自身の生き様であり、何をするにも自信の源になります。しかし経歴は過去の話であり、今後その経歴に何を積み上げられるかが大切だと私は考えます。
2.私の経験で思う事
私は高校卒業後、ある都市銀行に就職しました。(以下A銀行と表記) その頃A銀行の採用は、高卒、短大卒、四大卒で、男性は総合職、女性は一般職でした。但し、高卒男子の採用は、その後2年で終了しました。
幹部候補生は男性の総合職でも四大卒に限られ、その中から役員になれるのは、ほぼ国立大学卒に限られていたように思います。但し、高卒でも女性の一般職でも、飛び抜けて優秀な成果を出せる人は支店長になれる道はありました。
逆に、入行時に幹部候補生と期待された国立大学卒の人でも、成果を出せない人は転勤の都度人事評価が低くなって、最終的に一般職と同じレベルの仕事しかさせてもらえなくなりました。
A銀行の内部では様々な仕事がありました。前の部署で顕著な成績を上げても、全く畑違いの部署に配属されれば、そこで一から勉強し直して成績を上げなくてはなりません。そうしなければ人事評価が下がります。「私は前の部署で○○の成果を出した」は終わった話です。総合職で安穏としていられる人は一人も居ませんでした。
当時、A銀行は都市銀行の中でも行員を大切にすると言われていましたが、その後の厳しい競争を勝ち抜くために、年功序列が崩れ、実力優先人事に移らざるを得なくなりました。
どんなに素晴らしい経歴を持っていても、それが今後に生かせなければ意味がありません。逆に、経歴が無くても実力があればいいのです。但し、「自分は○○が出来たのだから大丈夫だ。頑張れる」と、思えるならば経歴は十分役に立ちます。
3.瀬川さんの絵
漫画家の瀬川 環さんが、この川柳からイメージした絵を描いてくれました。
瀬川さんは沖縄県出身で、人生経験豊かな沖縄の「おばあ」が思い浮かんだようです。こんなお婆さんから見れば、66歳の私でも洟垂れ小僧でしょうね。
瀬川さんはこの川柳から、人生の大先輩がこれからの人生を応援してくれているように感じたそうです。
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