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連載96 2023年4月のエッセイ「最近、こころ撃ち抜かれたこと、ありますか?」

Puberty, just the word "sensitivity" brought tears to my eyes(思春期、感受性という言葉だけで涙が出た)


 昨日の日曜日、Eテレの番組、再放送なんだけど、みた人もいるかな。「理想的本箱 君だけのブックガイド 将来が見えない時に読む本」。番組は30分番組で、3冊の本を解説とミニドラマを交えて紹介する。宿直の日曜の昼間、偶然これをみた。紹介された3冊は全部心に残るのだけど、最後に紹介された1冊に、ボクのこころは撃ち抜かれた。

知ってる人も多いかも知れないけど、紹介する。本、というか、詩、なんだけど。余韻があると思うので、このまま今回は終わるよ。

茨木のりこさんの詩 「自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ」

茨木のり子 自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を 
ひとのせいにはするな 
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさ失ったのはどちらなのか

苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

茨木のり子 詩集「自分の感受性くらい」より



2023年10月現在、当時を振り返って
今から半年前に月報にあげたエッセイ。会社は宿直があって、管理職は3ヶ月に1回の割で平日は17時から翌朝8時まで。土日祝日休日は朝8時から翌朝8時まで。4月のこの日は日曜日に当たってしまったので丸一日会社に泊まり込みだった。

そんななか、たまたまつけたテレビの番組に、本当に久しぶりにこころを撃ち抜かれてしまった。この番組を見るまで、恥ずかしながら茨城のり子さんを存じ上げなかった。元々は青少年向けの番組だと思うけど、番組が終わってもしばらく余韻が残っていた。早速次の休みに本屋で探した。たくさん茨木さんの本はあって、お目当てのこの詩が載っている本を買った。

その鋭さが、こころにズキッとくる。
いや、これ以上は語るまい。かんじるままに。
またね。

番組のリンクだけ載せておこう
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pXmbYxljG5/


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