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「サルスエラ」追想

サルスエラというと、
カナリア諸島のラス・パルマスを思い出す。

アルフレード・クラウスの生まれ故郷でもある
ラス・パルマスの歌劇場"Teatro Perez Galdos"では
裏手の楽屋口の近くに別の扉があり、
そこに「Amici de la Zarzuala」の看板がかかっている。
(記憶が脳内変換してイタリア語になってるかも)

イタリアの各地に
「オペラ友の会」のサロンがあるのと同様、
スペインはスペインで
各地に「サルスエラ友の会」があり、
皆がそこに集ってサルスエラ談義をしたり
最新の演目を劇場から聞き出したり
生活と直結・・・というより
「劇場ライフと直結」していたりするのだと、
感じ入ったものだった。

彼の地では2年に一度
「アルフレード・クラウス国際コンクール」
というのが行われているのだけれど、
グランプリなどの賞とは別に
サスルエラのアリアを歌うことで獲得できる
「サルスエラ賞」が設けられている。

で、本選に駒を進めた者の中でも
スペインの若手歌手たちは
イタリアオペラなどのアリアを歌った後に
サルスエラの曲を歌ったりするのだが、
とにかく、これがすごい。

指揮者も、オケも、
そして、歌っている若手歌手も、
(ついでに言うと客席の観客たちも)
ノリが全然違ってくるのだ。

コンクールのリハーサルで
若手バリトンの歌っていた
サルスエラの曲を聴いた私は、
思わず、その足で街のCD屋に直行した。

彼の歌っていた曲の入ったCDを探し
ついでに他のサルスエラ曲集CDも購入し
ホテルに帰ると風呂に浸かりながら
これらのサルスエラの曲に浸り
新しい音の世界に夢中になって・・・

「あれ、ワイは何をしにここまで来たんだっけ?」

・・・ワハハ
留学時代の1コマでした!


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