マンハッタンの高級アパートメントに給料をもらって住む仕事の話
「すべてのドアを鎖せ」という本を今さっき読み終わったところなんですが、実に面白かったのでおすすめ。ライリー・セイガーという作家さんの書いたお話で、あらすじはこうです。
主人公はジュールズ・ラーセン、25歳。両親は他界、姉は数年前に失踪し今も見つかっていません。職を失い、同棲していた恋人とも浮気がきっかけで別れ、今は友人のアパートのカウチで寝ています。その友達も結婚を考えている恋人がいるわけで、いつまでも彼女のアパートにいるわけにもいきません。クレジットカードは限度額いっぱい使って凍結しており、所持金は500ドルしかありません。そんなジュールズがある仕事を見つけます。それはマンハッタンの高級アパートメントの留守番の仕事。セレブしか住めない高級アパートの部屋が無人になるのを防ぐために月給4,000ドルを払って留守番、アパート番を雇うというのです。ジュールズは面接にいき、担当者に豪華なアパートの中を案内してもらいながらアパート番のルールを教えてもらいます。
1.住人を詮索しないこと。邪魔しないこと。
2.夜は必ずアパートに戻り、アパート内で過ごすこと。
3.SNSにアパートの住人や内部の様子を投稿しないこと。
4.友人や家族をアパートに招いてはいけない。
ジュールズは採用され、親友に「その仕事はおかしい、なんで高級アパートにわざわざ金を払って人を住ませるんだ、そのアパートには妙な噂がいくつもある」と反対されるも働き始めます。隣にはリッチでハンサムなお医者様、愛読書の本の著者の老女、両親が見ていたドラマに出ていた女優。ジュールズは一階下の部屋にやはりアパート番として暮らしていた女の子と仲良くなります。明日は一緒にお昼を食べよう、と約束しますが彼女は約束の時間に現れません。ジュールズは彼女の身に何か起きたのでは、と疑い探し始めます。
話としては結構普通、というか予想通りに話が進んでいきますが、でもだからといって面白くないわけじゃないんですよ。予想通りに進む心地よさがあります。そして最後までちゃんと盛り上がるんですよね。主人公が最初性格暗いな〜仕方ないけどってなるんですが、でもいい子なので主人公を嫌いになることもありません。これ、映画化しないかな〜。高級アパートメント「バーソロミュー」の中の様子をぜひ映画美術で再現してほしい!