今更の「ロスト・シンボル」
ダン・ブラウンのラングドン教授シリーズってあるじゃないですか。ほら、「ダ・ヴィンチ・コード」とか「天使と悪魔」とか。トム・ハンクス主演で映画化されたやつ。あれのシリーズ、私今までに3作読んでたんですけど昨日もう一作読んだのでその感想です。
ラングドン教授シリーズっていうのは主人公ロバート・ラングドン(ハーヴァード大学の宗教象徴学の教授)がその知識を活かして謎を解いていくサスペンス小説のシリーズですね。一作目が「天使と悪魔」(映画版では2作目に作られていますが小説としてはこちらが先です)、2作目が「ダ・ヴィンチ・コード」、3作目が「ロスト・シンボル」で4作目が「インフェルノ」、5作目が「オリジン」です。大体シリーズのお約束がありまして、
舞台:世界の都市のどこか。歴史があり、素晴らしい建造物や美術作品がある。
助手的ヒロイン:美人の若い(あるいはルックスは若く見える)女性。知性が高く何らかの専門家。老賢人的人物に育てられた、あるいは教え導かれて専門の学術的分野で才能を伸ばした。実際には助手ではないけれど物語の立ち位置としては助手でありヒロイン。
秘密結社:とも限らないけれど何らかの結社とかオカルトとか都市伝説っぽい話が出てくる。大体その謎をラングドンが象徴学の知識を活かして解くのが見どころ。
美術作品:実在の美術作品の中に暗号が仕込まれており、ラングドンや助手の女性は何かに追われながら美術作品を見て謎を解いていく。
科学:大概の読者にとってはあまり知識がない科学が事件に絡む。
悪役:悪役の以内話もあるけれどラングドン教授シリーズはまず悪役がいる。
というわけでシリーズのお約束はある感じです。読者はラングドン教授シリーズの小説を読むことで美術作品と都市伝説と科学についてふんわりした新しい知識を得ることができます。
私がこのシリーズを読んだ順番は「ダ・ヴィンチ・コード」→「天使と悪魔」→「インフェルノ」→「ロスト・シンボル」です。「オリジン」読んでません。
そもそもは「ダ・ヴィンチ・コード」を読んで面白くて、「天使と悪魔」を読んで面白くて(これが私の読んだ中ではシリーズで一番面白かったです)、「インフェルノ」を読んであんまり面白いと思えず、それでだいぶ時間が空いて、読むものがなかったので「ロスト・シンボル」買ったんですよね。「オリジン」は最初だけちょこっと読んでますが全部は読んでない。
「ロスト・シンボル」は舞台はワシントンDC、フリーメイソンの謎を純粋知性科学者のヒロイン、キャサリンと共に解く話です。
あらすじはですね〜、ラングドンのところに旧友でフリーメイソンの最高幹部の1人でもあるピーター・ソロモンの秘書から電話がかかってくるんですね。アメリカ合衆国議会議事堂での基調講演の講演者が急遽演説できなくなったので代わりに講演してくれないか、という内容で。前にやった講演と同じのでいいよ、と言われたのでラングドンも引き受けて、よこした迎えで大人しく議会議事堂に行くんですけど、そこで待っていたのはピーター・ソロモンの切断された手首だったんです。その手首には象徴がタトゥーされていました。犯人から電話がかかってきて、ピーターソロモンが誘拐されたことがわかります。犯人の要求はフリーメイソンのピラミッドの謎を解け、というもの。とかなければピーター・ソロモンを殺す、というわけです。犯人はピーターの妹のキャサリンも狙っており、おまけにCIAも絡んできます。ラングドンとキャサリンは協力して謎を解きつつCIAから逃げ回りながらピーターを救出しようとします。
面白かったんですけど、このシリーズは常にそうなんですが若干くどい。大仰なんですよね。善玉と悪玉の描写の仕方もだいぶ気に食わないんですけど、でもまぁ面白いです。くどいところはさらっと読めばいいので。このシリーズをどれかひとつ読むという場合に選ぶ必要はないですが、新幹線に乗るから、あるいは飛行機に乗るから何か本読もうかな〜という時にはちょうどいいと思います。