ママは何でも知っている

ジェイムズ・ヤッフェの短編集ですね。でも全部同じ形式。

殺人課の刑事である語り手の僕は妻と共に毎週金曜日、実母のところへ夕食を取りに行く。そこで今手がけている事件について話すとママがあっという間に真相を解き明かしてくれる、という物語。安楽椅子探偵の類ですね。さらに言えばヒントがフェアに出されているのでママと一緒に事件を解き明かすことも可能です。読者への挑戦状!とかはないですけどね。

ママは元刑事とかではなくて本当に普通の、職業的に探偵的なことをしたことをある人ではないです。ただ頭が良いだけ。常識を働かせたらこんなことすぐわかるじゃない、という感じなんですけど本当に常識さえ働かせれば解ける謎ばっかりなんですよ。一本も短いのでみんなで読んで犯人当てっことかしても楽しいかもしれない。

ママがインテリ系の語り手の妻と気が合わなくてよく嫌味の応酬をしているので、そういうのがもやっとする人はもやっとするかもしれません。でも本当に憎みあってるわけではないので多分大概の人は許容範囲じゃないかな。

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