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十戒殺人の「十日間の不思議」

あんなにエラリイ・クイーンをボロクソに言っていたのに手のひらを返すようで恐縮ですが、私ドルリー・クソかっこつけジジイ・レーンは嫌いですが、エラリー・クイーンは好きですね。
正直エジプト十字架の時から好きだった。
ライツヴィルシリーズの3作めがこの「十日間の不思議」なんですけどめちゃくちゃおもしろくて割と短期間で読んでしまいました。これは面白い。

あらすじ

ハワードは最近記憶を失うことに悩んでいました。気を失うと、次に気がつくと10日はたっていて服は血だらけという具合なのです。意識のない間に何をしているのか、自殺しかけているのか誰かを傷つけているのか。悩んだハワードは昔の知り合い、小説家で探偵のエラリー・クイーンに頼んで自分の監視をしてもらうことにします。
ハワードの育ての父、ディードリッチは大金持ちです。ハワードより若い妻のサリーをもらってライツヴィルに建てた豪邸で暮らしています。サリーは貧しい地域の出身で一流の教育と何もかもディードリッチのおかげで受けられ、そしてついには妻になったという人です。
ハワードもサリーもディードリッチを愛し感謝していて自分の存在全て彼のおかげだと思っているわけです。
ある日、エラリーはハワードとサリーに打ち明けられます。ハワードとサリーは不倫の関係にあること、そしてその証拠を何者かに握られて脅迫されていること。エラリーはいやいやながらもハワードとサリーの代理として金を脅迫者に渡す役目を務めます。

これ、最初20ページくらいかな?ハワードの記憶が途切れて精神的に怪しくなってるシーンの描写が本当に私嫌いだったんですけど、エラリーが出てきてからグイグイと引き込まれました。結局は家族の物語なんですけど、テーマが魅力的。ハワードは彫刻家なんですけど美術館に古代の神々の像をつくるところとか楽しかったですね。
もちろん死体も出ます。ただそこまでいくと書きすぎなので。
犯人はわかりやすいですが、でもそれと話の面白さは関係ないって感じかなー。犯人知ってても何回読んでもアクロイド殺しは楽しいでしょう?同じです。

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