匿名作家は二人もいらない
久しぶりの海外ミステリの感想です。
本は常に読んでるんですよ。読むペースに差があるだけで。
面白かったですね〜、これ!作者はアレキサンドラ・アンドリューズ。
あらすじは以下の通り。
何者かになりたい、具体的に言えば作家になりたいと願う編集アシスタントのフローレンスですが、頑張っても何者にもなれずつまらない仕事をしています。上司に誘いをかけられ、そのトラブルから上司夫妻に接近禁止を取られる始末。仕事を失ったフローレンスは匿名のベストセラー作家モード・ディクソンのアシスタントになります。モード・ディクソンはそれまでアシスタントが欲しいなんて言い出したことはなかったんですが次回作のために雇いたいということで、フローレンスがなぜか雇われたのです。モードの正体はヘレンという名前の少しフローレンスより年上の女性でした。モードの正体がヘレンであることを知っているのはこの世にヘレン本人とエージェントのグレタ、そして新しくアシスタントになったフローレンスだけ。ヘレンの家に住み込みで働くようになるフローレンス。自分のオリジナルのスタイルを持っているヘレンの暮らしぶりにフローレンスは心酔します。ある日唐突にヘレンはモロッコに取材旅行に行くと言い出し、フローレンスも同行します。ところがモロッコでフローレンスは交通事故に遭い、気がついた病院でヘレンさん、と呼びかけられるのです。これは匿名作家のモード・ディクソンに成り代わるチャンス。フローレンスは自分を捨てヘレンになろうとします。
結構二転三転する物語です。私はヒヤヒヤしすぎて途中読むことができず、不思議の国のアリスを読むことで心を落ち着けてから読んだりしていました。ヒロインが無茶苦茶するから読んでる方がドキドキするんですよ。そして大人になって読み返すと不思議の国のアリスめちゃくちゃ面白いですね。
かなり面白かったしラストまで満足だったので他の作品も読みたくなりました。おすすめです。