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アリスが語らないことには

ピーター・スワンソンの「アリスが語らないことには」読みました。ピーター・スワンソンってあれですね、「ミランダを殺す」とか「ケイトが恐れるすべて」の作家さん。この2作と今回の「アリス」もそっくりな構造になっています。文体も味も一緒。なので前の2作が好きで、似たような作品を求めている人にはおすすめできるし「同じような作品ならいらない」って人なら読む必要はないです。本当にそっくりで進歩している側面とかもないので。

あらすじ的にはこうです。

ハリーは大学の卒業式の数日前に義母のアリスから連絡をもらいます。父親が死んだっていうんです。ハリーの父はハリーが大学に入る直前くらいに自分より15歳年下、そしてハリーより15歳上の美しい女、アリスと再婚しました。そして数年後の今、足を滑らせて散歩中に死んだわけです。いざ実家に帰ってみたらどうやら父親は殺されたらしいと言うことがわかります。
一方アリスの幼少期のパートではアリスの母が再婚します。銀行員で金持ちの男ですね。アリスは酒飲みで薬物にも手を出している母に愛想を尽かし、一方で義理の父親に惹かれていきます。

父を殺したのはアリスなのか?って言うのがメインの謎です。

私は前の2作が好きだったので今回のも概ね好きなんですけど、前2作より良くないと思いますね〜。やっぱり「ミランダ」が一番良かった。と言うのもこの「アリス」は意外な話にするためだと思うんですが、犯人の動機が納得いかないんですよ。「そう言うふうに思ったとしてそんなことするか?」ってなってしまう。

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