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有機農法と自然農法と慣行(と呼ばれている)農法について

※この記事は野菜好きの一般人が個人的に調べたり聞いたりした話をチラ裏的にまとめたもので専門性は一切ありません。間違った情報があれば、教えていただけると幸いです!🙏※

有機農家さんに聞く、3つの農法について。


私自身「味」の違いからここ数年は

通常スーパーなどで売られている「安価」な野菜から

「有機・自然栽培」などの極力農薬・化学肥料・除草剤を使われていない野菜へと切り替えて生活しています。


私がこういう「選択」をした大元の理由は

本当に、ただただ「味」のみ。でした。1人だしどうせなら美味しいもの食べたいな。っていう。笑

しかも外食一食分の金額って、有機などの野菜購入しても足るかもしくは同等くらいの金額なんですよね。野菜も自炊好きだし、良くね?ってその程度。

有機で栽培されたもののおいしさに気付いたのは、オーストラリアでワーホリをしていたときに働いたカフェがきっかけでした。

友人の紹介で「オーガニックベジタリアンカフェ」で働くことになり、

野菜大好きだし数ヶ月くらいお肉魚食べなくても大丈夫そう!とめちゃくちゃ軽い気持ちでカフェの門を叩きました。

(実際、送ったメールが全然返ってこなくて直で伺ってその日にトライアル→からの働いていいよという展開でした。オーストラリアっぽいね。)


実際そこでの生活で私は様々な知識を得るわけですが・・・

まず驚いたのが、野菜の味


大きな声で言えませんが、オーストラリアって正直あんまり野菜おいしくないんですよ。カボチャとかびっくりですよ。味無いし煮たら全部溶ける

(あくまで5年前の話です)

その時は生活のために安いものを選んでいたし、

生野菜が好きな私も、バッパーでBANANA JOBをしながら生活していた時は、生がどうしても受け入れられず、加熱して食べていました。


そして、カフェで働きだしてからまかないを食べるようになってびっくり。

めちゃくちゃ美味しい。

当時は詳しくは聞いていませんでしたが、オーガニックのものを仕入れたり、庭で野菜やハーブを栽培していたり、生ゴミはコンポストにしていたし、かなりしっかり頑張っていたと思います。

毎日こんな可愛い野菜たちと楽しく生活していました。

鶏も飼ってました。

ここで、見た目の整った野菜も良いが様々な方法で「整えられている」可能性があること

農薬が土に様々な影響を与えることを学びました。

あと、添加物についても。添加物は元々加工物を美味しくないと感じる人間だったので、受け入れるのが早かった。そして控えることで明らかな体調の変化も見られました。(数年はかかったけど)

菜食主義の方がどんなものを普段食べているのかもしりました。


ヴィーガン対応はするもののベジタリアンカフェだったので、卵、乳製品は普通に扱っていました。

ここで、牛乳の概念も変わったな〜。

これもこれで、深いので、別記事にしよう。


私自身、農業に興味が湧いて、ここ数年は有機農家さんのお話を聞いたり、遊びに行ったり、自分で調べたりしていました。

そして先日、北海道の美幌町で世代を受け継いで農業をされている「一戸農場」さんのお話を聞く機会がありました。


一戸農場さんは、「農薬を使う農業」から「有機農業」へ切り替えたファームさんです。

現在有機JASを取って10年ほど、取得前も10年ほど有機で野菜を作られていたようなので、もう20年以上もの歴史があります。

私自身全国の自然食のお店やレストラン・カフェに足を運んでいますが、最近目新しくなったような気がする「オーガニック・自然食」

実は、有機農場さんや自然食のお店って、聞いてみると、二桁以上の歴史があるところが多いんですよね。

それだけ残るということは、一定数の支持があり必要とされているものなのだと実感しています。


どうして「有機農業」に転換したのか?

私の一番気になる点は、ここでした。

そして、返ってきた答えは、今まで聞いたどの農場さんの返答よりも興味深いものでした。

「昔はな、農薬ガンガン使って、除草剤・害虫駆除剤とかバンバン使ってうちもやってたんよ。そしたらあるときから【作物が何やっても病気になるようになった。】どんだけ薬あげてもだめ。もう、まーったく効かんようになった。お手上げ状態。土が完全にダメになったと前代表の父が言ってたんだよねー」

これは、初めて聞いた話でした。

薬で誤魔化しながら農業を続けたので土の中で、良い働きをする微生物は減少し、悪い影響をもたらす菌などの影響を受けやすくなり結果ものが取れなくなった。

そして、できる野菜も売り物になるような状態じゃないしおいしくない。これではダメだと必死に考えてたどり着いたのが、「まず土から健康にする」という結論でした。

そうして現在まで「美味しい野菜を作ることだけを考えてたら、化学肥料や化学農薬の選択肢はなくなった」と。

有機栽培ってなに?

有機栽培とは、「2年以上農薬を使わず、有機物を利用して土つくりをした健康な土で、化学肥料や化学農薬を使用せず作られる栽培方法」のことを指します。

それだけではなく、有機JASを取得できる農場は周辺や収穫後、輸送時、梱包時まで規格が定められています。周辺のゴルフ場や松林などで農薬、防虫剤が使われていても、ダメなのです。

現在も様々な野菜や品種の栽培に挑戦し、美味しい野菜を作ることに貪欲な一戸さん。

私はふと浮かんだ疑問をぶつけてみました。


「自然栽培」はやらないんですか?


「自然栽培か〜」

一戸さんは少し言葉尻を濁らせました。

「自然栽培つっても流派というか、やり方が沢山ありすぎるんよな」

へ〜。と素直な感想がもれる私。

知り合いが和歌山で行っている自然栽培は雑草もとらず、完全放任で育った野菜や果実を収穫するものでした。

「生産者次第ではそこまで何もしない人もいる。でも農薬、肥料だけ使いません、って人や草はとるけど〜って人もいる。作り手によってまちまちで統一はされてないんですねー。僕らもそうだけど大体の人は外から種を持って来るのよな。」

HOU。

本当に自然栽培をやるなら種取りが必要になる。栽培して、うまく育った作物から種を取って、良質な作物が取れる流れをつくりそれを繰り返して・・・その土地、畑に合った種を【つくる】のが、自然栽培にとって必要だと聞いてる。だから僕らは難しいと思ってるし現状できない。拘りたいけどそこまでやれない人も多いからやってない人はうまくいく時いかない時があるのかな〜と思う。中途半端と言うのは失礼かもしれないけど結果が出なかったらどうしようもないからなー」

これに関しては賛否両論あるのかもしれないですが、私は結構納得しました。面白いし、分かりやすい。

「まあ、うちがやらない理由としては、状況に左右されやすくて量が取れる確証がないから。ビジネスとしてももちろんだし、安全な食料を【供給】する責任を持ってやってるから、今年は全然ダメでした、じゃあいかんわけ。待っている人に届けて初めて仕事だと思ってる。

確かに、、、、。

また、自然栽培や無農薬栽培には有機栽培のように「基準がない」事が懸念点になることも。

例えば、自然栽培でも、栽培期間中無農薬無肥料栽培というものがあります。

昨年まで沢山の農薬を使用して栽培をしていても、今年使わなければ「自然農法」と提言することはできるんです。

なのでこれは完全に「生産者」と「消費者」との信頼の上で成り立つ表示、ということになりますね。

一戸さんは自然農法については全く否定的な考えをお持ちではありませんでした。
むしろ、自然農法をされている生産者はこだわりの塊のような人なので、誤魔化しはないと思ってる。ある意味安心して購入できると思う、とも話されていました。


無農薬・減農薬栽培は?

これも、自然栽培と似たようなものになります。

特に減農薬は、種を植える前に撒いた除草剤や農薬がカウントされなかったり、種類、回数、量の基準が定まっていません。
いわゆる特別栽培がこれにあたります。

大体、細かく記載がない場合は利用されている農薬、防虫剤は化学物質を用いたものであるとの認識でほぼ間違いはないと私は考えています。

無農薬も右に同じ。

「栽培期間中農薬不使用」なんかは、ミスリードであることが多いです。

特に、野菜以外の作物の栽培と野菜の栽培を一緒に行っている場合などは要注意だそうで、他のものを作ったときに撒いた農薬などがしっかり土に残っていれば、肥料や薬を使わなくても作物ができるのだそう。

これも自然栽培と同じく、「生産者」と「消費者」との信頼が重要になってくるものですね。


全部有機だと生活的に苦しいし・・・特に要注意な野菜とは?


実は、これがあるみたいで。

玉ねぎ と 大根 だそうです。

玉ねぎに関しては大袈裟に書くと 皮 一 枚 に つ き 一 回 薬 が 使 わ れ て い る といわれるほどらしい!です。
(もちろん全ての玉ねぎがというわけではないです!)

化学物質過敏症の方が一番反応が出るのが玉ねぎらしく、他の野菜を食べても出ないのに出てしまうことを考えると使用している量が多いのかもしくは強いのでしょう。そういった方が玉ねぎのみ有機のものを購入されることもあるみたい。

大根に関しては、大根の肌に虫がつきやすく沢山薬が使われるみたいなので、結果葉っぱに沢山の農薬がかかります。どれくらい根の部分に薬がいくかは分からないとのことでしたが、肌に問題があると売り物にならないそうなので、生産者としてはしょうがないのかもしれません。綺麗なものを求める人たちのためにたくさんの農薬が使われているのでしょう。
安価な大根の葉っぱは食べない方が良いかもしれませんね。

「慣行と言われている農薬を使う農業も、有機も、どちらがいいという訳でもないし、俺は否定せんよ。現実的に食料の供給を考えると慣行栽培なくして食料を十分に供給することは難しい。ただ極端にどちらかと言うのに問題はあると思うけどね。僕らは自分たちが継続的に農業をしていきながら必要な人に必要な分が行き渡るようにうちはやってるだけ。さっきも言ったけど、そこまでやって初めて仕事だと思ってるから。」

とめちゃくちゃかっこいいことも言っていました。

でも、個人的にはこういう農家さんが増えて欲しいし、私は、いつ「薬が効かなくなる」か分からない農業よりも、「少しでも環境に配慮された美味しい野菜」を作る生産者を選ぶ、選択をしていきたいな〜


ヨーロッパは有機農業が進んでいる、と言われているけど・・?


もう一つ面白い話を聞きました。

「日本をヨーロッパと比べちゃいかんよ。」

そう、日本に比べて海外は有機が進んでいる〜などどいう方がいますが、

どう考えても当たり前なんだそうです。


ヨーロッパの気候は乾燥していて病気の発生しにくい環境のため、「有機との相性が良い」のだそう。

病気と相性がいいのは高温多湿。

まさに日本のような気候である訳です。

「まあ、だから、海外がどうのこうの言ってる人たちはちょっとナンセンスかなー。」

知識ってカッケーな。とおもいました。自分でも色々と調べていたつもりでも、やっぱり「専門の人が持ってる知識と観点」から得られるものは大きい。

しかし日本は縦に長いので地域によって適した野菜や栽培方法があって、有機農場で結託して良いところは伸ばし、難しいところは得意なところに任せる、みたいなチームプレーができるようになってくると日本ワンチームなんじゃないかと思います。(使い方あってるのか分からない)

そして、そんな難しい環境でも安全性や品質の向上のために有機・自然農法に挑戦してくださっている農家の皆さんには頭が上がらない・・・!

様々な議論がなされていますが、私は「なるべく農薬を体に溜めたくない」と考えていますので、これからもこういった農家さんの応援は続けていく所存です。

最後に、面白い資料がいくつかあったので、載せておきます。


こちらは農林水産省の「有機農業をめぐる事情」というPDF。
SDGsに沿った形で有機農業のメリットや現状がわかりやすくまとめられています。
日本各地の有機農業の割合なんか面白かったな。

あと、別の意味で面白かったこれは、

厚生労働省調べの食品中の残留農薬等一日摂取量調査結果

令和元年⬇︎

平成29年⬇︎


前年比でどのくらいの変動があるのかみようと思ったら、どうした?!ってくらい元年が適当で笑ってしまった。
もっとやる気出して!!!!!!
令和二年は期待してるよ。

ちょっとこれらみてやる気無くしちゃったんですが時間作って29年と28年の比較などしたいなと思っております。。。個人的に。。。

0でない限りは毒素として身体に蓄積されていくので、農薬にしても、添加物にしても、
一生分摂取しても「死なない」「健康に影響はない」と言われている摂取量に疑問が湧いてしまうんですがこれは私が研究者でない以上もう感覚的なものになってしまうんで、書けることは無いんですけど...

実際に調べられてるのって、添加物にしても、農薬にしても個々の薬の影響の場合が多くて、
「混ぜるな危険」についてはあんまり議論されていないような...日本語のものも少しだけ見つけたんですが、海外の論文とかならもっとあるんやろか〜。

そのへん、もっと分かりやすく明確になったらいいなぁ、と思ってます。

でも1番わかりやすいのは、やっぱり

「これらの摂取をやめた(減らした)ら身体が変わった」ってところに集約されそうな気もするな。

私は整体師として、その辺を、あんまり難しくせずうまく健康と絡めて伝えていきたいなぁ〜と思っております。

長くなったので終わり!

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