情報Ⅰの指導と共通テスト(プログラミング)

いよいよ来年の共通テストでは情報が出題されます。
恐らく殆どの学校では昨年もしくは今年情報Ⅰを開講していると思いますので、授業を実施してみての感想や手応えなどあるかと思います。
この記事では高校情報教員の視点から情報Ⅰの指導について感じたことと、共通テストに向けてどのような授業や対策が有効化を書きたいと思います。

まず筆者の情報を少々書きます。
信州大学工学部情報工学科を卒業し予備校の進学アドバイザーを4年経験。
公立高校の情報科教員として10年以上勤務しています。
プログラミングの経験は大学入学後にC、Perl、JAVA、HTMLを経験。
大学時代の得意科目はネットワークとオートマトン、論理回路、統計学でした。

さて、情報Ⅰの指導で一番困り感などが多いのはプログラミングかと思います。
どの言語を使うのか、どの程度時間を割くのか、どんな課題に取り組ませるのか・・・悩みは尽きないかと思います。
私自身の経験と、大学における情報教育を踏まえて言えることは次の3つです。
1.言語による差はほぼない
2.自学しないと身につかない
3.「課題」の設定が重要
1について共通テストがDNCLだからそれに似た形式の言語をなどという話もありますが、そこはあまり関係ないと思います。色々な言語に触れさせることも大事ですが、時間に制限があるので、なにか1つに絞って基本的な操作を学ばせる方が良いと思います。
2についてですが、私が受けた大学時代のプログラミングに関する授業では先生から「教えられる」ということはほぼありませんでした。強いて言えば概念的なこと「オブジェクト指向」や「アルゴリズム」については講義がありましたが、実際にプログラミングをする部分では自分で本を見たり、ネットを検索したり、友人に教えてもらったりしながら進めました。
また、「答え」が提示されることもなかったように思います。プログラミングは実行結果で正誤がわかるので、こちら側として準備すべきなのはテストデータと結果のセットくらいかと思います。
3については生徒が頑張ろう!と思える課題でないと、他人のプログラムの写経で終わってしまいます。私が大学時代の課題で一番面白かったのは「大貧民をつくる」というものでした。
ゲームを作るということで、モチベーションも上がったのと、ルールや仕組みがわかっているので、実装する際に余分な知識が不要というのが大きな要因だったと思います。

プログラミングについては多くの会社が教材を準備していますが、「それをやらせれば良い」という姿勢だと、下位層は離れると思います。授業であればペアプログラミング(2人で行う)で課題に取り組ませるといった工夫が必要かと思います。
導入としてアルゴロジックはおすすめです。

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