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人材ビジネスの意義とは何か 2024.07.4週目週報

人材ビジネスの意義、特に転職エージェントの存在意義とは何でしょうか。人材紹介のビジネスモデルは、一般的には求人企業から仲介手数料をもらうことによって成り立っています。ある程度その仕組みを理解した人の中には、仲介マージンはできるだけなくなった方が良い、エージェントを利用せずに直接応募した方が良いと主張する人がいます。また、転職エージェントとして仕事に関わる当人でさえも、結局その企業の実態を100%は把握できない状態で企業を紹介してしまうことに対する不甲斐なさを感じ、自分の仕事に自信が持てなくなることがあるのかもしれません。たしかにそれも間違ってはいないように思いますが、人材紹介会社の存在意義はもっと広い視野で考えることによって見えてきます。

人材紹介会社(転職エージェント)がこの世の中からなくなったら社会はどう変化するでしょう。更にはハローワークがなくなるとどうでしょう。たしかにそこに発生した手数料や人的工数は削減できるのかもしれませんが、全員がindeedから直接企業へ応募して仕事を見つけれるわけではないので、失業率は上がるでしょう。

経済政策についての評価を行ったり景気動向を判断する上において、失業率の変化に着目することは最も一般的なアプローチです。失業者を減らし、市民の生活環境を安定させることが政府の重要な務めであるなら、失業率の変化に直接的な影響を及ぼす私たちの仕事は、大変意義深いものであるはずです。

また、人材紹介を行う私たちが活躍して転職市場が活性化すれば、転職はますますポピュラーなものとなり、労働市場の流動性が高まります。流動性が高まっているとは、変化に対応しやすい状態が形成されているということです。働きやすい成長企業に人が集まりやすくなり、逆に労働環境が悪く成長性の悪い企業からは人が離れやすくなります。流動性が低い状態では、ブラック企業が適切に淘汰されずに存在し続け、給料の伸び幅も鈍化します。これは労働市場のみならず、株式市場における流動性、移動における流動性など、あらゆる流動性に関して言えることですが、それが低すぎる状態では変化に対応するスピードが鈍化します。

移動の流動性を考えるために、転校を例にあげてみましょう。もし転校がもっと自由にスムーズにできる社会であれば、いじめ問題はどう変化するのでしょうか。いじめにあったらその当人はすぐに転校する、いじめの加害者になってしまいそうになれば転校する、ということが簡単にできる状況となったとする。現実的に簡単に転校することは難しいですが、たとえばもし転校がもっと気軽なものとなれば、仮にいじめが発生したとしても、それがエスカレートし増幅していくことは抑えられるはずです。

他には、もっと異国へ自由にスムーズに移動できる世界が実現した場合、仮にある国家の政治家が戦争を決断しても、それに賛同していない市民はそこから別の国へ移動することで、戦争を継続させる資金、労働力を提供しないという意味で物理的にそれについて反対する力を発生させることができます。逆に移動ができなければ、市民個人としてはそれに賛同していなくても、その国に生きて納税し勤労しているだけで、間接的に戦争に協力することになってしまいます。

このように、流動性を高めるということは、マイナスの状態をスムーズに解消するために非常に効果的なものです。

人材紹介の仕事は社会を活性化させるために大変意義深いことです。私たちはこのことを胸に刻み、誇りをもって日々の仕事に取り組んでいきましょう。

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