伊豆配流ツアー 1日目
当初の予定は「家族と蟻の熊野詣でツアー」だったが何かポシャッた。
井上靖『補陀落渡海記』の聖地、補陀洛山寺に行く気満々で補陀落渡海の歴史を調べたのに。
それはオタクがする聖地巡礼ではなくガチの古代宗教だが?
初期の渡海上人として平維盛。
源氏方では鎌倉で頼朝の前で鹿を射損じて思い悩んだ人。
現代人としてはそんなことで思い詰めなくても、と思うが御家人たちに使えないアドバイスをされたり梶原景時に毒の使用を提案されたり善児と目が合ったりしたのかな……
フラストレーションが溜まったので他にどっか行く場所がないかと探す。
鎌倉殿の13人 伊豆の国 大河ドラマ館
https://izunokuni-taigadramakan.jp/
伊豆の国市大河ドラマ館の展示替えが6月16日で、6月15日閉館後に替える。
つまり15・16日で両方見れんじゃん!
ということで伊豆に行くことになった。
伊豆まで高速道路代だけで片道8千円。
それはもう鎌倉行った方が早いやん?となるが伊豆に行くことにした。
鶴岡八幡宮、もう3回くらい行ってるので。
ということで1日目の目的。
「待たされてもいい時間にさわやかに行って昼飯としてハンバーグを食べる」
実際50分待たされたが、ソシャゲ消化などあって待ち時間は全く苦ではなかった。
その前に5時間、高速道路カッ飛ばしてるからな。
静岡には5回ほど来ているのに、なぜか毎回スルーしてこれまで来たことがなかったさわやか。
伊豆とか関東方面から客が来ていて混んでいて、愛知に近い店舗の方が空いてるらしいが。
50分待ちなのに1人で6人がけのテーブルに案内されて落ち着かなかった。
さて昼飯を済ませて、大河ドラマ館に……
急ぐ俺の前に出現した静岡名物。
ブックオフ。
いや、もう大阪に「本だけ売っているブックオフ」はない。
大体全部ハードオフとか○○オフで、百均の本棚とか消滅している。
『陰摩羅鬼の瑕』文庫版が百円棚にあるじゃん。
マ? コスパ半端ないな? ページ数の圧迫感がすごい。
思わず買ってしまった。
バサバサ百円棚の本を買って、百円じゃない本が混ざっていて2千円近く買ってしまった。
そういう商売だった。
800円の本を600円で売ってたりした。
やはり静岡でもブックオフはメルカリに駆逐された滅びゆく商売でそういう手段を使わないと儲けが出ないのだった。
見せ陰摩羅鬼でまんまと金を落としてしまった。
そうしてやって来た伊豆の国市大河ドラマ館!
静岡県って伊豆市と伊豆の国市とあるんだな! わけわからん!
マップで見ると駅前だけど、何か図書館の一角がホールになってるのを改造しているらしい。
こんな感じで周りはほとんど田んぼです。
イチゴ狩りが名物らしいです。
大河ドラマ館ミュージアムショップ、ドラマ公式グッズの他にジャガイモとかトマトとか地元作の蒸しパンとか売ってる。
……流刑感ハンパねえな……
14歳で京からここに流されたらキッツイな……
そりゃあ手持ちの経典全部読んでお経をスラスラに暗記するな……
あったら孫子の兵法でも何でも読むな、他にやることないんだから……
20年も頑張ってた頼朝すげえな。
伊豆の皆さん、親切だった?
この当時、流刑先で罪人の世話をするかどうかは流刑先の現地民の判断に任せる。
大体、京都を掃除するための追放で流刑先で勝手にリンチされて死んだらええねん、という消極的悪意。
……と言うと太宰府や鬼界ヶ島の皆さんが薄情者だったようでよろしくないが……鬼界ヶ島、別に無人島ではないらしい……
まあ伊豆でも調子こいて子供作ったら伊東祐親にガチギレされたが。
いちいち「松葉色地染め木綿小袖に若苗色地染め桔梗亀甲柄麻直垂、振り緒草履 着物は複製品で草履は撮影使用品」とか書いてある。
恐らく鎌倉大河ドラマ館と、複製品と撮影使用品をやったり取ったりしている。
今回、衣装やセットなどの時代考証にはメチャメチャ凝っている、と大河ドラマ館専用ムービーで熱弁。
千鶴丸のおもちゃ。
コケシとかって最近の民芸品なんですよ。
京では雛人形を専用のミニチュア邸に置いて着せ替えして遊んだりしていたが伊豆にそんな文化はない。凄味がある。
君も大河ドラマ館で大泉洋と握手。
スタッフの人が「大泉洋さん、実物大で身長178cmなんですよー!」とフランクに話しかけてきて、陰キャの俺はビビる。
烏帽子かぶって写真撮るスポットがあるがスタッフの人がスマホを預かって写真を撮ってくれるのか、合図の声の圧がすごくて近づけなかった。
追加で北条義時の独自展示があったがそっちでは中高年男性の客とスタッフがものすごい早口で大声で今後の展開をネタバレしており、圧がすごかった。
いや勉強して来たからネタバレはいいんだけど、この中高年があの展開の速いドラマを毎週見ていると思うとビビる。
伏線とか把握できないうちの親は早々に脱落している。
お土産にTシャツとトートとしおりと源氏バンザイコースター買った。
しおりは大河ドラマ関係ない地元観光協会か何かのデザインで「これは誰」というのを勝手に考えたのを答え合わせしたら全然違った。
企画意図としては源氏バンザイコースターよりも北条トライフォースコースター買うべきだったのだろうが、あまりにも源氏バンザイで。
クラファンで作った雀コースターが死ぬほど頑丈でコースターダダ余り状態でもういらないのに、つい。
なお、こるもの先生のこの日の服装は宇治十帖源氏香Tシャツだ。
その源氏じゃねえ。
地元の史蹟紹介ムービーを見るが。
スタッフ「ご紹介にあった北条時政ゆかりの願成就院、八重姫ゆかりの眞珠院は本日、定休日です」
何じゃそら。
義時の墓がある北條寺はやってるようだったが、この時点で3時。
大抵の神社仏閣の営業は4時終了。
ちょっと離れてるので明日に回して蛭ヶ島公園に行くことに。
歩いて6分らしいし。
何らかの無人販売機らしいが、季節じゃないのか何も入っていない。
普段は何が入ってるんだ。カブトムシか。
……歩いて6分って言うけど、立派な駐車場あるし車で来てもよかったな?
Googleマップがまたメインストリートじゃない田んぼの真ん中を歩かせやがった。
ポケモンGO映えするモニュメントが多々ある。
「頼朝31歳、政子21歳は恋に落ちましたが父・時政は流人との結婚に反対。伊豆目代・山木兼隆に嫁がされそうになった政子は熱海の伊豆山走湯権現に逃げ込み、頼朝と結ばれたのです」
目代山木ってドラマの最初の方でやられた人。
ええっとこの公園から走湯神社まで……22km、歩いて4時間46分。
すごい根性だな、政子。
※忍さまが自分の邸の端から端まで歩いたことがないのと同じ時代です。
Ingressがメチャメチャ反応するので何かと思ったらそばにもうちょっと通り甲斐のある太い道があってそこには飾りタイルがあった。
予習なしで来た人も安心です。
全部源平合戦ワンポイントうんちくなのかと思ったらそうでもなかった。
この時点で4時なので5時チェックインの宿に向かうことにする。
折角伊豆だし、晩飯つきの温泉旅館だよな、やっぱり。
と向かった先は山の中。
「伊豆畑毛温泉はかつて頼朝公が軍馬を療養させたことで知られ……」
本人じゃないのかよ。何かキラキラ美少年のイメージイラスト飾ってあるけど写真撮るの忘れた。
そうそう、旅館といえばこの雰囲気……
……テレビがないね?
思想強めだな!? よく見たら下駄箱の上にぎっしり本が置いてある!?
自己啓発系が多い!?
しかし、Wi-Fiは入る。
結果、どうなったかというと。
俺はFGO2部6.5章トラオムの戦闘だけ済ませて後からテキストを読む方針で、バグで終盤が吹っ飛んでいて読めなかったのがこの日修正されたのを10時まで読むことになったのだった……
デジタルデトックスとは?
ブックオフで山ほど買った本は伏線でも何でもなかったのかよ?
2日目に続く!
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