2022 IRONMANケアンズ 9時間27分のためのトレーニング
アイアンマンケアンズでは9時間27分のタイムでめでたくコナを獲ることができたが、それまでのトレーニングについてまとめておく。
自分が方針に揺らがないためでもあるし、
これからロングを始める人の参考にもなるだろう。
ロング経験の長い人には何の役に立たないかもしれない。
レースレポートはこちら。
1. 方針
アイアンマンで満足いくタイムを出すためにはどのようなトレーニングをすべきか。
まず以下をとにかく優先した。
怪我なく続けること
ロングに適応すること
僕は練習量を上げるとすぐに怪我をしてしまうので、その克服を最優先にした。
チームメイトに刺激されて月間バイク1000km、ラン200kmを最低ラインに引いては怪我。
SNSに刺激されて週25時間をこなそうとしては怪我。
コナチャレ期間に何度も怪我をして自分の脆さをよく知った。
これはもうそういう体質なのだと割り切らないとやってられないレベル。
それからアイアンマンに出るので当たり前だがロングに適応すること。
2019年のケアンズでは結局180km元気に漕げなかったため、パワー以前に持久力に大きな課題があった。
強度に関係なく、そもそも5時間自転車を漕ぎ続けられる身体ではなかったということ。
あえて疲れた状態から練習することによってレース後半を再現できる、のようなテクニックも試したが、
実際に5時間漕げたことがないまま本番を迎えるのは大きなリスク。
結局、スイム1時間、バイク5時間、ラン3時間は続けられる練習をしようという結論になった。
また以上を優先するためにスピードはある程度諦めた。
もちろんとても十分とは言えるレベルではなかったが、一番足りていない持久力を優先した。
2. 練習サイクル
あれこれ試しつつ、結局以下の練習サイクルに落ち着いた。
ロング練
まず週末のバイク、ランは最優先。
他の練習を抑えてでもロング練はできるように整える。
バイクはアワイチ(150km, 5時間程度)したり、
ZwiftのYour First Century Week8 Day6(4時間)を行うことが多かった。
淡路島はパワーを出さずにスピードを出す練習、Zwiftは休まずパワーを保つ練習の位置付け。
ランはジョグ3時間が多かった。
2時間レースペース走も同じくらい行いたかったが、アキレス腱に不安を感じる時期があったので2回しか行えなかった。
ロング練のイメージは本番の目標タイムの75%以上動き続けること。
強度は気にせずにまずは時間。
スイムのロングも同様の考えで、3000m泳を行った。
これで金土日が埋まる。
ポイント練
次に優先するのはポイント練習。
レースより速いペースで短めの時間行う。
バイクはZwiftのSST shortや2x15 FTP interval、
ランは1000mx6や10km Mペース走を中心に行った。
スイムは100mx10のインターバルを10秒レストでスピードを出すよう意識した。
これで水木が埋まる。
イージー
最後に繋ぎのイージー。
正直軽く運動できれば何でもいいと思っている。
バイクはZwiftのBaby on board(妊婦さん向け!)、
ランは7-10kmジョグがほとんどだった。
スイムはイージーとは呼べないかもしれないが、100mx10のインターバルを5秒レストで余裕のあるペースで行った。
これで1週間が完成。
筋トレ
余力があれば筋トレも入れる。
スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、ショルダープレス、ラットプルダウンといわゆるBig5っぽい王道と、腹筋、背筋をやっていた。
ただし腰を痛めてからはしばらく休んでしまい、満足には取り組めなかった。
自分にとって適切なライン
コナを目指す身としてはこの練習は正直とても少ない。
月間距離にしてスイム30,000m、バイク700km、ラン200kmがせいぜい、
頻度は各種目週3回、時間は週15時間、TSSは測ったことないが週600くらいか。
これより練習をこなしたい気持ちは山々だった。
しかし繰り返す怪我の中で、身体を壊さないことの方が大事だと思いこの練習に落ち着いた。
トライアスロンの記録を伸ばすためにまず必要なのは、個人の体質や競技レベル、可処分時間に応じて適切な練習サイクルを定める作業だと思う。
もちろん身体が強い人はもっとやったらいいと思う。
ところで今の練習サイクルはマークアレン先生のロング対策の内容に非常に似ている。
記事を読んだタイミングでは
「いやもっと練習するし、、」
と読み飛ばしていたが、怪我をしては時間や頻度、強度を落としていき、
トレーニングを長く続けられるラインが結局この辺りだった。
マークアレン先生さすが。
3. 怪我防止のために
こんなにケガケガ言っているので、何も対策していないのでは?と思われそうだが自分なりに色々試した。
睡眠(おすすめ度☆☆☆☆☆)
いきなり何の対策なの?という感じだが、結論睡眠による回復が最強。
週末ロング練の後の昼寝の回復効果は絶大。
お昼寝大好き。
自重トレ(おすすめ度☆☆☆☆)
疲れやすい筋肉を自重トレーニングで補強する。
僕の場合はレッグレイズ、プランク、ブルガリアンスクワットの効果が高かったように思う。
あとついでにスイム対策でチューブ引き。
毎日軽くがポイント。
ストレッチ(おすすめ度☆☆☆☆)
動きの固いところを伸ばす。
僕は腰回りがいつも悲鳴を上げている。
脚を前後に振るような動的ストレッチもおすすめ。
こちらも毎日軽くがポイント。
水(おすすめ度☆☆☆)
たくさん飲もう。
血液がサラサラになって老廃物が早く流れるはず。
日常生活での水分補給、侮れない。
食事(おすすめ度☆☆☆)
散々言われていることだがタンパク質中心の食事。
普段の食事に加え、ご飯に納豆、卵、ツナ缶、豆腐を載せておやつに食べている。
筋肉丼と呼んでいる。
姿勢(おすすめ度☆☆)
悪い姿勢で長時間座っていると腰に負担がかかっているのが分かる。
最近骨盤矯正に通い始め、普段の姿勢を正すようにしている。
理想は立つか寝るかにして、座る時間を極力短くするのが骨盤にとって一番らしい。
プロテイン(おすすめ度☆☆)
ザバスのリッチショコラが美味しい。
交代浴(おすすめ度☆)
効果は実感できなかった。
BCAA, EAA(おすすめ度☆)
筋肉の分解を防ぐ効果があるらしいが、体質に合わなかった。
まとめ
限界を狙わずに長期的にトレーニングを続ける生活は、健康とは何か?に通ずる気がする。
試行錯誤してこの控えめ練習に落ち着いたが、これでもケアンズでそこそこ通用することを確認できた。
コナでは蹴散らされるだろうが、その後トレーニングに迷ったとき自分の基準点として覚えておこうと思う。
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