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大作曲家はお酒がおスキ?【音学note】

 こんにちは。皆さんお酒は好きですか?私は大好きです。日本酒も好きだしワインも...。
 今回は作曲家たちが空の上で忘れたいと思っている(かもしれない)、お酒でのエピソードを少し紹介してみたいと思います。彼らのエピソードを見てると、「ああ同じ人間だったんだなぁ」とちょっとホッとしたりするのは私だけ?


ベートーヴェンの死因はお酒の飲みすぎ??

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 言わずと知れたドイツの大作曲家ベートーヴェン。ドイツ人と言えばビール!というイメージは現在でもステレオタイプではないでしょう。ベートーヴェンもちゃんと(?)お酒好きだったらしく、その死因はお酒にあるという説があります。
 彼の死因の最も有力な候補は「肝硬変」。しかも彼の毛髪からは死後通常の40~100倍近い鉛が検出されました。この二つの異常はどちらもベートーヴェンが大好きだった「ワイン」が原因だったと思われます。当時はワインの人工甘味料として鉛が使われることが多かったそう。そのためワインをがぶ飲みしていたであろうベートーヴェンは異常な数値をたたき出してしまったようです。

 しかしベートーヴェンがこんなにワインを沢山飲んでしまったのも無理はありません。難聴が進行した頃、ベートーヴェンは医師の勧めでウィーンのハイリゲンシュタットという温泉地へ保養の為移住しました。その地でベートーヴェンは「ホイリゲ(オーストリア東部によくある、ワイン酒場が自家製ワインと料理を出す店)」に足繁く通ったそう。

(筆者がウィーンに行った際に訪れたホイリゲの写真。ハイリゲンシュタットのベートーヴェンハウスから徒歩圏内だった気もするが、ちょっと記憶が曖昧。飲みすぎて記憶が飛んだのかも。)

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ホイリゲにはこの写真の様に中庭が付いている店が多く、外で新酒と料理を楽しむことができます。こんな気持ちの良い空間、誰でも飲みすぎちゃいますよね…。

お金よりお酒。バッハ。

 ベートーヴェンと同じドイツの作曲家、そして同じくワイン好きだったのがお馴染み、ヨハン・セバスティアン・バッハです。彼は給料の一部をワインで現物支給にしてもらったり、彼の遺品から高級なワイングラスが出てきたりと、相当なワイン好きでした。旅行の際の領収書に相当な数のワインが記されていたようです。

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 そんなバッハのワイン好きを伺わせるエピソードもいくつか残っています。
ある時、姪のヨハン・エリーアス・バッハがヨハン・セバスティアン・バッハにワインを送りました。しかし不幸にも多くのワインがこぼれてしまったそうです。これに対してのバッハの手紙がこちら。
「一滴こぼしただけでも悔しいのに、それに加えて運賃、手数料、税金など払ったので残ったワインはとても高くついた。」

めちゃくちゃ悔しがってる。(笑)

皆さん、この下の楽譜を見てみてください。

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なんだかシミがついてるのがわかりますか?
 これは復活節のコラール『この日、神の子は勝利した Heute triumphieret Gottes Sohn』BWV630の自筆譜に、ワインがこぼされた跡だとされています。きっとワイン飲んで気持ちよくなっちゃったんでしょうねえ。
書き物していて飲み物こぼしちゃうって、漫画みたいなエピソード。
「やっちまった…」とか思ったのかな。

酔っぱらいの代名詞?フランツ・リスト。

 フランツ・リストと言えばピアノの「超絶技巧」や「イケメン」などの言葉が浮かびます。19世紀のパリの社交界でのリストはまさにスーパースター、女性からのモテっぷりもすさまじくいわゆる「追っかけ」の女性ファンも沢山従えていました。

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 そんなリストですが、実は英語圏にはこんな言い回しがあります。
”Mozart and Liszt”/”Brahms and Liszt”。
偉大な作曲家の名前が並んでいますね。きっと素晴らしい音楽家や音楽性を表す言葉なんだろうなぁ。
 残念、これはどちらも「酔っぱらい」という意味のスラングです。どちらにも名前を入れられてしまったリスト、毎日コニャックを1,2本、ワインを2,3本も飲んでいたという逸話があります。晩年はいくつかの疾患に悩まされていたようでしたが、若い時のお酒での失敗エピソードはあまり残っていないリスト。お酒に強く、彼の外見と同じようにスマートに飲んでいたのかもしれませんね。


 以上、今回は作曲家とお酒の密な関係について書いてみました。彼らのエピソードは面白く、人間らしさが垣間見えるものですが、お酒は楽しくほどほどに....ですね!


文:あおたけ(コロンスタジオライター)

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