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個人的な教育の話11 中学受験

中受離婚
 ネットの記事で気になるものがあった。東洋経済オンラインの記事だ。 
子供の中学受験がトリガーとなった離婚の話。
それって、たまたま中学受験が引き金になっただけで、今、受験シーズンなので興味を惹くと思ったのだろう。
経済誌の記者はマーケットを常に意識している。
これが夏場だと「夏休みにおける離婚危機」そんな記事になる。

夫婦のクライシス
お互いの行き違い、人生感、心情からくる夫婦の軋轢、それは何時でも起こる可能性はある。
今まで、お互いに気を使い、当たり障りのない結婚生活を送っていた。
そんな日々に中学受験という爆弾が投下された。子供の将来、自分達の人生にも関わるので必死になってくる。

そして初めて夫婦が本音と自我をぶつけ合う。今までそんな事はしていないので、話合いが上手くいくはずない。
そして、お互いの無理解を責めれば、子供は親を見ているので、決して上手く転がらない。修羅場となる。

人生の大きな転換期で、夫婦間において、お互い理解していな側面に気づく。そんなことは多々ある。それが中学受験だったのだろう。そして最悪の離婚劇。
さらにネットで検索すると、本があった。最新刊だ。ネタありの記事だったのか・・・。

中学校受験の目的
 私は中学受験を3人の子供達で経験した。
参考になるかよく分からないが少しここでその話をしよう。

私はステレオタイプに、偏差値の高い大学を目指す。そんな中学受験を目的としていなかった。
佐藤さんという母親みたいに子供4人を全員、東大、医者にしたような偏差値や親の意向での受験を目的としていない。

普通の教育レベルで、自分の意志を持つ子供に育ってくれればいい。
それだけだった。

今の日本において、普通に中学生活が送れる公立だったら、それは素晴らしいことだ。ラッキーと言える。
エロ教師とか、でもしか教師、とんでもない子供とモンスター親。
公立校は民度の一番低いレベルに引きずり込まれる。今の教育システムだと当面それから逃れられない。
私の考える中学受験はその危険をさける為でもあった。

脱出
 私が結婚当初住んでいた横浜の古い公団住宅。
道路1本隔てて、里山が広がり、夏はヒグラシの鳴き声が目覚まし代わり、私の趣味のマウンテンバイクのコースも10キロ以上あった。
通勤には不便だったが自然環境は抜群だった。

ただ僻地で近くに市営団地もあり、一般認識では、安い不便な古い公団だ。だから賃貸費が安い。いい人達も多かったが、一部に無職、片親、外国人などが住み治安が悪化していた。

里山が続く

民度も低く、里山には常に不法投棄、盗難車の残骸が3台置き放し。その車に放火する中坊。団地の火事も多い。また殺人事件も実際1件起こっていた。時代に先駆けて、高齢化と少子化、スラム化しつつあった。

ある日、団地のベランダ下で、小3の息子が、同級生にボコられていた。そのガキは中国人の片親、父親は不明、文句言ってもどうにもならない。
また頭のおかしいい中坊に靴を田んぼに投げ捨てられてもいた。ある意味、命の危険性もある。

盗難車などへ放火

このまま、子供がスラム的環境に馴染むと抜け出すのは容易ではない。
私も、高校時代暴走族だった。更正し、2浪をして、ようやく3流大学へ進学したが、その時はかなり苦労した。
その上、いい歳だが、基礎教養がない。その体質から未だに脱却していなと思う。
例えば、娘達は万葉集などの一部を暗記している。学校で暗記するからだ。
私は万葉集は知っているが、それを口ずさむとか全く出来ない。それが基礎教養の無さだと思う。

さて、この地に住んで13年、来年4月に息子が小4となる。物心がつく歳となる。さらに娘1が小1、娘2が幼稚園だ。
「何とかしなければ」と焦る。
ここの辺りの経緯はNoteで何度か書いたが、ここで、起死回生の勝負をした。妻も賛成してくれた。

転職と引っ越し
 会社を早期退社して、親会社の部長と会社を立ち上げ、迷走する会社の転勤地獄から逃れる。
そして東京の郊外の文教圏に家を買って引っ越した。
バブルもとうに弾けているし、危機感はあったが、事は上手くいった。そして、春、引っ越した。

ようやく、牧歌的な穏やかな小学校へ転向した息子のひと言。
「ここは天国だよ、給食も美味しいし、友達も沢山出来たよ」
素直な良い子が多くいた。給食は美味し自校式だ。

実は、ここは私が青春を過ごした地元だった。良いところだ。
高校時代、かなり馬鹿だった私が立ち直れたのはこの町に住んでいたからだと思っている。

小学校時代
 入学した小学校は市内で一番緑豊かな場所で、周りに繁華街がない。
非常に雰囲気の良い学校だった。親御さん達の余裕もあり、お祭り、体育祭と親達の協力参加が多い地区だった。
地域の支えは公立校の善し悪しを左右する。

少年スポーツも盛んだ。また東京郊外だと思えないほど、自然が豊かで、子供らは魚、ザリガニ、カブトムシ、クワガタ捕り等の野遊びをしていた。

お稽古ごと
 私の子供達は、未就学時代からスイミングクラブへ通わせていた。だからスイムは得意だ。
娘1は高校時代までスイムを部活にしていた。小学性時代はジュニア選手だったので、物心ついたら何時もプールにいたと言う。
毎日、朝も夜も練習、夏休み、冬休みも合宿、大変だった。

子供達には私の趣味のマウンテンバイクレースとトライアスロンもやらせていた。
危険だと思うが、小さい頃から外遊びさせていれば、運動神経はそれなりになっている。

スイムも含めて競技への参加は勝負ごとだ。受験もそうだけど、心を鍛えるし、勝負時のルーチンを確立してくれる。また負けた時、心の収め方も経験出来る。
実際、子供達は一番重要な時に体を壊すとか怪我をするとか、しくじり体質にはならなかった。
また、スイムでは歳の差ではなく、才能と努力、練習時間の差で上下関係が決まる。理不尽な場合も多い、そう言う関係も心を鍛えていく。

中学受験
 比較的中学受験の少ない小学校だった。
実際、息子が入学予定の公立中学校は、市内で一番人気のある学校で、偏差値の高い都立へ結構合格している。
「このままでいいやぁ」と思ったが、一度受験をやらせておこうと思い、国立の附属校を受験させた。
当然落ちた。

息子は男の子だから、部活を通じて公立で鍛えられるのもいいと思い。そのまま公立中学校へ、高校は重点進学校になっている地元の都立へ行く。大学だけが私学となった。
6年間バレーボール部で、中高とも学校の歴史上過去最高の成績を残していた。

娘は2人とも、私学の中高一貫校の女子校を受験させて、同じ学校へ通った。
その私学は、筆記試験だけでなく、面接も重視される受験だったので、1本釣りで、その学校専門の塾へ小5から通わせた。
高偏差値の中学受験では遅すぎるスタートだが、面接がキーとなるので、スイムやマウンテンバイクレースで鍛えた勝負心があった。それが有利に働いた。

勉強方法
 筆記試験の勉強に関しては、リビングでの勉強とした。
自宅で塾のテキスト課題を事前にやらせておき、会社から帰宅後または夕食後、私と妻で、答え合わせしながら勉強させていた。
塾だと時間を潰せばいいと子供が思っていたので、成績は全く伸びなかった。丸投げでは駄目だと腹を括り、親も勉強した。

妻は国語の漢字書き取り、私は算数問題を指導した。参考書で私も勉強した。小学校のレベルで回答するのは面倒だった。
また、計算力をつける為、百マス計算を家族で競争した。
大人も漢字を忘れているし、計算力も弱っているから、自分達にも役にたった。
私が思うに、この時期が、自分で勉強する習慣をつけさせるには一番適している。
中学では思春期による中二病があるので、難しい。
高校だと勉強レベルが上がり、親が学習に協力出来ない。塾へ丸投げ状態となる。
流石に中学受験は参考書をみればなんとか親でも教えられる。
受験の範囲はあくまでも小学校までだから、範囲が一番易しい。

また、入学後、中高一貫校だと高校受験がない、時間と心に余裕が出来る。中二病もクラスが同じなので、友達同士で、高校生になれば抜け出していた。
中二時代、お互い憎み合っていたような子と、そんなこと忘れたように仲良くなっている。

高校受験という偏差値カーストがないので、友達と一緒に喧嘩しながら成長することが出来る。
難関大学へ行くには問題あるけど。思春期に偏差値に脅されていないので、大学の価値を偏差値から判断するような子供にはなりにくい。
私の子供達はそうだった。

受験産業
 恐ろしく金がかかる受験産業のカモとならない。塾とかに頼り過ぎると、家庭生活が崩壊する。
塾の講師は、「人間の価値が偏差値で決まる!」そんな話を真顔で子供達に言う。私はこれには、本当に驚いた。こんな人間もいるんだ・・・・。

私達の子供達は塾には行かず、自勉のみで受験した。この時代かなり特殊だと思う。そうでもないかぁ。

ここで親と子供の大学の価値とか人生感が大きくズレると、後で大変面倒なことになるので、十分な話合いが必要だと思っている。

以上が個人的な意見だ。
結論として中学受験には正攻法しかない。親も頑張るしかない。
コスパのいい方法などない。そして方法を聞かれても、
「その時になったら、自分達で考えてください」としか言えない。

2021年末っ子と妻と15年ぶりのスキー

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