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裏山自然観察日記2「横浜に住んでいた頃の話」雑草を食らう冒険的な味見の会

 結婚当初、1990年代、私は横浜市の古い公団団地に住んでいた。団地の裏は広大な里山、谷戸という田舎であった。
 この時期、バブルが弾けたため、大規模な宅地開発、レジャー施設も含む公園の開発が一時中断となり、その間自然を楽しみながら子育をてしていた。
2002年に多摩地区へ引っ越した。
かなりの月日も流れ、20年ぶりにその地を訪れたが、昔の面影はなくなっていた。寂しいものだ。
しかし、当時の自然豊かな日常を書いた文章が残っていた。
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1998年11月 *雑草を食べてみた。
 「今はもう秋」
 恒例の栗拾いを妻の実家でする。
無農薬の山栗は収穫するタイミングが難しい、遅いと虫が食うし、早いと美味くない。常に天気と栗の出来具合を予想しつつ、休日を考慮して収穫日を決める。
 
 今年は台風と長雨で天候不良な日が続き、収穫のタイミングが決めにくかった。それでもなんとかバケツ一杯の栗の収穫があり、栗ご飯を3日続けて食べられた。そんなわけで、「今年もくり満足」でした。
 
 さて、季節はかなり前に戻り今年の春の話。新芽がでるこの時期、妻と子供達が近所に自生する食べられそうな雑草やキノコを採ってきて、それを料理して食べる。そんな面白い企画を実行した。
椎名誠さんふうに名付ければ「雑草を食らう冒険的な味見の会」

 初めのうちはツクシ、セリなど比較的ポピュラーな確実に食べれるものにチャレンジしていた。
「これは普通に美味い」
さて、妻は次第に大胆になり、結構やばそうなキノコまでも採ってきて味見をしだした。さすがに私も心配だ。  
 「おいおい大丈夫かよ」
「火を通せば案外平気だよ」(信じないように)

 一般的に雑草でもウサギや鳥などの小動物が好んで食べるものは、比較的安心して食べられるようだ。某アウトドア雑誌のようにそれが美味いと書くと嘘になる。私の数少ない経験から言えば、それほど美味いものではない。
 
 一方調理方法に関しては、簡単に天ぷらと炒めるが主流である。ちなみに生雑草は腹に虫がわくから止めましょう。
野生のフキなんかはアクが強いので十分なアク抜きが必要だ。全体的にみて野草はアク抜きが料理のポイントだと思う。
ちなみに昆虫類はよく脱糞させる事が料理のポイントである。虫食いは別の機会に。
 
 今回の味見会、私は会社で大事な仕事が進行中、腹痛で休むわけにはいかない。
よって「食わない!」と宣言していた。
しかしフキとかペンペン草の炊き込みご飯など幾つか食べてみた。
感想はやはり、「それほど美味くもない」

 味は別としてこうしてみると案外日本には、食べられる物が身近にある。私はそれを今回の家族達の少々無謀な味見会で確信した。
  
 よく周りを見渡せば日本は川、山、海と食料調達には事欠かない自然環境に囲まれている国だ。
 要するに綺麗(ここでは土で汚れないことを意味する)な仕事とか綺麗な生活を望むような子供達を育てることを止めさえすれば、エネルギー問題も食料問題もその子達が頑張ってなんとか出来るような気がする。
そして日本は食料難で滅びずすむ。

雪が降ると楽しい
秋の裏山(里山)

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