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真夜中の逃走 オデッセイとBlue Giant

偏食
 ここ1週間くらい、足腰の周りに痛みがあり激しい運動が出来ない。出来るのはローラ台と軽いウエイトトレーニング。そのため体重が増えている。しょうがないので食事を制限して酒を控える。
今は妻や子供達のお陰で食にこだわりもあり、旬の食べ物は食べたくってしょうがなくなる。
しかし、ミシュランと料理人の蘊蓄を信じるほど美食家ではない。若い頃、食事はエネルギー補給としてか考えてなかったこともあった。

 学生時代、私は偏食だった。その頃インスタントラーメンを食べ過ぎて、今、ラーメンはあまり好きじゃない。特に手の込んだラーメンは無理だ。なぜあんなに面倒に作り込むのか、よく分からない。

 私は気に入ると食べ過ぎる。2021年、野川公園で銀杏を拾って処理して食べると、これが異常に美味い。その年から毎年シーズンになると、公園で収穫して処理して毎日食べ続けた。銀杏は食べ過ぎると毒になる。体中に湿疹が出来て1年程治らなかった。

 水木しげるさん、好きなものは全部食べるきるというが、その気持ちはよく分かる。

地元のスイミング
 30才の頃、トライアスロンのため体を鍛えていた。昼休みに工場の構内を5キロ走り、社食へ行くと時間も遅く定食類は売り切れだ。
私は残っているラーメンと売店で買ったヨーグルト、魚肉ソーセージとチーズを昼飯として食べ続けた。

 朝はカロリーメイト一箱とコーヒーを会社で食べる。夜は社食で食べて、10キロ走って帰った。この頃ビタミン不足だろうか、肌荒れが酷かった。
ただ、体は絞れていた。

 残業無し日の水曜と後1日は7時半から9時までマスタースイムのクラブで泳ぐ。時間があれば、捕食してから泳ぐが、大体仕事が込み入っており、準備運動もなく、いきなりハードな練習をする。この時血糖値が下がって、意識が飛んで寝ながら泳いでいたことがあった。

 練習後、20代のスイム、トライアスロン仲間と近所のお好み屋でビールとお好み焼きを食べる。その濃い味は美味すぎた。干からびた体にはビールも美味い。

中学生と大学生 右が私

真夜中の逃走
 ある日、一度自宅へ戻って着替えてから、お袋のママチャリでスイミングクラブの練習へ行った。その日は花の金曜日、明日は休みだった。練習後、お好み屋でしこたま飲み、店をでる。既に日付が変わっていた。
私は心地よい初夏の中、ママチャリで走っていた。

 突然懐中電灯で顔を照らされた。
「まぶしいなぁ、なんだお前」飲んで強気の私。
「少し質問いいですか」夜回りのお巡りさんだ。自転車から降りて近づいてきた。
「お手数ですが、自転車を確認させてください」
私は犯人扱いに無性に腹立がたち、素早く自転車を漕ぎだして全力で逃げた。
「おーい、こら!」
こうなったら逃げ切るしかない。私はこの頃、自転車のロードレースにも出ており練習も一番多い時代、体育大学出のお巡りさんはほぼ格闘家だ、勝敗は見えている、私は逃げ切った。

何故逃げたか
 私は中学、高校、大学時代、1回ずつ、合計3回、無実の罪でパトカー乗せられて警察署へ連行されている。そして警察に関わると時間を相当に浪費する事を知っている。また基本犯人扱いされる。それが嫌いだった。それ故の反応だ。
警官は人を悪人として取り扱うことを訓練されているので、コンビニエンスストアの店員と違い、間違っていても謝らない。折角のいい気分が台無しになる。そうしなと犯罪は防げないこともあるので、良い悪いの問題ではない。そうあるだけの話。

 私は酒と逃走でアドレナリン、ドーパミンが出まくり、大笑いしながら自転車を自宅から遠くへと走らしていた。
「最高だ」この一瞬のために人生がある。そんな気持ちだった。そして明日6時に起きて自転車ロードの練習へ向かう。凄いエネルギーだと思う。

映画を観る
 そんな若者の夏のエピソードから、今は体調不良で家に籠もる爺さん(68才)だ。つまらないね。
すこしはスカッとしたい。久しぶりにNetflixを観る。

1本目は「オデッセイ」
 事故で火星に1人残された男のサバイバル映画。
計算して、計画して、出来る事を積み上げる。私も常にそうして生きたいと思ったが、気性なのか多動なのか、なかなか上手くいかない。
でも、個人の計画にはパラメータが必ず入ってくる。それが大きく結果を動かす。つまりカオス理論がある。想定外が当たり前だ。

 そこを乗り切るのは運の要素もある。それと現場の判断が結果を左右する。人々との手助けもある。だから面白い。
ツールなどで勝った自転車ロードの選手が言う言葉がある。
「今日は俺の日だ」
ただ気になたのが、プロフェッショナルに日系が全く出てこない。そんな寂しさもあった。

次はアニメ Blue Giant
 音楽とアニメ、面白かった。バンドだけど、何でベースがいないのと思った。それは原作の漫画を読んでないからよく分からないけど、違和感は全く無かった。
ジャズは何枚かレコードは持っているけど、マニアではない。
フュージョン系は好きで、チックコリアの「リターン・トゥ・フォーエヴァー」は大好きなアルバムだ。

リターン・トゥ・フォーエヴァー

 今でも私は爺さんバンドの一員だけど、アニメのドラムの子と同じで自分の失敗に気づくと気が滅入る。特に私はテンポを取るのが苦手で、練習によりなんとかなっている。

 才能のある子は凄い、その子の若い頃の1年は、おっさんの10年分の時間と同じだと思っている。
信じられない熱量を好きなことに注ぎ込む。そして、一気に表舞台へ駆け上がる。でもオリンピックの若手選手と同じで、その後、苦難が始まる。
天才レーサー フレディ・スペンサーがいい例だ。

フレディ・スペンサー

 フレディ・スペンサーは、ルイジアナ州出身の元モーターサイクル・レーシングライダー。1983年ロードレース世界選手権(WGP)500ccクラスで、史上最年少チャンピオン。1985年には同じくWGPの500cc、250cc両クラスでシリーズチャンピオンを獲得した。

 この映画はその駆け上がる時の物語だった。枯れている私はその熱さで涙ぐんでしまう。
この歳になって、私は駄目だったという後悔もある。

時折、主人公の顔が「岳の三歩」とダブル。

 こんな感じで夜は更けていくが、ノー・クーラーで過ごしていると身には、気温30度が涼しく感じる。大好きな鈴木茂さんの曲を聴いてほしいので、リンクする。


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