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文化を楽しむ(847文字)

先週末は、一日で様々な文化に触れた。

大学の公開講座で江戸時代を背景とする社会制度の講義を聞き、東京ジャーミイでイスラム文化を体感し、旧前田家本邸洋館(トップ画像)で昭和初期の生活を垣間見た。

史実の物語に驚きや畏敬の念を感じる。

異国の、それも訪れたことのない国の食べ物を目の前に、食生活の違いに興味を持ち、或いは同じような菓子を食べていることに共感を覚える。

ヒジャブ(スカーフ)で髪を覆ってモスクのステンドグラスを見上げれば、気分はイスラム世界に浸る。

また、ひと昔前の生活空間に足を踏み入れて、現代の家族と同じように当時もまた家族団欒の時を楽しんでいたのだろうと想像する。

しかし、建築様式や調度品が違うように、団欒のトピックや考え方もまた昭和初期と令和では全然違ったであろうことを思えば、たとえ同じルーツを待つ日本人同士であっても、彼らは現代社会とは異なる世界に生きていたことを思い出す。当時の人から見れば、現代の生活スタイルは驚愕の世界。インターネット、携帯電話、リモート勤務…想像などできない突拍子もない未来図に違いない。

逆に現代では、幸いにも様々な時代の文化やまた他国の文化も含め、いろいろな生活スタイルや習慣を知り得る。見たり、聞いたり、触れたり、感じることもできる。そうして、自身の趣向に合ったスタイルを見つけたら、さらに望むのであれば、自分の生活の中に部分的に取り入れることも出来る。食生活に取り入れたり、インテリアとして飾ったり、ファッションにも活かせるかもしれない。そんな風に生活に変化をつけたり豊かにして楽しむのも良いな、と思いながら帰路についた。

その帰り道、住宅街の一角にある小さな公園で、小さな子どもたちがかくれんぼをして遊んでいた。10まで数えながら大きな木におでこを付けて目を覆っている。そんな姿を見ていると、昭和の時代と変わらない子どもたちの遊びがとても微笑ましく思えた。

異文化を取り入れる楽しみと数十年前から変わらない素朴な文化のノスタルジー。どちらも大切にしたい。


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