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#好きな邦画とりあえず9本

Twitterトレンドハッシュタグ「#好きな邦画とりあえず9本」に便乗して考えてみました。

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メランコリック

名門大学を卒業したがさえない毎日を過ごしていた和彦(皆川暢二)は、ある夜偶然訪れた銭湯で高校の同級生・百合と再会する。そこでアルバイトを始めた和彦は、その銭湯が営業を終えた後、風呂場を「人を殺す場所」として貸し出していることを知る。そして同僚の松本(磯崎義知)は殺し屋だった。

キャラクター全員最高&リアルとフィクションのさじ加減最高。ありえない、本当にありそう、の応酬。不穏な湿度高めなのに湯あがりの爽快感もある、舞台が銭湯だけにね!金髪でつよい松本君かっこよかったです。

誰も知らない

1988年に実際に起きた事件をモチーフに、母親に捨てられた4人の幼い兄妹の姿を描く。四季を通して兄妹たちを静かに見つめていく独自の手法。そのドキュメンタリー・タッチの映像は、瑞々しくも痛切に彼らの心情を浮き彫りにする。

主演が当時14歳の柳楽優弥さんで、台詞少なめなのに表情のパワーが凄いです。そして母親役のYOUさんがまた素晴らしい。ニュースを表面だけみると当然最低の母親なんですが子どもたちからしたら『だいすきなおかあさん』そのもの。それをすごく自然に演じられていました。

たそがれ清兵衛

井口清兵衛は幕末の庄内、海坂藩の平侍。妻を病気で亡くし、二人の娘と老母の3人を養っている。生活は苦しく、下城の太鼓が鳴ると付き合いは断ってすぐ帰宅し、家事と内職に励む毎日。そんな清兵衛を同僚たちは“たそがれ清兵衛”と陰で呼んでいた。ある日、清兵衛は幼馴染みの朋江と再会する。

派手な幕末舞台の映画はたくさんありますがこれは平たく言うと「地味」、丁寧に日々を暮らしている侍の話です。特に宮沢りえさん演じる朋江が、控えめなんだけど清兵衛のことを深く案じている様が素晴らしいです。藤沢周平原作、山田洋次監督。

この世界の片隅に

1944年広島。18歳のすずは、顔も見たことのない若者と結婚し、生まれ育った江波から20キロメートル離れた呉へとやって来る。それまで得意な絵を描いてばかりだった彼女は、一転して一家を支える主婦に。創意工夫を凝らしながら食糧難を乗り越え、毎日の食卓を作り出す。やがて戦争は激しくなり、日本海軍の要となっている呉はアメリカ軍によるすさまじい空襲にさらされ、数多くの軍艦が燃え上がり、町並みも破壊されていく。そんな状況でも懸命に生きていくすずだったが、ついに1945年8月を迎える。

こうの史代さんの漫画をアニメ映画化した作品なのですが、原作の絵の雰囲気を大事に作っている感じが良かったです。そして主人公すずさんの声を女優ののんさんが演じているのですがこれまた最高のキャスティング。一見のんびりしたキャラクターだけど戦争に翻弄される日々を懸命に生きる芯の強さが垣間見えます。国同士の殺し合いじゃなく、生活としての戦争が描かれていて、終戦記念日にはこの映画をみんなに観てほしいと思いました。

海街Diary

湘南を舞台に、異母妹を迎えて4人となった姉妹の共同生活を通し、家族の絆を描く。鎌倉に暮らす長女・幸、次女・佳乃、三女・千佳の香田家3姉妹のもとに、15年前に家を出ていった父の訃報が届く。葬儀に出席するため山形へ赴いた3人は、そこで異母妹となる14歳の少女すずと対面。父が亡くなり身寄りのいなくなってしまったすずだが、葬儀の場でも毅然と立ち振る舞い、そんな彼女の姿を見た幸は、すずに鎌倉で一緒に暮らそうと提案する。

吉田秋生さん原作の漫画が好きで、しっかり者の長女・幸役を綾瀬はるかさんが演じると知った時は、綾瀬さんに勝手にほんわかしたイメージを持っていたので「大丈夫かな?」と不安になっていましたが杞憂でした。(すずはもう少しボーイッシュでいてほしかったですが…)

天空の城ラピュタ

ジョナサン・スウィフトの「ガリヴァー旅行記」に登場する天空の島、ラピュタを題材に、宮崎駿が監督、脚本を手がけた、スタジオジブリの劇場用アニメーション作品。鉱山町で、見習い機械工として働く少年パズーは、ある日、空から降ってきた不思議な少女シータと出会う。2人は、シータの身に着けていた不思議な「飛行石」を狙う様々な陰謀に巻き込まれていく。

初めて観た時から何十回と観てきて、これからもおそらく最多で観ると思う作品。好きなシーンを上げたらきりがないです。冒険活劇の集大成!

Dolls

北野武監督第10作。近松門左衛門の人形浄瑠璃「冥途の飛脚」の舞台で幕を開け、その舞台で死への旅に出る男女の人形が、観客を3つの愛の物語へと誘っていく。監督は「日本の四季」を描くことをも構想、撮影は北野組の常連で、近年では「バトル・ロワイアル」「GO」を手がけた柳島克巳が担当。音楽も北野組の久石譲。衣装はヨウジヤマモト。

自分でも選んだのが意外だった作品。北野武監督作品はキッズリターンも好きですがこちらは菅野美穂さんが歩く画面がとにかく美しく、じんわり惹かれました。100組の2人が居たら100通りの形があって、200通りの想いがあると思うんです。

ピンポン

松本大洋の同名人気コミックを、ジェームズ・キャメロンのデジタルドメインで「タイタニック」のVFXに参加した曽利文彦監督が映画化。脚本は「GO」の宮藤官九郎。小学校のガキ大将ペコは、得意の卓球をいじめられっ子スマイルに教える。が、高校入学初の全国大会で、スマイルは勝ち進むが、ペコは幼なじみのアクマに負けて大ショック。優勝は名門校の主将、ドラゴンに。彼らそれぞれの1年間の後、次の大会がやってくる。

キャスティング最高。しかも、ビジュアルを限りなく原作に近づけていて、迫力ある卓球シーンとかタムラ卓球場の再現度とか、原作への真摯な本気度を感じる実写化でした。SUPERCAR の音楽も見事にマッチしていました。

9souls

世間から隔絶された、とある刑務所。その13号室には様々な経歴や犯罪歴を持った9人の男たちがいた。そんな彼らは、ある日、ひょんなことから娑婆への抜け穴を発見、脱走に成功する。山中で車を乗っ取った9人は、以前同部屋だった自称元偽札王の山本が“通っていた小学校に大金を埋めた”と13号室を去る時に話していたことを思い出し、その小学校へと車を走らせた。こうして、9人の自由へ向けての旅が始まるが…。

脱獄囚のロードムービー。見届けたくなる映画。とにかく全員むちゃくちゃなんだけど9人それぞれがただ単に会いたい人がいて行きたいところがあって、そこに向かうためにつっぱしるみたいなのはどういう人間でもグッとくると思います。

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好きな邦画「とりあえず」9本とあって、Twitterに書いた時は順当だと思っていてもこうやってリンクやあらすじを調べたりしながらじっくり書いてみると自分でも意外な作品を書いていたなと思いました。こういうのは書いたその時から刻一刻と変わっていくものなので今改めて9本挙げるとなると少しずつ違うのかも知れません。ラピュタは不動ですが。

他にもあとから出てきたのは「怒り」「ジョゼと虎と魚たち」「リング」「嫌われ松子の一生」「転々」「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」など。これらについてもそのうち書いてみたいです。
あと、なんとなくですが劇場で観た作品のほうがより記憶に残っているかも(全部ではないけど)。「メランコリック」なんかは劇場に観に行ってよかった~と思いました。やっぱり劇場で観ると没入出来て良いと思います。邦画に限らず、ちょっと気になった作品があったらたまには思い切って劇場で観てみてください!

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