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<自分>を知りたい君たちへ 読書の壁 を読んで読書論について再び思索する

久しぶりに書評に戻りたいと思います。

以前読書論の著作を数冊読んでから、やっぱり色々と気になります。

読書論。

人によって、読書の捉え方が違います。その人の学問的なバックグラウンドとか、それ以外の経験とかが関係しているように思います。
読書論に関する著作を読んでいると、それ自身がその人の人となりを見るようで面白いのと、ふと自分の読書の姿勢にヒントがあるのではないかな、という感じで読んでしまいます。

では今回の著作を紹介しますね。

また、読書ノートからの引用になりますので、恒例の凡例をお示ししておきますね。

・;キーワード
→;全文から導き出されること
※;引用
☆;小理屈野郎自身が考えたこと

まずは書籍のメタ情報を

書名 <自分>を知りたい君たちへ 読書の壁
読書開始日 2022/03/29 12:43
読了日 2022/03/31 09:01

概略・購入の経緯は?

養老氏の読書論の話かなと思って購入。
どうやら氏が毎日新聞の書評欄に寄せた記事のより抜き版らしい。

「書評をどう書くかは、根本的にはその本と自分との距離をどうとるか」

「本を出しにして自分の意見を書くのが一番いけない」

と言うモットーで書いたとのこと。
氏の本との距離を見てみながら読んでいくことにしようと思う。

本の対象読者は?

読書のネタ本を探している人
養老氏の考え方を学びたい人

著者の考えはどのようなものか?

常にいい意味で批判的。これは筆者の特徴でもあるようです。

その上で自分の意見をしっかりと持ってらっしゃると思います。

その考えにどのような印象を持ったか?

本を読みこなしているなあと思いました。【僭越ながら】
一冊一冊を丁寧に読んでいるのではないか?と感じました。

今回は、書評を使って自分の意見を表に出さない、と言うスタンスを堅持されていたので、あまり、このあたりになるほどと思うことはかけていません。

印象に残ったフレーズやセンテンスは何か?

一番気になったのは以下の点です。

「ネット・バカ インターネットが私たちの脳にしていること」
に書いていることが非常に刺さりました。

※ネットを常用していると深い読みが出来なくなる
※脳の回路と機能を協力かつ急速に変化させる刺激とは、まさにネットが供給する刺激
※ネット使用者の脳は、読書の時よりも広範に活動している。(中略)高齢者は歩くときにもw会費とより大脳をよく使っている。筋が弱って、従来の動きではうまくいかないから、頭を使わざるをえない。それで上手に歩けるとかと言えば、そうではない

→☆脳をよく使うといっても必ずしもいいわけではないと言うこと。いかにいい意味でよく使えるか、と言う指向で考えるが必要ある

※ネットを使うと、決定や問題解決を行う前頭前野がよく活動する。所がそのこと自体が、今度は深い読みなど、集中を持続する必要のある機能の邪魔になってしまう。読書は脳をネットより少なく刺激する。「注意散漫を除去し、前頭前野の問題解決機能を鎮める」から、「熟練した読書家の頭脳は落ち着いた頭脳であり、騒々しい頭脳ではない」。むしろ「より多くの情報はより少ない指向活動につながる」可能性がある。

→☆「スマホ脳」などの著作でも言われていること。それを読書と絡めているところが新しいと考える。

このあたりは、ある程度前知識があるのでまだまだ「なるほど」と思いながら読んでいました。

思わず頭を抱える

しかし以下の文章を読んで思わず、頭を抱えてしまいました

※「コンピュータに記憶を預ける」、アウトソーシングするというのは、よく言われる。しかしこれは記憶と脳の機構を知れば成り立たないと分かる。我々の記憶と、コンピュータに蓄積されるデータは違うに決まっている。記憶は変化する脳にあわせて絶えず変化している。

→☆Evernoteを利用した読書ノートを正面切って否定されたような気がしました。

そして、しばし思索にくれました。

現在の小理屈野郎の読書の仕方が情報過多に当たるのだろうか?とか読書ノートを付けていてもほぼ役に立たないのだろうか?とか思索してみました。
記憶は変化する脳にあわせて絶えず変化をしているとのことですが、小理屈野郎の読書ノートは、参照する回数がここのところ増えています。そして、Evernoteの強力な検索機能もあって、ちょっとしたキーワードを入れると、それで思わぬものも引っかかってきてセレンディピティが起こりそうな感じも受けています
確かに違うかも知れないけど、助けにはなるだろうと考えるに至りました
そして、情報過多の面からも、いったん読了をしてから、読書ノートを作成することによって内容をその時点でできる限りの整理をしてつくっています。
そして、ハイライトについては少しでも引っかかることをすべてハイライトしています(いつも結構な量になり、まとめをつくるのに難儀することもあります)。こうすることによってEvernoteの強力な検索機能を将来役立てようという魂胆です。
そう考えると、思っているほど(氏が言っているほど)悪くはないのかも知れない
と考えました。
そう思って続けていこうと思いました。

類書との違いはどこか

読書のネタ本だが、理系の著者故に普通の選書とはひと味違うところ

関連する情報は何かあるか

デジタルとの付き合いかた
社会学的な考え方

この本はどんな心理状況やシチュエーションの時に読むと刺さるか?

ネタに困ったとき
ちょっと気分転換したいとき

まとめ

読書論もあるかと思ったのだが、氏の書評のより抜きであり、読書する本のネタ本、という感じだでした。

著者の自分の読書に対するスタンスは非常に堅牢な感じを受けました。
紹介された著作は何冊か購入し、何冊かはこれから購入するつもりとしました。

読了後紹介されていた本の中で購入した本

・理不尽な進化
・「奇跡の自然」の守りかた
・言語が違え世界も違って見えるわけ
・ご先祖様ははどちら様

今後

・6度目のの大絶滅
・ネット・バカ インターネットが私たちの脳にしていること
・計算する生命
・文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの
・地球を斬る
・朔する思考
・脳は回復する 高次脳機能障害からの脱出
・脳科学者の母が、認知症になる 記憶を失うとその人は「その人」でなくなるのか?

を読んでみたいと思いました。

今後購入したい本はほとんどすべてが電子書籍化されていない本です。
この頃、電子書籍化されていない本を読んでみたいな、と思うことが多いです。
読書の範囲が広がっているのかも知れません。
ただし、紙媒体は目が疲れるので…
電子化されるのを少し待ってみようと思います。

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