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新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか を読んでコロナ禍の向こうに見えるものを考えてみた

前回のnote記事ではコロナ禍で得たものや失ったものについて思索してみました。
ちょうどこれを終えるか終えないかの頃から読み出した著作があまりにドストライクな感じの内容でしたので、今回はその著書の書評をあげることにしました。

感想

概略

峰氏の著作は、以前「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」を読んだ。

これは非常に良くまとまっていて、他のワクチンの知識を得ることもできた。

今回は続編だと思われる。
日経ビジネスの書籍広告にあったので購入してみた。

読了後の考察

思っていたより内容は哲学的なものだった。
今までのワクチンと免疫については前著で触れたところより少しアップデートされた程度だったと思う。
しかし後半(特に最後3分の1ぐらい)については、科学に対してどう向き合うか、意思決定は個人個人でどのように行っていくべきか、ということについて非常に詳細に描写されている。
そういう意味でこの本は非常に示唆的だったと思う。
また、インターネットやコロナ禍で科学界がどのように変遷してきているかについても研究者の目線で非常に冷静に描写している。その内容ついては個人的にはかなり驚いた。
今後も健全に疑い続ける姿勢をもって、事実を冷徹に捉えていきたい。

質問1 購入の経緯は?

峰氏の著作は、以前「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」を読んだ。
これは非常に良くまとまっていて、他のワクチンの知識を得ることもできた。
今回は続編だと思われる。
日経ビジネスの書籍広告にあったので購入してみた。

質問2 本の対象読者は?

コロナワクチンやその免疫について知りたい人(その場合は前著を先に読んでいると非常に理解は良くなると思われる)
どのようにすれば、納得のいく意思決定ができるか(個人レベルで)と言うことについて考えている人

質問3 著者の考えはどのようなものか?

最後の方に著者の考えは凝縮されていると思う。

・(新分野の勉強の仕方について)
※一人ではなくて複数の専門家を支えにしつつ勉強もすると言うことが専門分野ではない世界に行く際の心得

→☆よく考えてみると個人にとって新分野の勉強を行うときにあまりに丸腰に近い状態ではないかと言うことに気づいた。
勉強をするに際しても、そもそもどのような状況で始めていくべきか、ということについても目配りが必要だと言うことと考える。

・(コロナ対策について)
※結局、それぞれの国は、それぞれの国にあったやり方しかできない
※各国でできる最大限の努力をやる。もし勝ち負けがあるとしたら、それがやれたかどうか。比べるなら、そもそも比較可能性があるかどうか。

→☆各国の状況が千差万別になっている前提を無視した論調が多いような気がする。
これはそもそも理論が成り立たないと言うことを示していると思う。

・※先行き不明なことに対しては、えいやっと果断に行動するよりも、「いろいろと試して、ダメならすぐに止めて、うまくいったら続ける」という、お風呂の湯加減を入りながら調整するみたいな感じで、厚すぎたらぬるく、ぬるすぎたら厚く、ある意味さえない、地道な対応策が一番現実的に効果が大きいのではないか

→☆小さく踏み出すことは、経営についても昨今言及されていることが多い。これだけ不確実なことが多い世の中だから、少しずつ前進する方が世の中にはあってきているのかも知れない。

・※人が科学的・客観的な思考を忘れ思い込みで判断したり、社会の空気に押されて物事を進めたりすると、大変なことになる、という事実はいつの時代も変わらない。

→☆文明が進んでもリテラシーの問題は常にあると言うこと。時代に即したリテラシーが必要。ただしここ10年ぐらいでそのリテラシーのレベルは格段に上がっているのではないかと思う。

・※ニセ科学は「物わかりがよくて、あなたの思うことをすべて肯定してくれる人」で、科学は「聴きたくない本当のことを突きつけてくる人」

→☆これも納得。だから易きに流れるとろくなことが起こらないと言うこと。

・※勇気と知識を持って、個々人がそこに立ち向かう必要がある(中略)個々人のリテラシーを高めて、優樹と知識を持った人を増やすことに成功した国が、次世代の世界のリーダーになっていくだろう。

→☆これを達成するには、個々人の努力が必要。国家や政府などが強制してできるものではない。しっかりと考えられる人を作っていける(自分でなっていける)様にしたい。

・※とにかく答えを、と思うところで踏みとどまれることが知的な強さの第一歩。

→☆結論を急いでしまうとどうしても個人的な思惑が入ったりしてしまう。そのようなものを排除して、本当に科学的に正しいことに近づく努力が必要だと言うこと。

※情報をまっとうに利用できる人が多い社会を構築する、そのための重要な第一歩は、やはり情報発信者の態度であり誠実さである。

→健全な議論がなければ答えは得られないと言うこと。

質問4 その考えにどのような印象を持ったか?

すべてに共通していることは、「立ち止まって、理論的に正しいと思われる情報なるべく得た上で考えること」と感じた。
今の世の中情報もわんさか降ってくるし、すぐに答えを求められることも多い。それに反応するように対応するのではなく、一度立ち止まって、(ゆっくりとは言わないが)それなりに理論的な思考をして、どう対応するか、ということを考えていく必要があるのではないかと思った。

また、インターネットの世の中になって、科学セクターのアカデミアもかなり変化していることに愕然とさせられた。
このあたりについては著書を一読されることをお勧めします

現在の科学セクターではしっかりとした考え方を持たずにとりあえず情報を降らせる、という感じになっているところに驚愕を覚えた。

質問5 印象に残ったフレーズやセンテンスは何か?

※「ガリレオが権威に逆らったからと言って、権威に逆らうものが必ずしもガリレオではない」

※本当の専門家はTwitterで議論していない

→☆元々Twitterは議論する場としては適当ではないと言うことが言われている。それにも気づかず議論をしている段でアウト、ということか。

※デマを含むこうした不適切な情報は一体、どういう人が同意味目的で作っているのでしょうか。同期については、内部驚異などを分析する際に用いられるMICEモデルなどがかなり良く適用できる
M;マネー。金銭的動機。
I;イデオロギー、党派性など。
C;compromise。妥協、自分の過去の発言やスタンスとの整合性を保ち立ちたいという衝動。
E;エゴ。目立ちたい、認めてもらいたい、という気持ち。

そのほかにも色々とありました。

質問6 類書との違いはどこか

ワクチンや免疫のことだけではなく、その周辺にある学会であるとか、その中での考え方にまで踏み込んでいるところ。

質問7 関連する情報は何かあるか

良書が、本文中やまとめページに端的にまとめてある。

まとめ

今のところ日本のコロナ政策や対策についてはかなりいい線行っているのではないかなと思った。
ニュージーランドに遠い親戚が住んでいるのですが、彼女に聞くところによれば、ワクチン接種が義務化されているとのことです。さらにちょっと感染者が出たらすぐにロックダウン。国情と合っているのかも知れないが、個人的にはこれでは少し耐えられないのではないかと思う。
日本はすべて要請ベースでなんとかここまで踏みとどまっている。コロナ感染症のアドバイザリーボードの方々の姿勢が良かったことと、国民の勤勉さによるたまものだと思う。
このコロナ禍では、残念ながら犠牲者が出ることは必死の様相だ。その中で臍を噬む人が少しでも少なくなるように、自分の知識をアップデートさせたり考えたりしていきたい。

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