初めて扶養に入る方が注意してほしい話4選

こんにちは。
社会保険労務士の渋谷です。

結婚、妊娠、出産、育児…

様々ある人生の大きなイベント。
すごく幸せな気持ちになる反面、女子たちにとっては、自分のこれからの働き方について悩むタイミングともなってきます。

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その1つの選択肢としてあるのが「旦那さんの扶養に入るような働き方」
もし働く時間を短くしたり、専業主婦となった場合、収入も減ってしまいますが、旦那さんの扶養に入ると、旦那さんの所得税等が安くなったり(税法上の扶養)、社会保険料を自分で払わなくてよくなったり(社会保険上の扶養)と、金銭的なメリットが出てきます。

このような働き方を検討している方も多いのではないでしょうか?

ですが、扶養についての話の中には、意外に知られていない内容も多いんです!!
そこで今回は、特に「社会保険上の扶養に入る」に着目し、初めて扶養に入るみなさんに、ぜひ掴んでおいていただきたい話を4つ、お伝えします!


そもそも「社会保険上の扶養に入る」ってどういうことなの?

社会保険上の扶養に入ると、自分で社会保険料の支払いをすることなく旦那さんの加入する健康保険制度の一定のサービスを受けられるようになります。(病院の窓口での支払いが3割の負担で済むなど)
また、国民年金の保険料も旦那さんの加入している年金制度先が負担してくれるため、自分で支払う必要がなくなります。
ちなみに扶養者になるためには旦那さんが会社員や公務員であることが必要です。
例えば、旦那さんが自営業をしている場合などは扶養者になることはできませんのでご注意ください。


扶養に入る前に知っておくべき注意点って?

1⃣年収130万円を超える「見込み」になると扶養に入れない!
「130万円の壁」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
社会保険上の扶養に入る要件の1つとして「年収が130万円未満であること」というものがあり、年収が130万円を超える見込みとなると扶養から外れてしまうこととなります。
この「見込み」という点に注意が必要です!
つまり、「実際に130万円を超えていなくても、このままいけば超えそう」であれば、扶養から外れるという判断がなされるということになるわけです。

例えば新しく就職をし、月収が20万円であるとします。
実際に年収が130万を超えるのは7ケ月後ですよね?
けれど、月収が20万円であるということは、12ヶ月で換算すると240万円となります。
ですので、月収20万円で働くと年収は130万円を超える見込みであると判断されることとなります。
よって、旦那さんの扶養からは外れるのは7ケ月後ではなく、働きだした時点ということになるのです。

2⃣会社の規模が大きいと「130万円の壁」ではなくなる!
次の①~⑤にすべて当てはまるという方は年収が130万円未満であったとしても社会保険に自分で加入する必要が出てきます。

①週の所定労働時間が20時間以上
②雇用期間が1年以上見込まれる
③賃金月額が8万8千円以上
④学生ではない
⑤社会保険に加入している従業員が常時501人以上の企業に勤めている

③の要件より、106万円の壁とも呼ばれたりしていますよね。
(8万8千円×12ヶ月=約106万円のため)
ですので、大きな事業所へ就職を考えていたり、すでに働いている方などは
社会保険の加入要件が変わりますのでご注意ください。

3⃣失業保険をもらうと扶養から外れることも!
失業保険とは、正式には雇用保険の「基本手当」のことを指します。
雇用保険に加入していた方が会社を退職した後、再就職するまでの間に支給される手当のことで、きっとご存じの方も多いのではないかと思います。
しかし、この手当、扶養に入る要件である「130万円」に含まれるんです!
つまり、基本手当によって130万円を超える見込みとなってしまうと、扶養者に該当しないという判断がなされるのです。

ではどのように考えるのか?
130万円を360日で割ると約3,612円となります。
ですので、基本手当として支給される日額が3,612円以上になると、年収が130万円を超える見込みであると判断され、社会保険の扶養から外れる必要が出てくるというわけです。
社会保険の扶養から外れると、ご自身で国民健康保険や国民年金の保険料を支払うことになりますが、もしこの点が抜けていると、シミュレーションしていた金額が手元に残らないということにもつながります。
ある程度の年収があり、これから会社を退職する方がいらっしゃればご注意ください。

4⃣産休中の手当ては支給されない!
産休期間(※)に会社を休み、その間給与の支払いを十分に受けられなかった時には「出産手当金」というお金が支給されます。
産休期間:出産の日(実際の出産が予定日後のときは出産予定日)より42日前(多胎妊娠の場合98日)から出産の翌日より後の56日目までの期間をいいます。

ですので、出産のために会社を休んでいる間も一定の補助が受けられるわけですが、この制度、扶養に入ると受けられなくなってしまうんです。
ちなみに、産休の後には「育児休業期間」を迎えることになるかと思いますが、こちらは扶養に入っていたとしても、ご自身で雇用保険に加入していれば対象となります。

いかがだったでしょうか?
今回は扶養について特にお伝えしたい内容として4つお話させていただきました。
ぜひ、皆さんのこれからの働き方についてご検討される際の参考にしていただければと思います。

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