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プロダクトマネージャーを通じて、新規プロダクトの立ち上げ失敗を振り返る

お久しぶりです。
心機一転ゼロスタートでこの3年間色々な経験を積みました。プロダクトマネージャーになり、新規事業の立ち上げにトライ。そして、

2024年1月、新規事業の立ち上げに失敗しました。
本気で頑張っていたので、心苦しい結果でした。この1年間は、ほとんどの時間を仕事に費やした。ほぼ毎日24時まで働いた。でも結果はダメでした。いろんな人に迷惑をかける結果となった。

今回は、そんな失敗を振り返り、今後に活かすために書きまとめる。

<noteの内容>
2023年にプロダクトマネージャーとして1年間、新規事業の立ち上げにチャレンジしたが、結果的に失敗に終わった。
その経験と失敗からの学びをまとめる


まず、自分のこれまでの経歴とこの3年間の流れを簡単にまとめる。

  •  2021年7月〜:Web制作のデザイナー兼エンジニアとして参画

  •  2022年3月〜2023年2月:PO(プロダクトオーナー)

  •  2023年3月〜5月:PM(プロダクトマネージャー)

  •  2023年5月〜2024年1月:事業部マネージャー+PM(プロダクトマネージャー)




1.  動く前にissueを見極めないと、自分の首を絞める結果が待っている。

既存事業(2つ)+新規事業立ち上げ(1つ)が同時にきた

ちょうどプロダクト事業部マネージャーに就任したタイミングで、既存事業(プロダクト2つ)と新規事業(プロダクト新規開発1件)の計3件の管理を同時に託された。

プロダクト①:運用中でこれからスケール
プロダクト②:運用中で方針は未定状態
プロダクト③:新規立ち上げ

※ちなみにここでいうプロダクトはSaaSサービス。publicなので一応伏せておく。


振り返ってみれば、プロダクト2つを管理しつつ新規事業の立ち上げミッションは無理難題ではあったが、当時の自分は託されたことを兎に角やらねばと必死でした。

結果的に、前半は既存プロダクト①へのリソースが多くなり、調整に2ヶ月ほどかかって新規事業へのフル参入が遅れてしまった。

この時も後にも、issueの見極めは大事だと痛感。
ステークホルダーからの最重要ミッションは、間違いなく「プロダクト③:新規立ち上げ」であったはず。

そのissueを見極められず、とにかく動き始めてしまったことが失敗要因の一つになっている。

「託されている責務は何なのか」をこの時にしっかりと見極めることができていれば、プロダクト①②は他事業部や別の責任者が管理するという選択もあっただろうし、最重要ミッションに対してもっと早いスタートはきれていたはずだ。

『できませんはNGだが、なんでもやりますもNG。』

鼻から拒絶や突っぱねることは信頼やチャンスを失ってしまうだが、できないものをやりますと請け負った結果「やっぱりダメでした」は、さらに信頼と期待を失い、今後のチャンスも失ってしまう。

降ってくるタスクに対しては、実直にそのまま動き始めるのではなく、一度そのissueに対してしっかりと考察し、解を出すことが重要。犬の道に踏み込んではならない、はまさにこれだ(犬の道で調べて)

上から降ってくるタスクは必ずしも正解ではないので、しっかりと意見を伝えて議論を繰り返すことが重要である。

承諾して動き出した瞬間に、対する成果を求められる。
動く前の整理を疎かにすると、自分の首を絞めてしまう結果が待っている。

<過去に戻れるなら>

  • 新しい組織体制についてリソースを一度整理する

  • 既存事業と新規事業の棲み分けを役員に相談し再調整してもらう

  • まずは認識合わせやディスカッションに時間をつかう


2.  未経験だからこそ、知らないことを積極的に質問する姿勢を持つべき

「未経験だった」は言い訳にすぎないが、未経験だったからこそ実行すべきアクションはたくさんあったと反省できる。

弊社では、PMFしたプロダクトが1つあり、それを立ち上げたのは実質CTO一人である。

既に自社で持っている事例や社内ノウハウを、最大限に活用すべきだった。なぜ、この時に質問や助けを求めなかったのか。ターニングポイントはまさにここにあった気もする。

「知らない=恥ずかしい」という意識があったのか、自分のタスクに必死だったのか、手を動かす前にまず考えることができなかった。求められているプロダクトの全貌は見えていたので、とにかく作り始めることからスタートしてしまった。(これも犬の道である)

(今だから言えるのだが)
この時にCTOに相談して徹底的にディスカッションしていれば、結果が変わっていたかもしれない。

「知らないことを質問する」のは、恥ずかしいことではないし、むしろ「知らないことを知ってる風にする」ことの方が問題である。

ただし、これは現場にかかわらず、上司や役員視点でもしもこの状態が目に見えているのであれば、それは積極的に手を差し伸べる姿勢が必要だとも考えられる。

<過去に戻れるなら>

  • 手を動かすことから始めない

  • 必要な人と徹底的にディスカッションする


3.  「既存事業」と「新規事業」の違いを理解する

今回の失敗は、ここが一番大きい要因だったと感じている。
「既存事業」の運用を経験していたので、すでにあるものを見本に「新規事業」を作ってしまったこと。

「既存事業」の真似をするのではなく、
「新規事業」の立ち上げ経験を真似ることが正解だった。

既存事業のプロダクトを見ていたので、まずはそれを真似ようと作り始めることからスタートしてしまった。その結果、エンジニアのアサインを最優先にし、一番コストのかかるエンジニアを多く長く抱えてしまった。

リーンスタートアップで意識すべきは最小限の検証をひたすらに繰り返すことであり、組織やものづくりをすることではない。

新規事業に必要な体制は今となって考えてみれば、自分含め「2〜3人」で十分だったかもしれない。そうなれば残りの2人は、最適な人員をアサインできただろう。

・PM(ひたすらに仮説検証)
・開発(プロトタイプ作る)
・マーケ(PMサポートやマーケ開拓)


「開発」から始めてしまったのが、最大の失敗だと言える

新規事業の立ち上げに必要なのは、仮説検証であり、PMとマーケがいればすぐにスタートできる。むしろPMだけでもできるだろう。マーケやサポートが1人いれば手数も2倍に増える。
そこにプラスして、プロトタイプ制作の開発メンバーがいれば、十分に検証を回せたはずだ。

まずはモノを作って、売っていこう。
この考えが新規事業の立ち上げにとっては最大の失敗だったと言える。

誤った進め方)PM→開発→マーケ→検証
正しい進め方)PM&マーケ→検証→開発

<過去に戻れるなら>

  • 初期の開発は最小限にとどめる

  • 初期から仮説検証の数を増やしニーズを見極める


4.  組織改編で発生する兼任の課題

私自身、中間管理職ポジが初めてだったが、経営者層の決定や意向を理解し、実行部隊である現場のメンバーをまとめることは、振り返れば結構大変だった。

責任者の焦りとして「早く結果を出さなければ」という意識が強く、最初のチームビルディングを疎かにしてしまったところがある。

今回は、既存事業(2つ)と新規事業(1つ)をまとめるところから始まったので、関係性が既に構築されている既存メンバーから新規事業のチームビルディングをしようと考え動いてしまった。

結果的に「兼任」「不適切なポジション」を作ってしまった。

例えば、関係性を作れているからといって「デザイナー」に「広報」の業務をお願いしていたり、マーケターじゃ無い人にマーケティングをお願いしていたりしていた。

前段の「最小限の検証に必要な人員」を考えれば、既存事業はそのまま据え置きとして新規事業との兼務は避け、新規事業に100%コミットできる人員を採用してチームビルディングすべきだったかもしれない。

<過去に戻れるなら>

  • 既存事業と新規事業で人員は棲み分ける

  • 新規事業メンバーに兼任はさせない


5.  成功にはKPIが必要不可欠

新規事業立ち上げのプロダクトは結果的に半年で3回ピポットした。
その度にKPIを設定すべきだったが、不明確なまま事業を動かしてしまった。ここは、今回の失敗で最も大きいポイントの1つになるだろう。

PMである自分は、KPIや成果にコミットするのではなく、検証の作業やチームを動かすこと・サポートすること、いわゆる業務の効率化をメインに対応してしまった。

本来、PMである自分が注力するべきは、目標や仮説を定めそのKPIをしっかりと追うことだった。

成果を貪欲に追っていれば結果が変わっていただろう。ここは自分に足りないスキルなので、今後しっかりと培っていかなければいけない。

  • 意見を言えない

  • 成果を生めない

リーダーになれない要素としてこの2つがあるのだが、まさにそこに該当してしまっていると感じる。

後半は、自信の無さから重要な会議で意見を言えなくなってきた傾向にある。不確定要素が強いことをずっとやっているので、自分の中で徐々に整理ができないようになり、根拠が固まらず、徐々に意見ができなくなってしまった。

結果、抽象的な会話が増え、相手に具体的な内容をイメージさせることができなかった。

最後の打ち合わせでは、存続と廃止の2つの選択肢がまだ存在してたが、結果「廃止」となってしまった理由はまさにここが強いだろう。

成果を生めない原因は、これまでの会話でも出してきたが、「新規事業立ち上げでやるべきことの理解」「KPI」につきると思う。この理解度の低さや行動力の弱さが、今回の結果につながってしまった。


<過去に戻れるなら>

  • 検証に対してKPIをこまめに設定する

  • KPIを基準に検証をスピーディーに切り替える


プロダクトやサービスは無料で売るな。

プロダクトを無料公開したまま4ヶ月が経ってしまった。
有料でやるからこそお客さんの本音や成果がついてくる。
仮にこの時に有料プランを設けていれば、売上から成長推移が測れ継続という選択肢が産まれたかもしれない。


6.  統合的に、
ステークホルダーからみた評価はおそらくこう

  • 高コストが長く続き成果を出せていない
      スタートアップの理解と実行力不足、チームビルディングの優先度のミスが原因

  • 仮説検証に時間をかけすぎ&手数が少ない
      「既存事業」と「新規事業」の手法の違いを理解できていなかったことが原因

  • 成果にコミットできている兆しが見えていなかった
     → 
    的確なKPIが定められておらず数字じゃなく抽象的な報告が続いたことにより、具体化した共有ができなかったことが原因

上記3つの意識や舵取りをできていなかったために、自分自身の整理も追いつかずプロダクトが迷走し、PMとしてプロダクトを成功に導けずに失敗した。


▼ CEOからのフィードバック

  • 仮説検証の動きは間違っていなかった

  • 検証が外れた時の修正が上手く機能していなかった

  • でも他の事業部の検証にもつながった

  • 日本市場でニーズを探ってPMFすることの難しさは今後もうちの課題として残るし、解決していきたいところ

    • 弊社ではこの検証をしっかり回したのは今回が初だった

    • ナイストライだったよくやってくれた(優しすぎる


7.  まとめと振り返り

俯瞰して見ると、今となっては「それ当たり前じゃん」と思うことばかりであった。過去の自分に教えてやりたい・・。

「成果を生むリーダー」が事業もメンバーも守ることができる。
「成果を明確にし、KPIを設定しコミット」しなければ失敗する。

それは自分自身を守るためでもあり、事業に携わるメンバーを守るためでもある。


プロダクト新規事業において重要なポイント

  • 動く前にissueを見極め解をだす

  • 必要な人と徹底的にディスカッションする

  • 初期の開発は最小限にとどめる

  • 初期から仮説検証の数を増やしニーズを見極める

  • 既存事業と新規事業で人員は棲み分ける

  • 新規事業メンバーに兼任はさせない

  • 検証に対してKPIをこまめに設定する

  • KPIを基準に検証をスピーディーに切り替える


自分にとってはとてもチャレンジングであっという間の1年だった。
重要な役割を自分に任せてくれた会社や役員には感謝でしかないです。

ただ、結果が出せなかった。振り返れば、当たり前のことができていなかったと思える点が多くある。

この経験から同じ失敗をしないよう、久しぶりにnoteを書きつつ自分を整理した。この失敗から学んで次に活かせるよう、また前を向いてポジティブに次のチャレンジへ進むしか無い。ので頑張ります。

そして、これからPMにチャレンジしようとしている人に、この失敗を共有できれば幸いです。


8.  最後に、
自分自身の成長に向き合うことについて

コンフォートゾーンに留まれば快適に過ごせて失敗に遭遇することもないが、このゾーンから抜け出さない限りは、そもそも新しい発見とか、新しい自分には出会えないし、壁にもぶち当たれない。

人の目を気にしても、1週間後には自分のしたことなんて忘れられてるし、他人にどう思われるかじゃなくて、自分軸で生きていくことが大事なことだと思う。

誰かと比べての相対的な評価じゃなく、自分の中の絶対的な評価が上がれば、自信がつく。失敗したら、自分の中の評価基準を見直すきっかけを作る。それが成長につながるはず。

だから今後も、いろんなことに貪欲にチャレンジする人生でありたいなと思っています。(とはいえ、しんどい時期もあるのでほどほどに)


9.  本音

この心境を書いている現在は、
心のダメージは大きいのが本音ではある…w

本音はこれ。吐き出しとく(1年後の自分で読んでみたい)

↓↓

「今のチームで成功するまでやりたかった」
「なぜ継続の方向へ、自信を持ってプレゼンできなかったのか。そりゃ自信のない人に事業を任せようって思うわけないじゃん。自分が雑魚すぎた…」
「頭の整理してから物事を動かせ、もっとに深く考えろ、自分」
「数字見ろ。数字で伝えろ、具体的に。とにかく結果を出すムーブを続けろ」
「結果が自分もチームも守ることにつながる。なぜできない・・?」
「はあ・・」

文面では強がっているが、本音はこれなのである。

もう少しだけ整理する時間をとったら、
次のステップに向けてまた頑張ります。

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