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光村5年国語「見立てる」「言葉の意味が分かること」

9月18日(金)19:30から第6回「これからの国語を知る会」(通称、「これ国」)がオンラインで行われました。オンラインでは3回目ですね。

第6回(WEB)-1

オンライン開催では過去最高の、25名!!twitterで呼びかけたところ、全国から10名の参加でした。(接続不良だった方、ごめんなさい)小さな地域サークルとして発足した「これ国」なのに、ほんと感謝感謝です。


さて、今回の「これ国」は、これまでの教材研究とは違って、実践報告を行いました。オンラインでは初なので、事務局はうまくいくかどうか、ずっとドキドキしてました・・・


実践報告者は、埼玉県新座市の先生。

光村5年の「見立てる」「言葉の意味が分かること」でした。この2つの教材は、今年度から登場したもの。私の意見なのだが…

「言葉の意味が分かること」の難易度、高すぎじゃない!?

6年生の説明文の方が簡単なんだが…と思うのは私だけでしょうか!?

それを突破するために、「キーワード表」を使った実践を報告してくれました。


キーワード表とは?

キーワード表というのは、段落ごとにキーワード(=語句)が何回出てきたかを一覧表にしたもの。これを使うと、この単元のメインターゲットである「文章の要旨」をとらえやすくなのでは!?という提案でした。

キーワード表(見立てる) (1)-1

キーワード表を見ると、題名の『見立てる』という語句が①段落に2回、②④⑥段落に1回ずつ入っていることが分かります。これだけの情報でもこの説明文は「頭括型」「尾括型」「双括型」のどれに当てはまる文章なのかが分かります。もちろん「双括型」の文章ですね。

さらに、じっくり表を眺めていくと、筆者の考えが書かれている①⑥段落には「想像力」という語句が入っていることが分かります。つまり、

「想像力」という語句が『見立てる』を支えるキーワード

だということが分かります。「お~」となりますよね。


キーワード表の成果と課題

さて、「お~」となったキーワード表ですが、実際のところどうなのでしょう?子供目線で考えてみましょう。

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「見立てる」で練習したことを「言葉の意味が分かること」で生かして生きたいと思います。

まず、「自分でキーワードを選んで読めるなんて楽しい」という思いのまま教材文を読み浸るでしょう。報告者の先生も、

「物語文と同じようなモチベーションで、単元通して、子供たちが読み浸っていた」

と言っていたように、主体的な態度が見られたことは特筆に値します。説明的文章って、教員も子供も意欲が下がりがち。でも、本実践では、ワクワクしながらキーワード表を埋めて読み進めている姿が見られたということは、とても素敵ですね。

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(原文ではない。事務局一部編集)

でも、キーワード表の難しいところもあります。それは、

子供が適切なキーワードを選べるか

ということです。これは、グループワークの柱にもなっていましたね。十文字学園女子大学の児玉裕子先生からも「語句に軽重つけて読むことが大切だ!」との指導がありました。確かに、何回も出てくる語句が「キー」にならないこともありますよね。

常に『筆者が言いたいことは何なのか』ということを考えて、中学年あたりからトレーニングしていけば、語句に軽重をつけて、まさに「キー」として語句をとらえられるのではないでしょうか?


「要旨」とは何なのか?

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子供が、上記のようにキーワード表を埋められたとして、これをもとに要旨を書いていきます。すると、以下のように要旨を書く子供が出てきました。(原文ままではない。事務局一部編集)

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その壁を一つ一つ登って見直していけば、いつか明るい世界が待っている。

の文は、その子が自分で考えて付け足したものです。果たしてこれをどう評価する?果たしてこれは要旨なのか?

学習指導要領・解説には以下のように記されています。

要旨とは、書き手が文章で取り上げている内容の中心となる事柄や、書き手の考えの中心となる事柄などである。


やっぱりよく分かんないや。ここでも児玉先生からズバリお答えいただけました。

✅要旨は、筆者が文章で最も伝えたいことである

✅要旨は、文章中の言葉で書かなければならない

✅要旨は「とらえる」もの。「まとめる」ものではない

✅つまり、要旨はみんな同じものになるはず

✅つまり、要旨の評価にABCはない!要旨を「正しくとらえられた」か「そうではないか」の2択になる

なるほどな~。痺れたぜ!

教科書では、要旨をとらえたあと、「自分の考えを発表しよう」となっています。そこに、子供それぞれの考えや意見が出てきそうです。そこに価値を置いて授業を組み立てていくことが大切なのですね。



要点、要約、要旨と分かっているつもりでも、実際に授業を行っていくと、それらを飛び越えて指導しがち。そういったことを見つめ直す意味でも、本報告はたいへん勉強になりましたし、自分の授業を今一度見つめ直す機会にもなりました。本当にありがとうございました。

ん?要旨は、筆者の意見を要約すればOK?誰か教えて。

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