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Google Meet のライブ ストリーミングでAll Hands Meeting をやってみた

Gsuiteユーザは、9月末までMeetのプレミアム機能である「ドメイン内での最大10万人に配信できるライブストリーミング」を利用することができます。

年に数回、200名以上が集合して社員総会を実施していましたが、新型コロナウイルス以降は中止にしていて、新しい社員とのコミュニケーションの形を模索していたのですが、この機能を使って、All Hands Meeting(全社集会)を実施してみました。既存のものをそのままオンラインにするのではなく、まったく異なるものにしたかったので、名前もそれまで使っていなかったAll Hands Meetingとしました。
ツールは、Zoomのほうが機能としては便利そうでしたが、あえて全社員が使っているG Suiteしばりでイベントを構成してみました。

Google Meetライブストリーミングの機能

事前にテストをしてみてわかったのが、以下の特徴でした。

・URLは「Web会議用」と「視聴用」の2つが用意される
・「Web会議」の映像と音声がそのまま「視聴用」のURLに配信される
・「Web会議」から「視聴用」URLへの配信はタイムラグが30秒ぐらいはある
・「Web会議」に参加している人と、「視聴用」で見ている人は、相互にテキストのチャットを送ることができない
・「視聴用」で見ている人は、何人見ているか、誰が見ているか、がわからない(システム管理者が後でログを調べればわかる)

イベントを設計する側としては、「参加者がわからない」「参加者とチャットができない」は大きな制限事項です。

ですが、制約がある中で工夫していくことは、変化に対応していける組織になるためには、これからますます重要になってくるとも考えました。しばらく試行錯誤するために毎回やり方は変える前提ではありますが、まずはG Suiteの機能のみを使って開催してみることにしました。

All Hands Meetingの概要

概要は下記の通りでした。

・時間帯とタイムスケジュール
12時15分~12時45分(多くの人がお昼休みをとる時間帯)

・テーマ
30分と短いので、大きいテーマは1つ。
初回は「新型コロナウイルス発生状況下で思うこと」にしました。

・プレゼンター
メインスピーカーは社長です。私が進行役。
資料は用意せずに、テーマに合わせた質問を社長に投げかける対話方式。

・視聴者(社員)からのフィードバック
Google Formsを利用して感想や質問などのコメントを入力。書き込まれた内容はGoogleスプレッドシートに反映され、全社員に共有されます。

・タイムスケジュール
 20分 トークセッション
 10分 QAセッション

・セッションの内容
トークセッションでは、
・「社員とその家族を守る=給与を守る※」について
 ※ 社長から全社員へのメッセージで繰り返し使われている言葉
・新型コロナウイルスの事業への影響
・緊急事態宣言解除後、以前のような働き方に戻るのか
についてどのように考えているのか、を私と対話するように社長が語る時間となりました。

QA(質疑応答)セッションでは、Web会議のURLも公開していたので「質問があれば誰でも入ってきていいですよ」と伝えていたものの、誰も入って来ず…。
書き込みされたコメントから質問を拾って時間のある限り回答をする、をしました。

・その他
- 当日に参加できなかった人には録画された動画を後日配信する
- お昼の時間帯なので、昼食をとりながら視聴してもOK
- ご家族の方と一緒に視聴してもOK

当日の視聴者は、およそ170名ほどだったようです。社員の半分近くがリアルタイムで見てくれたようで、初回としてはまずますの人数だったと思っています。

オンライン社員総会というよりはラジオ番組みたいになった

ツールの機能に制約があることによって、最初に意図したものではありませんが、ラジオ番組を連想させるようなイベントになりました。ただ、昨年はVoicyを使って社内向けに情報発信をしたいと言っていたのですが、否定的な意見ばかりをもらって断念していた経緯があります。期せずして、やりたいと思っていたことに近いことを始められることになりました。
誰が参加しているのかわからないとか、リアルタイムでやり取りがしづらいというのは不便だな、と思います。ですが、そのちょっとだけ遠い感覚は、だからこそ視聴するのに心理的な負担がなかったり、集合するイベントとは違う世界観ができあがるのだろうとも思います。

それから、30分という時間は短く、あっという間だと感じるようです。集合形式の社員総会では2時間半の時間を使っていましたが、それでも情報発信をする側からすると時間が足りないと思っていました。参加する側からすると長すぎると思っていた人もいましたが、その時間とボリュームに慣れている人たちからすると、30分は短すぎるという感覚が生まれるようです。でも、できれば頻度を多くしたいと思っているので、時間が短すぎる!という渇望感が毎回あるぐらいがちょうどいいのかな、と思っています。

進行はけっこう難しかった

リアルな集会の司会とも、全員の顔が見えるオンラインでの集会でのファシリテーションとも、勝手が異なっていて難しさを感じました。
30分の中の段どりとタイムキープ、リアルタイムの書き込みを横目で見ながら的確なコメントや質問をするのが、頭の処理能力が追いつかなかったと振り返って反省しました。
意識する重心が社長の話に耳を傾けることよりも、タイムキープとQA対応に傾いてしまったのだと思います。本当は逆にしないといけないと思うのですが、自分のスキルの問題も多分にあるので、回数を重ねて改善しようと思いました。
モニターは2画面で操作していたのですが、3画面あるとだいぶ違うのだろうな、とも思いました。

テレビ番組のMC、ラジオ番組のパーソナリティをしている方ってすごいな、と実感しました。自分の役割としては反省の多い初回だったのですが、回数を重ねれば獲得できる新たなスキルがあることも実感したので、大変なのですが楽しみでもあります。

参加した社員の感想

伝わってきた感想は以下のようなものがありました。おおむね好意的に受けとめてもらえたようです。新しい取り組みだったので、それに対するわくわく感のようなものもあったように思います。

・ラジオのような感覚で聴けるので、良いなと思いました。
・集合形式の社員総会より、動画配信のほうが社長が伝えたいことがよく伝わってくる気がしました(表情までよく見える)。
・今の状況下での会社の方針はメールで周知されていたが、生の声で聞けたのは、非常に効果的なイベントだったと感じました。
・ご飯食べながらでもOKで、別途お昼休憩をずらしてOK、という公式アナウンスがあったのがよかったです。
・コロナ対策が社長、副社長から直接聞けたこと、時間がコンパクトで話が分かりやすかったこと、今後のリモートワークに対する考え方も聞けたので、満足値は高かったと思います。参加しやすいので、今後も継続してほしいです。
・久しぶりにお二人(社長と副社長)の顔を見られて、お二人の言葉で話を聞けたのはとても良かったと思います。

オンラインのAll Hands Meetingはこれからも続く

2週間の間隔をあけて、第2回目を実施することは決まっています。まだ3回目は決めていませんが、同じぐらいのペースでやろうとは思っています。それ以降については、好評であれば継続しますが、そうでなければ止めることになるかもしれません。
手探りの部分が多いので、この先がどうなるのかはまだわかりませんが、最初の感触はよかったので、会社の新たな活力になるようなイベントとして定着していけるといいと思っています。

もしも、今回の記事のスキの数が多ければ、数回実施した後の続きをまた書いてみようと思います。



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