禁断の愛

ああ、愛してるよ。私は君を愛している。君がどれだけ私のことを嫌ったとしても愛している。

私は君を愛する他に生きる術がない。君を愛せないことで、私は私の心臓を止めてしまえる。私は君をそれほどまでに愛している。

君がどれだけ私を傷つけようとも愛している。どれだけ私の服従を拒んでも愛している。時折君が荒れ狂って、それによって私の一部が損なわれたとしても愛している。

私は君を所有することが出来なくても愛している。勝手に君を所有した気持ちになって愛している。その身勝手に見向きもしない君も愛している。君がどれだけ拒んでも、私は君への愛を、私の中で拒むことが出来ない。

君が傷ついているなら、その傷ついた君ごと愛そう。君を治すことはしない。それは愛ではなく、現在の君に対する裏切りだから。傷ついた君を元通り修復して、以前と同様に扱おうとすることは私の我儘であり、君への裏切りだから。

だから私は君が傷ついたのなら、傷ついたままの君を愛する。そうでないと私の愛の意味がない。私が君に傷を与えた意味がない。

私は君が私の服従を受け入れないことも、私がどれだけ君を損なおうとしても、ほんの少ししか傷つけることが出来なくても、そしてそれが私への抵抗でも何でもなく、私を最大限に無視した君の超然とした態度であっても私は君を愛する。

ああ、愛しているよ。だって私は君がいないと生きられない。君は私がいなくても生きていられるけど。どうせ朽ち果てるなら私を愛したって同じだろう？

了。

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