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Angel Wing

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Angel Wing ~5~ 「運命の出会い」

前回

「……それでね、転んだときに泉が光ったような気がしたの」

「この泉が?」

 傾き始めた太陽を背に、美羽と真帆は土手に座って泉を眺めていた。連れ立っての下校中、美羽がどうしても話をしたいと主張したので、こうして足を止めているかたちだ。

「そう! それも二回もだよ? もしかして、願いの天使と何か関係があったりして!」

「でも、何も無かったんでしょ? 見間違いじゃないの?」

 真帆はそ

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Angel Wing ~4~ 「悪意は笑う」

前回

「……くっそ、あの天使め。メチャクチャやりやがって……」

 昼下がりの住宅街を、1人の男が足を引きずりながら歩いていた。黒を基調としたパンク風の服に、銀色の髪がよく映えるその男の体は、細身ながら筋肉で引き締まっており、行くところに行けば注目の的だろう。しかし今は、体中に傷を負い、歩くのがやっとという有様で、思わず目を逸らしたくなるほどだ。男は歩きながらブツブツと悪態を吐いていた。その足取

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Angel Wing ~3~ 「友と謎と」

前回

 昼休みのチャイムが鳴り、教室の生徒たちがそれぞれに移動を始めた。その波をかきわけるようにして、青い弁当箱を持った蒼いロングヘアの女子生徒が、机の上に突っ伏している赤毛の女子生徒に笑いながら話しかける。

「……今日も遅刻ギリギリだったね、美羽。毎朝毎朝、大変ですねえ」

「真帆、笑いごとじゃないんだってば。……毎朝毎朝、全力疾走。私、もう体力の限界……」

 美羽と呼ばれた女子生徒は、自

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Angel Wing ~2~ 「激走する少女」

前回

 街の空は晴れ渡り、辺りに咲き誇る花々と人々の笑顔が、春の隆盛を物語っている。その光景はまるで、新たな生命の息吹を表しているかのようだった。

「……遅刻、遅刻~!」

 そんな穏やかな陽気に包まれた早朝の空気を突き抜けて、焦燥感に満ちながらも、どこか間の抜けた声が街中を駆け抜けていく。

 声の主は、ブレザーの制服を身に纏い、癖のあるショートヘアを振り乱して街中を全力疾走する赤毛の少女だ

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