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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.33

【ブログの過去記事】

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[41枚目]●ジョン・リー・フッカー『ブギー・オウハイル』<クレイジー・キャット>(90)


48年~53年の録音。原レーベルは<JVB><ダンスランド><プライズ>。かつて<クレイジー・キャット>より2枚組LPとして発売されていたものをCD1枚に編集し直したもの。

デトロイトのヘイスティングス・ストリートにあるレコード店奥のスタジオで、ジョン・リー・フッカーはブルース史に名を刻み始めた。これだけ強烈な刻印を残すとは、さすがに当時思っていなかっただろう。自信のほどは不明だが、ブルースに対する情熱は、若きジョン・リーからひしひしと伝わってくる。ギターの音も、後年より溌剌と聴こえる気がする。ちょっと縺れ気味にもなるが勢いが勝っている。声の方も、豊かだが、余裕より若い熱気をかなり感じる。

因みに、レコード店の店主で、ジョン・リーのレコードをプロデュースした人物は、ジョー・フォン・バトル。彼の名前から<JVB>と名付けたのだろう。

各曲を大まかに見てみよう。

トラディショナル・テイストな①③⑭⑮(ピアノ入り)
ブギウギ・ピアノをギターで煽るような⑯

得意のブギー攻め②④⑤⑦(ディストーションが効いている)⑬⑰

⑲⑳はホーンも加わりジャンプ・ブルースの体裁。

独特の間を発揮するスロー曲⑥⑫⑱

ライトニンぽい感覚もある⑧⑪

⑨⑩は延々とリフ攻撃。

もちろん、上記のようにきれいに区分けされる訳ではなく各々の要素が交錯する曲も多々ある。

不動の地位を確立し、他ミュージシャンとのコラボも難なくこなし、晩年になっても意欲作を発表し続けたジョン・リー・フッカー。本盤を聴いていると、彼が過去の遺産と向き合い、独特の表現法を生み出していく、その過程が透けて見える。出来れば2枚組LPの方がお薦めだ。

※『BSR』誌の熱心な読者なら、日暮泰文さんのプロフィール・ページで、「JLフッカー、ダウン・ソー・ロングとうめく頃、東京に生まれる」と書かれているのをご記憶かと思う。その「ダウン・ソー・ロング」も本盤と同じセッションだ。但し2枚組LPの方だけに収録されている。まぁ少なくとも日暮さんの年齢はこれで判る・・・だからどうしたという話ですが。

⑧I Love to Boogie  


⑨Highway Blues


⑮Must I Wait Til Your Man Is Gone


⑯Cotton Pickin' Boogie


⑲Boogie Rambler


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