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ジョン・リー・フッカーの<インパルス>盤

【ブログの過去記事】

●ジョン・リー・フッカー『イット・サーヴ・ユー・ライト・トゥ・サファー』<インパルス/オールデイズ>(65/20)


https://merurido.jp/topic.php?srcbnr=38753


※本文を書くに当たり、永田鹿悟さんのライナーを大いに参考にしています。


ジャズ作品で有名な<インパルス>から唯一リリースされた作品。既に<キング><チェス><ヴィージェイ>などで数々の傑作を物してきたジョン・リーだけに、例えジャズ・レーベルとはいえ、確立された音世界が揺らぐような心配はない。プロデューサーのボブ・シールを始め、ベースのミルト・ヒントン、ドラムのパナマ・フランシス(ジャンプ・ブルースファンにはお馴染み)、トロンボーンのディッキー・ウェルズ、リズム・ギターのバリー・ガルブレイスらがブルース感覚に溢れたサポートに徹している。特に、ギターは要所要所で無駄のないフレーズを紡いで味がある。いわゆるブギ系の曲より、どろんとしたブルースの煮汁のような曲が多いが、それはそれでジョン・リーの実力を存分に発揮した一枚といえる。ジョン・リー・フッカーに外れなし!


①心躍るベースワークとブギウギ・シャッフルを背景に、ドスの効いた歌声が響く。乗れずにおれない定番のサウンドだ。②はカントリー・ブルース・タッチで、ジョン・リーもモノローグ的だがずぶずぶと引き込まれる。レイジーな感覚の③から、④で若干テンポ・アップ。ギター・リフが醸すグルーヴの中、コクが深く円やかなジョン・リーの歌声が映える。時に強烈なシャウト!⑤も定番的イントロからいつもの世界へ。⑥の「デコレーション・デイ」とは戦死者の墓を花で飾る日の事だそう。それを知って聴くと一層しめやかな気分になる。本曲は、最愛の女性を偲ぶ内容。ここのガルブレイスのギターも良い味。⑦バレット・ストロングの「マネー」も、ジョン・リー流ブギへと様変わり。⑧歌というより語りの世界。ディープなムードが溢れている。地を這うようなギターがまた何とも。⑩⑪のボーナス・トラックは64年英<プラネット>から出された曲。バックを務めるのは、ブルース・ロックバンドのグラウンドホッグス。ツボを押さえたギター・プレイを聴かせるトニー・"T.S."・マクフィーがリーダーで、アメリカのブルースマンの欧州ツアー時のバックも多数経験している。この2曲は本盤と雰囲気が違い、粋なバンド・ブルースの世界が展開されている。


① Shake It Baby
https://www.youtube.com/watch?v=ZnoiySebn4w
② Country Boy
https://www.youtube.com/watch?v=GHIRMcNSs00
③ Bottle Up & Go
https://www.youtube.com/watch?v=EFJWO5FrEOk
④ You're Wrong
https://www.youtube.com/watch?v=XG2jOWH9SQQ
⑤ Sugar Mama
https://www.youtube.com/watch?v=lMZBWEn_DbY
⑥ Decoration Day
https://www.youtube.com/watch?v=oTbLOB3zVw4
⑦ Money
https://www.youtube.com/watch?v=km2TUz1WMts
⑧ It Serves You Right To Suffer
https://www.youtube.com/watch?v=Yd3_exRntgI
⑨ Mai Lee
https://www.youtube.com/watch?v=8jwkfWeVCPg
⑩ Don't Be Messing Around With My Bread
https://www.youtube.com/watch?v=Wv36f8gxEq4

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