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レコード棚を順番に聴いていく計画 Vol.4

【過去の投稿です】


https://p-vine.jp/music/pcd-24186

[10枚目]●V.A.『ザ・ソウル・パワー・ストーリー』<ソウル・パワー/Pヴァイン>(07)

購入の動機はトミー・ヤングに尽きる。個人的には“正妻”と位置付けているシンガーだ。<ソウル・パワー>は、彼女がデビューを飾り、ヒット曲も多々残したレーベルである(72~74年)。それどころか、ある意味彼女オンリーとも言える。他には、ジョージ・パーキンス(名作「クライング・イン・ザ・ストリーツ」以後)、シェイ・ホリデイ、アフリカン・ミュージック・マシーンの3組しか所属していない。シェイ嬢に至ってはシングル盤1枚だ。アフリカンもスタジオ・ミュージシャンの発展型なので身内みたいなもの。アルバムも、トミー・ヤングの物しか出ていない。トミーは<ソウル・パワー>に於いても正妻なのだ。

弱小レーベルではあるが、山椒は小粒で何とやらで、質は高い。設立したのは、ミュージシャンやコンポーザーとしても著名なボビー・パターソンと、彼が<ジュウェル>で知り合ったジェリー・ストリックランドだ。その関係もあり、<ソウル・パワー>は<ジュウェル>の傘下で、ルイジアナ州シュリヴポートを拠点としている・・・背景の説明が長くなったが、それだけ頭に入れて置きたいレーベルではある。

本盤は、鈴木啓志さんの編集に拠る。アフリカン・ミュージック・マシーンは、ファンク路線なんだろうが、ソウル・ファン向けの選曲に。従って、ジョージやトミーの間に挟まれると、気分が自然と切り替わる。ジョージ・パーキンスは安定の歌唱。「ア・マン・イン・ラブ」「ベイビー・ユー・セイヴド・ミー」とかは、これぞ、サザン・ソウル!と唸ってしまう出来だ。シェイ・ホリデイは、悪くはないが突出したものもない。ドライブ感とメリハリが欲しいところだ。そして、トミー・ヤング。惚れた弱味もあるだろうが、彼女が歌い出すと空気が変わる。突き抜けるパワーは鳥肌を生み、潤いのある声に恍惚となる。

Shay Holiday - It's Not How Long You Make It

George Perkins - Baby You Saved Me

AFRICAN-MUSIC MACHINE-making nassau fruit drink

TOMMIE YOUNG - DO YOU STILL FEEL THE SAME WAY


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