商社の営業職とは~やりがい・魅力編~

初の記事として、今回は商社の営業職というものについて考察したいと思います。私自身は東証一部上場の商社に営業職として勤めていますのでその立場・目線から考察いたします。

転職を検討されている方、就活で商社を検討されている方には参考にして頂き、現状商社で営業しているという方も今一度見つめなおす機会になればと思います。かくいう私も商社の営業を辞めたいと思ったこと、転職も考えたこともありました。(今でも一生続ける気はありませんが、考え方・捉え方は昔と変わっています。)


そもそも商社と一括りにしがちですが、様々な業種(取扱う商材)の商社が存在するので全てを包含するとは思いませんが大きく分けて3つの機能を持っている部分かと思います。そこにやりがいや魅力があると考えます。

①商取引機能

一番イメージしやすい部分かと思います。仕入先(メーカー等)から商品を仕入れ、得意先(販売店等)へ販売する。いわゆるBtoBの販売形態がほとんどかと思います。ここの扱う商材の量が多ければ当然会社の規模も大きくなる訳ですが、結果的に部署で割り振りされてしまいジョブローテーション等がない限りは同じ部署(業界)に居続けるのが大半かと思います。

私の現在所属している会社も扱う商材(業界)として大きく4種類に分かれ、部署間の異動はほとんどありえません。しかも会社の都合での特定商品などを販売する指示が飛ぶほどです。(リベート収入が大きいので)しかし、ここに魅力が隠されています。

1つ目は、扱える商品の幅があること。

メーカーや特定商材の営業職と比べて段違いで扱える商材の数が違います。上記記載したように商材群での縛りがあったとしても、商取引機能が成り立っていれば仕入先を増やすことも出来るし、商品の知識も色々と仕入れることが出来ます。

出来るメーカー営業マンと会話した時の会話ですが、「新商品が出ないと面白くない。売り方を変える・売り先を変えるにしても扱う商材が変わらないと限界がある」という言葉が頭に残っています。

2つ目は、売り先を創造する事が出来ること。

上記仕入先の話もしましたが、当然売り先も増やすことが出来ます。商社営業は基本としてルート営業です。決まっている得意先・過去から付き合いのある得意先に対しての営業活動も大事ですが、このような状況下で企業が存続するか分からない中決まった得意先での営業数字作りはあまりにナンセンスです。自分が経営者だと考えたとき、一つの仕入先や得意先だけで事業を行っていくのはリスクとして高いと思いませんか。当然リスクヘッジをして複数の取引先や金融機関などを使いませんか。

営業マンの数字は会社から与えられる計画や予算によって変わりますが大概が前年数字からの計画数字です。自分の計画数字を経営するという意識を持つと、この新しい販売ルートというのは非常に大事になります。私も社内の新規開拓のランキングで100名中3位に入りました。やはりその年の数字目標はしっかり達成しましたし、来期の数字作りも組み立てやすくなります。決まった所に行き続ける事がなく、新しい得意先との出会いがあります。

②与信管理機能

得意先とは売掛での取引を行うのがほとんどです。しかし、売掛金を回収するまでに相手会社が倒産してしまっては意味がありません。また仕入先が得意先と直接取引が出来ない場合(販売与信が取れない、会社規模が小さい)などの場合に間に入るなど請求・回収作業を行う意味でも商社の機能として求められるところです。会社によってはこれも審査部など部署として管理しているところもあるのですが、担当する得意先の窓口はあくまでも「営業担当」になります。

私自身も担当していた得意先が倒産し、売掛金が未回収になった事が恥ずかしながらあります。原因は得意先企業内での資金繰りが上手くできておらず、支払い遅延の噂が回り金融機関も手を放し黒字倒産を起こしたケースでした。(関係者のほとんどが売掛金が未回収になりました)

しかし、営業としての仕事をしながら与信管理も・・・と大変に見えますが、これは相手の経営に関われるチャンスなのです。決算分析のスキルを身に付けることも出来ますし、経営コンサル的な目線で企業を見ることが出来ます。私もこの経験をきっかけに、勉強する機会を設けるようにしました。不運だったですませるものではなく、自身のスキルアップと考えるといい経験をさせてもらったと思うと同時に企業の存続に関して考えさせられました。

③付加価値機能

最後に付加価値機能ですが、これは各商社自身での色が出てくる部分かと思います。そのまま売っているだけでは当然意味がありませんので、価格戦略で安い!というのも付加価値ですし、物流機能・施工機能が充実しているというの立派な付加価値です。しかし、ここでお話ししたいのは「情報」と「ストーリーを付ける」という付加価値です。

ここでいう情報とは、「相手が有益となる情報」です。

ただある情報を伝えるのではなく、相手にとって必要だと思う情報をピックアップし裏付けなどを行い伝えたものが本当の情報です。これを仕入れやすい環境が商社です。多くの仕入先からの情報もあれば、担当している得意先の情報、周りの営業の情報も含め多くの情報量が飛び交っています。この聞き流してしまいがちな情報も得意先、仕入先にしてみれば貴重な情報源なのです。これほど有益な付加価値はありません。

「ストーリーを付ける」と言いましたが、商材(モノ)をただ売るのではなく、市場背景や情報を添えて商材(コト)を売ることが付加価値の一つになります。モノの良さだけ、価格だけで売るだけでは継続性がありません。それこそ商社営業マンの悔しい商流(ルート)変更をされてしまいやすいです。またそこには商社としての商材や組み合わせの提案なんかも加えるととても良い付加価値提案になると思います。

例:宅配BOXを管理会社に売る。

⇒× ネット通販が増えているので売れますよ。価格も安くします。

⇒〇 ネット通販が増えているだけでなく、スーモでも住まい検索の項目に宅配BOXがランキング上位に入っています。入居率のアップにも必要な資材ですし、実際に他の管理会社様では取り組んでもらっています。御社としての取組を検討して頂けますか。工事も対応します。

極端な例ですが、情報や周りの状況を添えるだけでやってみようかなという気持ちに少しはなると思います。

こういった付加価値提案を創造出来る部分は商社営業の醍醐味といっても過言ではないかと思います。また情報の収集能力や人脈を増やす上での場としても有効な場所だとも思います。


改めて商社営業の魅力を考え直しましたが、他にもメリット・デメリットがある中で一番私自身感じている魅力をまとめてみました。細かい内容に関してはまた書く機会があれば、改めて記事にしたいと思います。

長文で読みづらかった部分もあるかと思いますが、お付き合いありがとうございます。よろしければコメント・フォローお願いします。(質問、意見何でも構いません)

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