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SWOT分析の活用法と注意点とは

皆さん、こんばんは。コウイチです。
本日のテーマは「SWOT分析の活用法と注意点とは」です。

戦略を作成する前に、まず環境分析を行う必要があります。環境分析には、大きく 2 つの視点があります。内部環境と外部環境です。そしてこの2つの環境を分析する定番的な方法が SWOT 分析です。

1, SWOT 分析とは

SWOT 分析では、自社の内部環境を強みと弱みとして分析し、外部環境を機会と脅威という視点で分析します。強みは Strength、弱みは Weakness、機会はOpportunity、脅威は Threat です。この 4 つの頭文字をとって SWOT 分析と呼ばれています。

まず内部環境を分析するには、自社の強み、弱みを洗い出していきます。このとき、自社の経営資源、つまり人、モノ、金、ノウハウ、ブランドというような切り口で分析するとわかりやすくなります。優秀な技術者が多いというのは人材面の強みです。また、商品の知名度が低いというのはブランド面の弱みとなります。
例えば、あなたが梅干しを取り扱う農家だったとします。競合である、紀州の「南高梅」と比較して、自社の梅干しの知名度が低いとすれば、それは弱みとなるでしょう。しかし一方で、あなたの梅干しには競合にはない独特の健康効果があり、また梅作りにまつわる独自のストーリーがあったとします。その健康効果やストーリーが競合に対して魅力的だと思う顧客層があれば、それは強みになると考えられます。 

外部環境の分析では機会と脅威を洗い出していきます。このとき大きく 2 つの視点があります。1つはマクロ環境の視点です。マクロ環境は、経済動向や、法律・政治的な動向、技術動向など、自社に関係なく存在する環境要因です。例えば、原油高や、政府による各種の規制などがマクロ環境です。もう一つはミクロ環境の視点です。ミクロ環境には、顧客と競合の大きな 2 軸があります。これらは自社に固有の環境要因です。例えば「新しい顧客ニーズが出てきた」というのは機会ですが、「競合が増えてきた」というのは脅威になります。
先ほどの例でいうと、購買力の高い50〜60代の健康志向が高まっている、日本食に強い関心を向けている外国人訪問客が増加している、というようなことがあれば、それは機会となり得ます。一方で他の地域から梅干しを含むブランドが出てきた、ということがあればそれは脅威となるでしょう。

なお、マクロ環境の分析にはPEST分析という手法が、ミクロ環境分析には3C分析という手法があります。それぞれの詳細は次回以降で触れていきたいと思います。

2,SWOT 分析の活用法

SWOT 分析では、4 つの視点で環境要因を洗い出した後に、戦略の方向性を検討していきます。さらにSWOT分析で可視化した要素を以下のようにかけ合わせることで、より具体的な経営戦略を策定することができます(クロスSWOT分析と呼ぶこともあります)。 

①機会×強み→「積極攻勢」策
②機会×弱み→「弱点強化」策
③脅威×強み→「差別化」策
④脅威×弱み→「防衛/撤退」策

先の例で考えてみましょう。
例えば①の組み合わせで考えてみると、価格が高くても健康に良い梅干しを購入したい50〜60代が増加しているのに合わせて(機会)、独特の健康効果(強み)を持つ自社の梅干しを、独自の魅力あるストーリー(強み)とともに打ち出して、知名度を上げていく施策が考えられるかと思います。

3,SWOT 分析の注意点

SWOT分析で注意したいことは表面的な強みだけを考えるのではなく、 自社および競合の表面的な強みを支えている「経営資源」を見抜くことだと言えます。またその際には、競合を明確に定義する必要があります。前提条件となる、競合が変わると自社の強み・弱みが変わってしまうからです。前提条件を明確にして分析することで、ぶれずに正確な分析ができるようになります。

4,まとめ

◆SWOT 分析では、自社の内部環境を強みと弱みとして分析し、外部環境を機会と脅威という視点で分析します。
◆SWOT分析のやり方は、まず外部環境と内部環境の項目を洗い出し、それらの項目に対してStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)を分析していく。
◆内部環境分析では、自社および競合の表面的な強みを支えている「経営資源」を見抜き、競合他社と比較した、強みと弱みを出す必要がある。

SWOT 分析には、俯瞰した視点から現状の理解を深めることができるというメリットがあります。ぜひ、使いこなして行きましょう。

お読みくださり、ありがとうございました。


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