『ECRSの原則』で自分だけの強みを磨き上げよう
こんばんは。コウイチです。
唐突ですが「どうすれば自分だけの強みを身に着けられるのか、わからない」という悩みをお持ちでしょうか。
もしかしたら今回のテーマである「ECRSの原則」を学ぶことで解決できるかもしれません。
私が携わっている製造業の現場では、作業効率を上げたり、コストを削減するために業務改善が日々行われています。
業務を改善するにあたり、まずは課題の洗い出しを行います。しかし、いざ課題を洗い出そうとしても、判断に迷うことがあります。
そのような時に役に立つのが、「ECRSの原則」と呼ばれる手法です。
今回は「『ECRSの原則』で自分だけの強みを磨き上げよう」について書いていきたいと思います。
1,ECRS の原則とは
「ECRSの原則」は、もともと製造現場での課題抽出とプロセス改善の手法として考えられたものですが、経営に応用することで問題点を発見し、業務の改善につなげていくことができます。
ECRSは「イクルス」と読み、Eliminate、Combine、 Rearrange、Simplify の頭文字を取ったものです。
ではその中身について見てみましょう。
Eliminate(取り除く):業務をなくせないか
Combine(繋げる):業務を一つにまとめられないか
Rearrange(組み替える):業務実施の順序、方法を変更できないか
Simplify(単純にする):業務をもっと単純にできないか
また、得られる改善の効果は、Eliminateが最も大きく、次いでCombine、Rearrange、Simplifyの順に小さくなるといわれています。
そのため、E→C→R→Sの順番で課題は何か、改善できることはないか、検討するのがポイントです。
ところで、以前、トヨタの改善活動の基本は「ムダの徹底排除」である、ということを記事にしました。
トヨタ生産システムでの「7つのムダ」は、このECRSの原理の「Eliminate(取り除く)」と合致した考え方といえるでしょう。
2,ECRS のメリット
「ECRSの原則」を適切に取り入れることで得られるメリットには以下のようなものがあります。
メリット①効率性の向上
不要な工程や重複する業務を取り除くことができます。これにより、業務のスピードアップや流れがスムーズになります。
メリット②コストの削減
無駄な手間や経営資源の使用を減少させることで、コスト削減の効果が期待できます。
メリット③エラーの低減
業務の手順が明瞭となり、作業の失敗を減らせます。
なお、ECRSの原則の手法を使って業務改善する際に気をつけたいことがあります。それは「なぜ業務効率化をする必要があるのか」その理由を組織のメンバーに伝えることです。
業務改善活動に取り組む意味合いについてメンバーから理解が得られてから実行してこそ、業務効率化の効果が現れてくるのです。
3,改善活動の先にあるもの
さて、ECRS原理で改善活動を行った先には何があるのでしょうか。
それを示すために、卑近な例で大変恐縮ですが、我が家での改善活動をご紹介します。
さて、ここまでお読みいただいたところで「だから何なのか?」と思われた方も多いと思います。
しかし、一つ一つは取るに足らない「些細な改善」であっても、その積み重ねが重要なのです。
例えば改善活動の積み重ねにより、10年の間、一日あたり平均30分の作業のムダが削減ができたとします。そうすると以下の通り、合計109,500分の家事の時間を削減することができることになります。
時間にすると1,825時間を他の活動に使えることになります。
これは大きな差だと思いませんか。
もしこれが会社での改善活動であったら、競争力の源泉となりえるでしょう。
以前、リソースベース型戦略論について、「企業独自の経営資源を常に磨いていき、他者から簡単に真似されないようにするのが戦略のポイント」と書きました。
意外に感じられるかもしれませんが、このような小さな改善の積み重ねが、他者から真似されにくい「独自の強み」につながるのです。
それはなぜでしょうか。
簡単に言うと「他者からは、その改善活動の何が大事か分かりにくかったり、真似をするとしても時間がかかったり、自身の強みや価値観と相容れずに真似できないこともある」からです。
このように日々の改善活動の積み重ねが、自分だけの強みに繋がっていくと考えると、日頃の心がけの大切さが実感できますね。
まとめ
今回は「『ECRSの原則』で自分だけの強みを磨き上げよう」について書いてきました。
<ポイント>
・「ECRSの原則」を経営に応用することで問題点を発見し業務の改善につなげよう
・「なぜ業務効率化をする必要があるのか」その理由を組織のメンバーに伝えることが大事
・小さな改善の積み重ねが、他から真似されにくい「独自の強み」につながる
お読みいただき、ありがとうございました。
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