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ターゲットを選定しよう③~セグメントを選択する方法~

こんばんは。コウイチです。本日のテーマは「ターゲットを選定しよう③~セグメントを選択する方法~」です。

以前、ターゲット選定STP分析の最初のプロセスである、セグメンテーションについて書きました。

今回はSTP分析の「ターゲティング」について書いていきたいと思います。なお、前回に引き続き、ブランディングの教科書-ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる(羽田康祐 k_bird 他 著)」を一部参照して説明します。

1,ターゲティングとは

ターゲティングとは、セグメンテーションにより細分化された顧客や市場のうち、ターゲットとするセグメントを決定することです。ここで、セグメントを選択するには以下の 3 つのアプローチがあると言われております。

⚫︎無差別型マーケティング
細分化したセグメントすべてに単一のマーケティング資源を投入する方法、いわゆるマス・マーケティングの手法です。事実上、ターゲット設定がなされていないことになります。この方法では、様々なライフスタイルや価値観を持つ人々を一括りにしてしまうため焦点が絞れなくなります。その結果、生活者の好き、嫌いの判断基準に関与することができず、価格競争に陥ってしまいます。そこで次に説明する、差別型や集中型マーケティングが重要になってきます。

⚫︎差別型マーケティング
細分化したそれぞれのセグメントに対して最適なマーケティングミックスを実施する方法です。これは、いわゆるフルライン戦略となります。例えば、トヨタ自動車は、全てのセグメントに対して対応する車種や価格、販売チャネル、プロモーションを揃えています。このように差別型マーケティングは、全てのセグメントのニーズに対応するため、売上が最大化されるのがメリットです。ただし、複数のセグメントにアプローチするため、マーケティング資源が分散してしまうのがデメリットです。

⚫︎集中型マーケティング
特定のセグメントにターゲットを絞り込み、そこに全てのマーケティング資源を投入する方法です。集中型のメリットは、限られたマーケティング資源を有効に活用できることです。逆にデメリットは、全ての経営資源を 1 つのセグメントに集中するため、リスクが分散できないことです。

2,ターゲティングが重要である理由

差別型あるいは集中型マーケティングのようにターゲットを絞ることがなぜ重要なのか、その理由について書きたいと思います。冒頭でご紹介した本には示唆に富んだ視点が多く示されていますが、ここでは「競争戦略上の視点」として挙げられている二つの視点を要約してお伝えします。

⚫︎投入資源の視点
もしその市場での競合にジャイアント企業がいた場合、その競合と同等以上のマーケティング資源を投入するのは難しいでしょう。その場合、ターゲットを絞って集中的に資源を投入することで、競合に対して優位に戦いを進めることができます。

⚫︎生活者側の視点
ターゲットを特定のセグメントに絞った上で、その人たちにとって最良の提案を行うことができれば、それらの人たちの感情にも良い影響を与えることができます。結果としてトライアル購入率やリピート購入率を上げることができるようになります。悪い例でいうと、ターゲットを広げるために、幅広い生活者のニーズに対応するため、あらゆる機能を持たせてしまう場合があります。そのように商品やサービスを設計してしまうと、結局は中途半端なものになってしまい、「二兎追うものは一兎も得ず」状態になってしまいます。

3,ターゲット設定をする際のポイント6つ

ターゲティングについての考え方は分かった。では実際どうするのか?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。ターゲットを狭くすればそれだけマーケティング資源を集中でき、よりシャープな提案ができます。しかしその反面、そもそも顧客がほとんどいない市場であったり、流行が終わるとともに消滅する市場であったりしたら結局は収益の向上には繋がりませんよね。そこで本書で挙げられている6つのチェックポイントについて要約して説明します。

⚫︎有効な市場規模
売上を以下の要素に分解して、投入したマーケティング資源を上回る売上が得られそうか、試算してみてください。
売上=市場規模×市場シェア 
  =購入者数×購入頻度×客単価

⚫︎競合状況
強いブランドが存在しないか、その市場の競合状況を見極めてください。

⚫︎成長性
今は小さくとも今後成長が期待できる市場であるかを確認してください。例えば一人世帯、働く独身女性市場などが挙げられます。

⚫︎波及効果
その顧客が生活者に影響力を持つかを考慮してください。例えば、化粧品分野やヘルスケア分野など生活者が選ぶのが難しい商品分野に関しては、その分野で影響力を持つインフルエンサーをターゲットにすることも有効です。

⚫︎到達可能性
顧客に到達(リーチ)できるかを確認してください。いくら競合が少なく、市場規模の大きさが望めたとしても、顧客にリーチできなければマーケティング活動をするのは現実的ではありません。例えば、双子市場などが挙げられます。

⚫︎測定可能性
到達可能性に近い話となりますが、そもそも効果測定できない顧客であれば、マーケティング活動を管理することはできません。

まとめ

今回はブランディングの教科書-ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる(羽田康祐 k_bird 他 著)」を参照して、ターゲティングに絞って書いてみました。

<ポイント>
1,ターゲティングとはターゲットとするセグメントを決定すること
2,ターゲットを絞るのは、投入資源や生活者側の視点でも重要
3,ターゲット設定をする際は、その市場の規模や質について6つのポイントで確認

お読みくださり、ありがとうございました。

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