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資格いおっさん19 移動式クレーン運転免許

note稼働以前に受けた試験について、記録します。

移動式クレーン運転免許(実技は教習所)
試験日(筆記) 令和3年3月16日(火) 試験地 千葉(関東安全衛生技術センター)

※実技の合格証も筆記の合格証も有効期限があるので、取ると決めたら最後まで駆け抜けること。
※試験は出張試験を含めて年に何回もある。油断は禁物だが、チャンスは多いので焦りすぎないように。


①勉強時間
 1ヶ月1時間程度

②勉強量
 過去問10回分を3周
 但し、力学は1回目で満点だったので、3回分一応こなして以後実施せず

③下知識
 機械工学卒、高校の一般物理は完璧、床上クレーンの操作と特別教育は取得済み

④試験の印象
 過去問の踏襲とは言え、法規が少々細かい

⑤手応え
 体調不良もあったが、力学以外は全体にギリギリという印象、法規はなんとか4割越え、
 力学は満点に近いとはいえ、のこりは7割以下の印象

⑥ 資格の意義など
 移動式クレーン自体の需要は多く、建設業では玉掛と合わせて必修科目と思われる。
 土木系だとこれに加えてバックホウを扱う車両系建設機械運転技能講習も必要だが、
 それよりも先に、移動式クレーンの運転を可能としておいたほうが重宝と思う。

 とはいえ、免許となると過剰でもある。
 重たい室外機でも1トン以下、中型の自動車でも3.5トン程度である。
 5トンまで扱える小型移動式クレーン技能講習の受講で通常は十分である。

 必要な場所は、大きな建築物の建設現場、または解体現場になると思われる。
 重たいH鋼や、複数の鋼材をまとめて効率よく吊り上げる必要がある場合などである。
 実際はあまりないだろう。

 取得の意義としては、普段小型移動式クレーンが主流の人からすると、
 大きなクレーンの操作による感覚の把握や、安全意識の向上、
 技能そのもののブラッシュアップ、そして信頼を得るためといったところだろうか。
 (当然業務で使うならば、それは必須だろうという話で終わるが)


⑦ その他
 本資格については、予備人員としての取得はお勧めしない。
 小型移動式クレーンの操作に慣れていたとしても、いきなり大型のクレーンはまた難しい。
 軽々しく「できます」と手を挙げられるほど甘くはないと思う。
 それには以下の理由がある。

 (1)距離の感覚(深視力)が小型のそれとは比べ物にならないほどつかみづらい
 (2)積荷もブームの挙動も大きいので、僅かなブレやズレの影響が小型のそれとは(以下略)
 (3)安全装置はついているものの、安全稼働半径や、アウトリガーの張り出しなどについて、
    きちんと考えられる人でないと危険性も被害も大きい
 (4)集中力を要する。小型でもそうだが、大型の操作レバーの遊びや反応速度、応答量などは小型と異なる。
    どちらかといえば、ゆっくり反応するのだが、その分、より繊細さが要求される場面になると、
    長時間の作業を行う必要性に迫られる(遅いと迷惑をかけるかもというプレッシャーで焦ることもある)。
    大型に慣れていないとキツイ
 (5)まともな会社ならば、現場に立つ前の社内研修レクチャーの類、さらには1日の操作時間、連続操作時間を
    社内規定しているところもある。慣れていてもそれぐらい消耗する可能性がある。

 他にもブームの長さを活かして、現場によっては合図も積荷も見えづらく、インカム無線機を使った作業になることもある。
 つり荷の重量の他にもやれることが増える半面、危険で熟練を要する作業が多いのも特徴と言える。

<教習>
9時限を6日かけて行う。一挙にできないのは、1日の作業時間に制限があるため。
1次元だけ安全管理の座学がある(ほとんど現場での合図などの話)。
あまり日にちが空くと操作感覚を忘れてしまうので、休めるなら休暇を使って詰め気味に通った方が良い。

教習での操作自体は小型移動式クレーンを含めた重機の経験があれば十分(現場では前述のとおり不十分だが)。
荷ブレの解消などの基本ができていれば苦戦することもあまりないと思う。

時間制限があるが、最初は慌てなくてよい。
残り3分の1ぐらいの次元数では時間制限を強制的に意識させられるが、
最初から、早いところは早く、慎重なところは慎重にとメリハリをつけること、
最小の移動距離と操作回数でやることを意識すれば自然とタイム内に収まる。

一つ一つの作業を確実に、適切な速度や距離で行う事に注力すべきである。
例えば焦ってタイムを縮めるために、最後だけスピードアップなどといった手段を取ると大概失敗する。

実際修了試験の時、おっさんは2回ぐらい慎重に移動した箇所があったので、わずかにタイムオーバーしている。
タイムオーバーは減点で済むが、接触は一発アウト。何をなんとしてでも避け、何を捨てるか、
現場でも教習所でも、おそらく一発試験でも同じことだろう。無理をしないことが確実な合格につながると思う。

教習所が手軽とは言え、お金は10万単位で係るのが普通なので、一般にはお勧めしない。
どうしても必要ならば会社にその教習代を出してもらうのが良い。
趣味や信頼だけで取得するならば、小型移動式クレーン技能講習で十分なキャリアを積んだ後、
一発試験にチャレンジする方法が案外安いかもしれない。


何度も言うが、合格するだけならば小型移動式クレーン等重機の操縦経験がかなり活かせる。
しかし現場に及んでは、小型移動式クレーンの経験だけでは諸々危険である。
どういう仕事をしたいか、どう見られたいかにもよるが、割と取得すべき人を選ぶ資格には思う。

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