スクリーンショット_2019-12-02_22

自責という言葉をデザインする

※この記事は、株式会社Ancarのアドベントカレンダー2019の12/3分として公開されています。

はじめに

Ancarに入社して、組織の改善に関わる機会が多くなりました。その中で「自責」という言葉がしっくりこないことが多く、自分自身の整理も兼ねてこの場を借りて、考えをまとめたいと思います。
何かのお役に立てれば幸いです。

自責とは何か?

自責の意味を辞書で調べてみました。

自分で自分の過ちをとがめること。また、自分に責任があると考えること。
引用: Weblio辞書

対義語である他責を合わせてみると、より分かりやすいかもしれません。

他人を責めること。失敗や過ちの原因を他人のせいにして責めること。「自責」に対して用いられる語。他人のせいにする傾向を「他責的」などという。引用: Weblio辞書

ただ自責であればいいのか?

私自身、新人の頃は一般的には自責のほうが、個人としてもチームとして良い、成長しやすいなどと言われて来ました。その言葉を信じ自責で仕事をすることが染み付いていました。
しかし不確実性が高いプロジェクトにアサインされたとき、行き過ぎた自責思考により、自分を苦しめ体調を壊し、挙句の果てに周りの人や事業に多大な迷惑をかけました。
不確実性が高い現代のビジネスにおいては、行き過ぎた自責思考はただの思考停止であり、自分の成長を止め、悲劇のヒロインを演じることで自分の可能性すら殺してしまう、他責思考より厄介なものだと気づきました。
しかも他責な言動よりも、自分では気づきにくいことが解決を一層難しくしているように感じます。

そもそも自分が最高の成果を出したからと言って全体がうまくいくというような単純なものではありません。(だからこそ組織やチームが必要なのです)

とはいえ、他責思考がいいという訳でもありません。
このように「自責」「他責」という言葉で、現代ビジネスに起こる問題を語ることは困難だと感じています。

<対応策>言葉を変える

プログラミングでも命名が重要とされるように、言霊という文化があるように、「言葉」というのは人間の思考に大きく影響します。
そのため、自責・他責という言葉を変えることで、行き過ぎた自責思考を食い止めることはできないかと考えました。

自責と他責という言葉を少し考えたいと思います。
辞書で引くと先程記述した通りですが、ビジネスにおける意味は少し考える必要がありそうです。

自分や他人を責めることは誰でもできますし、重要なのはその先のアクションです。

私は下記のように考えます。

・自責...自分の説明責任の範囲内で、起きた問題を振り返り、改善すること。
・他責...自分の説明責任の範囲外で、起きた問題を振り返り、改善を呼びかけること。

※説明責任...与えられた権限に対して、実行したことと成果を説明する責務。

上記のように考えると、自責・他責の言葉の問題として、

・「自分」と「他人」という「人」にフォーカスをしている
・「行動を起こす」ことではなく、「責めること」にフォーカスしている

が考えられます。
これらを踏まえて、下記のような言葉はどうでしょうか?

内進
外進

正直微妙すぎて自分でもびっくりしてます笑
一応理由としては

・説明責任の「範囲内」「範囲外」ということにフォーカスしている
・「責めること」ではなく、行動を起こして、物事を良い方向に「進めること」にフォーカスしている

です。

画像1

今後社内で使ってみて実験していきたいと思います...(他にいい案あればぜひ教えてください)

人やチームのパフォーマンスを評価するときに、内進と外進両方できていることが生産的と考えます。(比重は検討する必要があります)

そもそも権限と責任をはっきりさせることの方が難しいと思いますが、もし自責と他責という言葉を変えることで、救える人がいれば嬉しいです。

くだらない内容を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?