見出し画像

1:エストニアのバス無料化

2018年7月1日から、エストニアの15州のうち11州で公共交通機関のバス利用が無償化された。もともと2013年に首都タリンではバスの無償化が先行して行われていたが今月より殆どの州でバスが無料で利用できるようになった。

まずエストニアと聞くと、Skype発祥の地であるし、オンラインでの選挙投票を実現しているし、日本のマイナンバー制度もこの国から参考にしている。非常にIT国家のイメージが強い国です。

都市や交通について学んでいた友人から聞いたところ、良い街は「歩行」のしやすい構造になっているらしく、決して自動車中心の街ではないらしいです。(とてもざっくりですみません、素人すぎて詳しいことは分かっていません。)
キーワードはTOD(Transit Oriented Development)で調べて見て欲しいです。

エストニアの施策は、自動車の利用を減らすことによって、公共交通機関の遅延がなくなることや、二酸化炭素削減による温暖化防止、さらには国民に歩行を促すことによって地域コミュニティを活性化し、ひいては国家の経済成長に繋がると思われます。一方で交通弱者をどのように減らしていくかが鍵となり、残り4州での都市部と地方が隔離してしまう新たな課題が生まれてくるでしょう。

エストニアのここ数年の発展には目を見張るものがあります。日本にすぐ転用できないものかと思い少し比較してみました。
エストニア:(人口)134万人 (面積)45226平方キロ
日本:(人口)1億2667万人 (面積)377972平方キロ
人口は95倍、面積はおよそ8.4倍とそれはもう圧倒的に日本よりスケールが小さな国なのです。この単純な比較から簡単に断言してはいけないことは重々承知ですが、日本で同じような施策を国家レベルでやるのはなかなか難しいのではないかと思わざるを得ません。現にエストニアを真似たマイナンバー制度はほぼ機能していません。まずは市区町村、都道府県レベルで地域の公共交通を担っている会社が行政と手を組んでやるべきなのでしょう。しかし、収益が出ない、いわゆる赤字路線を持っているバス会社や鉄道会社は沢山あります。

どの会社も存続ギリギリで政府から助成金を受けて、無理くり赤字路線を成り立たせている状況であり、交通事業の会社は四苦八苦してる現状です。課題は尽きないですが、どうにかこういった問題と真剣に向き合い、問題解決に向けてどのような「移動」を促していけるかを考えて行かなければならないと強く思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?