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花束

生きるって、とっても不思議なことですよね。

生きることを何かに例えるとあなたなら、何に例えますか?

ジョブズは点と点(有名なスピーチありますね。)だったり。

パズルのピースを集めることと考えている人もいます。

僕は花束を創っていく過程が「生きる」ということなのかなと考えています。

花束って、お花が何本も束になって出来ています。一本一本もそれぞれ美しいですが、それらが一つになることでその美しさは何倍、何十倍にもなります。

1種類の花で作られている花束、色々な種類の花束で作られている花束も素敵です。

今日はそんな花束と人生についてを祖父から教えてもらった話です。

では、いってみよう!

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げんき:「ど~思う~、これ~から~、ふたりでやあってえぇ~、いけるとおもうう~。」

おじいちゃん:「いや、その花束じゃないんじゃ、もう4回聞かされておる。わしが話していたのは、おまえは人生を通して、どんな花束を創りたいのかということじゃ。そろそろさすがに、杖で殴ってよいか?」

げんき:「バックナンバーの名曲じゃなくて?人生と花束?そこに何の関係があるの?」

おじいちゃん:「簡単に言うと、人生は花束を創る過程なんじゃよ。頭のいいお前ならすぐにわかるはずだから、説明をしてやろう。げんちゃんや、お前は今日、何をしていた?」

げんき:「今日、僕はじいちゃんの畑のお手伝いをしたよ!張り切りすぎて、隣の人の野菜も全て収穫して、怒られたよ!隣の人はカンカンだったけど、じいちゃんの人柄で許してもらえて間一髪だったね。」

おじいちゃん:「そうじゃ。お前は今日、自分の時間を使ってわしの畑のお手伝いをするという行動をしてくれたんじゃ。さらに隣の人の家の野菜を収穫するという、相手からしたらちょっぴり迷惑な行動もしたんじゃ。その二つの行動をしたんじゃが、振り返ってみてどうじゃ?楽しかったか?」

げんき:「はじめは汗かくし、めんどくさいと思ったけど、やっていくうちに夢中に土に触れていて、とっても楽しかったよ!じいちゃんはお礼を言ってくれるけど、僕がお礼を言いたいよ、楽しい時間をありがとう!大人になったら、野菜作りもしてみたいなぁ。」

おじいちゃん:「なんと素敵な心をもった孫なんじゃ。頭は足りないが、素敵な心を持っているね。そして、わしの言いたいことを理解しておるようじゃ。お前は今日、二つの行動をしたんじゃ。その時にあるものを手に入れておるのじゃが、わかるか?」

げんき:「なんかもらったっけ?何ももらってないよ。」

おじいちゃん:「確かにもらっているんじゃ。わしもあげたんじゃよ。」

げんき:「おこづかい?」

おじいちゃん:「・・・・・。現金な奴じゃ。アピールしてもお金はあげんよ。あげたものは目に見えんものじゃよ。」

げんき:「花束に関係あるはずだから、1輪の花だね。」

おじいちゃん:「お前は本当に賢いな。そう、花に関係しているんじゃ。でも、お前のいう1輪の花ではなく、一つの種なんじゃよ。人間は一つの行動をすることによって、一つの種を貰えるんじゃ。もちろん、それは目に見えない種じゃ。」

げんき:「その種はなんなの?」

おじいちゃん:「その種はお前の人生を創っていくものじゃ。その種で育てた花を使って、お前は花束を創っていくんじゃ。貰った種に水をやって育ててもいいし、育てなくてもいい。1種類の花を育てて、花束を創ってもいいし、いろんな種を育てて、様々な花を使った花束を創ってもいいんじゃ。言いたいことはわかるね?」

げんき:「なんとなくわかるよ。質問なんだけど、行動の度に種はもらえるの?」

おじいちゃん:「そうじゃ。行動一つに対して、一つの種がもらえる。いつもわしが言っている、世界は行動によって変化することにつながるじゃろ。お前はこれからの100年という人生でどんな花束を創りたい?」

げんき:「僕は多種多様な花が活躍する花束を創りたい!」

おじいちゃん:「げんちゃんらしいな。わしがお前くらいのころは、それはそれはひもじい思いをしていたんじゃ。わしは特攻隊、おまえのばあさんは満州に行っていたことはまえに話したのを憶えておるか?」

げんき:「もちろん、おぼえているよ。満州の餃子は旨かった話ね。」

おじいちゃん:「・・・まあよい。その時に様々な種をいただいたんじゃ。それは今では絶対に体験できんようなおぞましいものもあった。だが、あの時もらった種を大切に育てて、わしは花束を創ったんじゃ。」

げんき:「じいちゃんの花束はなんとなくわかるよ。とっても温かい、優しさに包まれた花束でしょ。」

おじいちゃん:「まあ、そうといえるな。思い出したくない記憶ともいえるが、あの経験が今のわしにつながっているんじゃ。その種に水をやって、育てた結果、その集大成として今のワシがおる。」

げんき:「じいちゃんのやさしさはその時の経験からきているんだね、、、、。」

おじいちゃん:「そうかもしれんな。そして、お前がワシと今、話しているこの最中も種をあげていることになるんじゃ。そう考えると、ワシの体験もおまえの中で生きていくんじゃ。げんちゃん、こうやって、色々な人に出会い話をしなさい。そして、色々な経験をしていくんじゃ。お前が創る花を制限できるものはおらん。お前の創る花束をワシはお空の上から楽しみにしておるよ。」

げんき:「じいちゃん・・・。僕はどんな花束を創っていこう、、。なぜだか、これからの出会い・経験が楽しみになってきたよ!じいちゃんの種が僕の中で生きている気がする!」

おじいちゃん:「いいことじゃ。生きることは美しく、楽しいものじゃ。」



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